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フローリングの水拭きはOK? NG? 裸足でベタつく床の掃除法の正解教えます!【無垢材もきれいで長持ち】ーー2023年上半期BEST20

  • 藤原千秋

2023.08.29

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2022年12月1日から2023年6月30日まで、LEEwebで反響の大きかった記事ベスト20を発表します。LIFE部門の第1位はこちら!(初公開日 2023年6月17日)

スリッパやバブーシュなどのルームシューズ……おうちの中で履くものには、それならではの楽しみがありますが、何も履かない“裸足”になれるのは、おうちだからこそ。
夏の裸足って、問答無用の解放感ですよね。でも、だからこそ気づいてしまうんです! 床のベタつきに、いち早く。

ベタつくフローリング床、どうしてる?

フローリング 素足 掃除

「フローリングは、水拭きしちゃダメ!」
「フローリングは、水拭きでスッキリ!」

んんん? どっちが正解なの?
正解は、どちらも“場合による”

日々、床上を汚す髪の毛や綿ぼこり(衣類クズ)はフローリングワイパーのドライシートで乾拭きするだけでもOKですし、こまかなホコリや泥砂も乾いているなら掃除機だけで吸い取れます。そういう汚れだけで済んでいるなら“水拭きしなくていい”

でも、足裏の汗を含んだホコリ汚れや皮脂汚れ、調理中に飛んだ油煙汚れなどは「掃除機」や「乾拭き」では落とせません
それに子どもの食べこぼし、粗相(ペットも)があっても水拭きしないで済ますなんて、現実的にあり得ないですから“水拭きしてもいい”

ただし「水拭き」するときに(粗相の後始末以外は)なるべく水分を控えるのが、ポイント
決してべちゃべちゃの雑巾やモップではなく、水で濡らして固く絞った布で拭くようにしましょう。
これはフローリングの種類(後述します)を問わず大切なところです。
なぜなら水分が多いと、まず床が滑りやすくなり、掃除中の転倒リスク大! それから木材そのものや表面の塗装が水を吸って波打つように変形したり、凸凹になってしまうことも
水が染み込むことでの変色、劣化、カビ、腐敗の元になる可能性も、なくはありません。
お風呂場が家の中で傷みやすいこと、雨漏りや水漏れ、水害が家を著しく傷めることからも、水は決して侮れません。
一時的にやむをえず水を多めに掃除に使ったなら、乾いた布できちんと拭き取り、しっかり乾燥させることが必須です。

水拭き掃除の頻度はどれくらいがいいの?

フローリング 掃除

水で濡らして固く絞った布。おすすめは水だけでも汚れを掻き出せる、繊維に凹凸のあるマイクロファイバークロス製の掃除クロスです。
皮脂に強いタイプ、油汚れに特化したタイプ。値段や種類も豊富になってきているので、気になったら使ってみるとよいでしょう。
マイクロファイバークロスを上手に使い続けるコツは「雑巾化」させないこと。掃除に使ったらしっかりゴミを落として洗濯機で洗って脱水して干す。タオルと同じレベルの衛生状態を保つことです。この洗濯の際に柔軟剤は使ってはいけません。せっかくの繊維の凹凸を埋めてしまうからです。

そして水拭き掃除の頻度はどれくらいがいいか?
これは床の汚れ方、ライフスタイルにもよりますが、「裸足生活」を始めてベタつきが気になるなら、毎日でも
一方、さほど気にならないなら、月に1回〜年に1回であっても全く構いません。
あなたが拭きたいなら、拭きたいだけ拭けばよいのです。びちょびちょにさえさせなければ、ロボット掃除機を使っての拭き掃除をしても構いません。

つまり「フローリングを守る」ために「ベタベタ(気持ち悪い!)を我慢」する必要はないということ。
そう言われても「フローリングが傷むのがとにかく怖い」ならば「ワックスがけしながら水拭き」という方法があります。

いいとこどりの”ワックス水拭き”

フローリング 床 ワックス実は長年の「水拭き」マニアな私。
「ワックスがけしながら水拭き」する際は、もう20年近く、100%天然原料でできているドイツ発祥AURO社のフロア用ワックスを愛用しています。
このワックス。バケツの水に少量溶いて布を浸し、固く絞ったもので床を水拭きすることで「掃除」と「ワックスかけ」が同時に叶ってしまう、すぐれもの。
わが家のような合板のフローリングだけでなく、無垢材のフローリングにも使えて、掃除後の床を赤ちゃんが舐めても安心な主成分は「亜麻仁油、蜜蝋、オレンジ油、ユーカリ油」など。森のような自然の香りも好みです。

いちいちバケツなど出していられないほど忙しいなら、このワックスを染み込ませたワックスシートもあります。シートなら使い捨てできるので、後始末も簡単です。
ただいずれもいかにも「ワックス!」という感じのピカピカ、テカテカ、ツルツルした仕上がりではありませんので、念のため。でも、天然の油脂の薄い塗膜が木材を保護してくれる感覚はわかるはずです。

AUROフローリングワックスシート ウェットタイプ



フローリングを傷めるのは、水拭きよりも”紫外線”

築年数を経た住まいの、フローリング上の家具をどかしてみると、日に当たった床とそうでない部分とでは「色」が全く異なります。
中でも直射日光にさらされ続けたフローリングは、変色、変形、めくれ……「ああ、劣化したなあ」……一目瞭然です。
この紫外線劣化はあらゆるフローリングで起こることなので、直射日光の当たる床にはマットなどを敷いておくのが長期的にはおすすめです。

フローリング 種類

そうそう、「フローリング」とひとことで言っても、実のところその種類は、かなり幅があります。
大きくは

・無垢フローリング …天然木100%(ヒノキ、パイン、ウォルナットなど)。単層フローリングともいう
・複合フローリング …合板に化粧材を張りつけたもの(厚めの天然木、薄めの天然木、樹脂シートなど)。複層フローリングともいう
・クッションフロア …シート状になった塩化ビニール。本来の意味ではフローリングではないものの、木調の見た目のものはフローリングと見分けがつかないことが多い

の3種類に分けられますが、自宅のフローリングがどれに当てはまるか、知っていますか?

フローリング 掃除床を水拭きするなら、水で濡らして固く絞った布で拭くようにするということ。これはフローリングの種類を問わず大切なところ、と冒頭でお話ししましたが、クッションフロアでもここまでは一緒です。
ただ、ビニールなので「AUROでワックスがけしながら水拭き」という作業は向いていません。
クッションフロアは比較的水に強いメリットがありますが、油分を吸着しやすくベタつきやすい面があります。この油分を落とすには、水拭きに住居用中性洗剤を併用します。油分とホコリが合わさって固くなった強固な黒ずみ汚れなら、少量の弱アルカリ性洗剤やセスキ炭酸ソーダなどのアルカリ剤を使って汚れを緩め、メラミンスポンジで削り取るのが効果的ですが、どちらかというと「最後の手段」なのであまり濫用はされませんように。

黒ずみといえば、木材を使ったフローリングの上に布団を敷いて万年床にした場合や、植物の鉢を置いていたあたりなどにカビが生え、染み込んでの黒ずみ汚れも、まれにあります。
できれば張り替えてしまいたいところですが、すぐには難しい場合は消毒用エタノールで何度も拭き取り、胞子を減らしてカビを殺しましょう。ただ、エタノールは複合フローリングの塗装を溶かしてしまうため、表面が白濁するなど見た目は汚くなりますのでご注意を。


先取りで安心! おそうじ歳時記

LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!

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藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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