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料理家 今井真実の「食べたいエンタメ」(ミニレシピ付き)第32回

『Tシャツが乾くまで』とかけて「上沼恵美子さん」と解く。その心は「夫婦関係」?【ミニレシピ付き】

  • 今井 真実

2026.09.25

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Yummy!

今月のミニレシピ

嫌いだからこそ気になっちゃう「かぼちゃ」のレンチン蒸し

今井真実さん かぼちゃのレンチン蒸し

かぼちゃを1cm薄切りにして、食べやすい大きさに切ります。耐熱皿に乗せて水をかけて捨てて、ふわっとラップをかけて600w2分半〜3分、箸がスッと刺せるほど柔らかくなるまで電子レンジで加熱します。ウスターソース、カレーパウダー、マヨネーズを添えて召し上がれ。
かぼちゃのカレーパン美味しそうでしたよね!

やー、面白かったですね。終わってしまいましたね……。え? 何がって? それはあなた、『Tシャツが乾くまで』ですよ! 週末のお楽しみが……!

この夏、私は誰かと会えば「Tシャツ見てる?」という会話から始まり、もうその話題が止まらないという日々でした。

夫婦揃って『Tシャツが乾くまで』に夢中になり、毎週一緒に視聴

蒼井優さんと松山ケンイチさんの夫婦、そして夏帆さんと中島歩さんの夫婦なんだね、と、軽ーい設定しか知らずに見はじめたのですが、なんと初回に夏帆さんと松山ケンイチさんの乗ったバスが事故に遭うところで終わりました。えーーー!!! と思わず声を出して、TVの前で唖然としたのですがそこからどんどんめくるめく新事実が発覚。ミステリー? それともラブストーリーに行く? と思いきや、最終的には夫婦とは、家族とは、ということを突きつけられる物語でした。シリアスな流れだったのに、終わりに向かっていくにしたがってコメディのエッセンスも入ってきて、いろんな意味で目が離せず。夫婦といえども全てを見せ合い、理解しているわけではない、ということがなんとも胸に刺さり、どきりとしました。

そんな私、夫と夫婦揃ってこのドラマに夢中になり、毎週いっしょに観ていました。

松山ケンイチさん演じる充が、蒼井優さん演じる咲子と友人の結婚式で出会ってすぐバーに行った第6話のことです。ふたりは初対面ながら家族観や結婚観について話します。そして充がお会計をしながら咲子に向かって「次は奢ってくださいね」と言い次の約束を促すのでした。

すると、夫はTV画面を指差しながら口をぱくぱくさせて「ス、スマート!」と叫びました。え? 何が?と思っていると「ああやって誘うんだ! すげー!」と感動している様子。ん? 割とふつうじゃない? と言うと「そうなの!?」とさらに驚いた様子。あーそうだ、結婚して忘れていたけれど、夫はこういう人だった。ちなみに彼がモテたのか、モテなかったのか。うーん、私にはよくわかりません。

あの”えみちゃん”も『Tシャツが乾くまで』に夢中らしい

そして、『Tシャツが乾くまで』に関連して、今私が夢中になっているのが上沼恵美子さんです。もうね、いまさらですよ、いまさら! 夢中に、というか、もう「えみちゃん」はずっとそばにいたわけです。そして、ごめんなさい、ここからはえみちゃんと呼ばせてください。だって関西で育ってたら、上沼恵美子さんのことみんな「えみちゃん」って呼ぶよね?

LEEweb読者の皆様は日本各地に住んでいらっしゃるので、ご存知ない方もおられるかもしれませんが、えみちゃんの実家は大阪城で、なおかつ淡路島を所有しています。というようなことを、関西人は子どもの頃から叩き込まれます。TVをつければ毎日えみちゃんに会えて、ぱっとしない日でもえみちゃんの話を聞けば大笑い。いいですか? おしゃべりだけなんです。緩急つけてボケてボケてボケまくる。自分の夫をネタにし、姑問題もネタにして笑い飛ばし、人情に熱くて、時には涙を流す。そんなえみちゃんのことが、小さい頃から大好きでした。

今井真実さん かぼちゃのレンチン蒸し

そんなえみちゃんが、『Tシャツが乾くまで』に夢中だとか。さっそく、えみちゃんのYouTubeチャンネルで熱く語っているのを観て……いやー笑い転げました! みんな今すぐえみちゃんのYouTube見てください。蒼井優さんがコインランドリーでペットボトルを中島さんに渡すときのセリフだけでこんなに盛り上がることある!?

大人になったからこそわかる、えみちゃんの「夫」「お姑さん」ネタ

そしてさらに私が好きなのが、えみちゃんの著書『上沼恵美子の人生笑談 白黒つけましょ』(文藝春秋)です。これは週刊文春に連載していた人生相談のコーナーをまとめて書籍化したもの。最近は毎晩寝る前にリビングで「ふふ、ふふふ」と1人で声を押し殺しながら読んでいます。笑いが止まりません。えみちゃんってば文章まで最高におもしろいんですよ……。

えみちゃんのアイス愛のエピソードを読むとたまらなくなるので、アイスクリームはあらかじめ買っておきましょう。

今、改めてえみちゃんの漫談やエッセイに触れて、大人になったからこそわかることがあるなあとほろり。子どもの頃はえみちゃんが夫さんやお姑さんをネタにしても、いまいちピンと来なかったんです。しかし、『上沼恵美子の人生笑談 白黒つけましょ』を読んでいると、私生活と仕事の両立はさぞかし大変だったんだろうな、ということがエピソードから垣間見えます。今、自分も大人になり、仕事をしながら家庭を持つ身になって、働く女性の先輩としてより一層えみちゃんのことを尊敬します。

本書では、親のこと仕事のこと、子育て、ママ友、老後と様々な悩みが読者から寄せられます。質問を読むだけで、胸が痛くなってしまうほどシリアスなものも。しかし、さすがえみちゃん! 自分の体験、失敗談なども交えつつ、とびきりのユーモアで笑わせながら明るく優しく質問者を励まします。そうかと思ったら、時には、質問そのものに「甘い!」と、喝を入れることも。これを読みながら、ああそうだった、こういうえみちゃんだったから、大好きだったんだと思い出しました。



夫さんと別居婚のえみちゃん…あれ? どこかのドラマで見たことが?

現在、えみちゃんは夫さんと別居婚をされていて、その経緯についてもメディアでよく話されています。しかし、なんとこの著書のあとがきは、その夫である上沼真平さんなのです。なんでも、上沼さんが定年後に思い描いていた自身の人生設計と、忙しいえみちゃんとの生活がすれ違ってしまったそう。そしてふたりは別居という形をとったのだとか。……あれ? どこかのドラマで見たことがある話……そう思ったのは私だけでしょうか?

そして、今の一番の楽しみは、週刊文春でのえみちゃんの連載『人生笑談』を読むことだと綴られ、「どこにこんな才能があったのだろうか」と上沼さんは楽しげに驚いています。 これも、またひとつの形。夫婦とか家族とか、きっとひとつの正解があるわけじゃない。人生で、大切だと思える人に出会えること。それだけでも、幸運なことなのかもしれません。長く一緒にいても、知らないことはまだまだある。そのたびに驚いたり、笑ったりしながら、お互いに心地いい形を作っていけばいい。そんなふうに、勇気づけられます。

今井真実さん かぼちゃのレンチン蒸し

(『料理家 今井真実の「食べたいエンタメ」(ミニレシピ付き)』は毎月最終金曜日更新です。次回をお楽しみに!)


Staff Credit

撮影/今井裕治

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今井 真実 Mami Imai

料理家

レシピやエッセイ、SNSでの発信が支持を集め、多岐の媒体にわたりレシピ製作、執筆を行う。身近な食材を使い、新たな組み合わせで作る個性的な料理は「知っているのに知らない味」「何度も作りたくなる」「料理が楽しくなる」と定評を得ている。2023年より「オージービーフマイト」日本代表に選出され、オージービーフのPR大使としても活動している。既刊に、「低温オーブンの肉料理」(グラフィック社)など。

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