タイBLドラマで人気爆発の俳優Upさん「言葉の壁はあっても、世界中のどの国の人とでも通じ合える」ファンへの想いや次回作まで深堀インタビュー!
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石川晴美
2022.11.27
1994年12月4日生まれ、タイ出身。俳優・歌手として活動中。身長180cm。出演作は短編映画「The Gifted」(2015年)、「転校生ナノ」(2018年)、「Lovely Writer The Series」(2021年)ほか。新作ドラマも待機中。日本では11月5日に自身初のファンミーティングを開催した。Instagram uppoompat
世の中がWithコロナの風向きになった2022年。入国規制も緩和され、海外スターの来日ラッシュが続いています。タイドラマで人気のスターたちもファンミーティングで続々と来日中。
そこで、2021年 U-NEXT人気作品ランキング/タイドラマ(見放題)部門で1位に輝いた、BLドラマ「Lovely Writer The Series」に主演、ファンミーティングのために来日したUp Poompat(アップ・プーンパット)さんに単独インタビューを敢行!読めばきっと、タイの俳優さんやドラマに興味を持っていただけるはずです。LEEweb撮りおろし写真とともにお届けします。
目次
1.なぜ今、「タイBLドラマ」?
2.タイの俳優はここがすごい!
3.Upさん主演、タイBLドラマ界に一石を投じた「Lovely Writer The Series」
4.「Lovely Writer The Series」にちなんでUpさんへ10の質問
1. なぜ今、「タイBLドラマ」?
日本では、数年前からコアなファンがYouTubeに日本語字幕を付けるなどして、徐々に広まっていったタイBLドラマ。コロナ禍でステイホーム期間が続くなか、2020年に放送・配信された、大学が舞台のさわやか系BLドラマ「2gether」がTwitter世界トレンド1位に。世界的な盛り上がりから、日本国内でも視聴環境が整い、配信作品が一気に増えました。
2020年9月には、日本初のタイドラマ専門誌『タイドラマガイド「D」』(東京ニュース通信社)が創刊。BLドラマと言っても、青春群像劇やラブコメ、社会派、マフィアものなど、ジャンル分けしきれないほどバラエティに富んでいます。魅力的なキャストや脚本も相まって、学生から年配の方まで幅広いファンが増殖中です。
韓国ドラマ視聴歴20年超のライター石川が、タイBLドラマを観始めたきっかけはこちらをお読みいただくとして・・・。
2. タイの俳優はここがすごい!
タイの俳優たちがアジアやヨーロッパを中心に世界で人気を爆発させている理由とは?
■スタイル抜群、笑顔がかわいい、美肌の持ち主も!
化粧品ブランドのイメージキャラクターは当たり前、女性もあこがれる、透明感あふれる美肌フェイス!かっこよさとかわいさを持つ一方で、ハイブランドをさっそうと着こなす、ファッションモデルのような高身長とスタイル。さまざまな魅力を兼ね備えた俳優たちが、国を超えて席巻しています。
■俳優たちの引き込まれる演技に秘密あり
ほとんどの俳優たちが、撮影が始まる前に長期間にわたり、演技のワークショップを重ねています。新人俳優も多く出演しますが、視聴者がそれに気づかないほど演技力を磨き、スタッフとのチームワークを高めて撮影に臨んでいるのです。
■SNS発信やファンミなど供給の多さで沼にはまる!
人気を博したドラマは、メインキャスト総出演でファンミーティングを行うことも。全てのドラマではないけれど、放送終了後もキャストが一緒に広告出演したり、コンテンツのSNS発信など供給が多いんです。毎日のようにファンを楽しませてくれるから、ますますタイBLドラマの沼にはまります。
次はいよいよ、Upさんのことを詳しくご紹介します。
3.Upさん主演、タイBLドラマ界に一石を投じた「Lovely Writer The Series」
Lovely Writer The Series(2020年)
原作は、2019年に発表されたタイの人気BL小説「Counting to 10 and I will kiss you(10まで数えてあなたにキスをする)」。タイの放送とほぼ同じタイミングで、2021年に日本でも配信開始(U-NEXT独占配信中)。主演の二人は「Kao×Up(ガオアップ)」と呼ばれ、一緒にイベント出演するなど大人気!全12話の完結後にはスペシャルエピソードが製作され、繰り返し観るファンも多い作品です。
ストーリーの始まりは、「ダークファンタジー小説家のGene(Upさん)が、生活のために仕方がなくBL小説を書いたところまさかの大ヒット。ドラマ化が決まり、主演俳優のオーディションへ渋々向かうGene。その会場で超絶イケメン俳優のNubsib(Kaoさん)と出会う。しかし彼にはいろいろな秘密があって・・・」という先が読めない展開。
この先どうなっちゃうの!?と続きが気になり、いつの間にか彼らを応援したくなる。主婦目線で言うと、食事や買い物、住まいなどの暮らしぶりを知るのが面白い!タイの美しい景色や豪邸も見ごたえがあります。大ヒットBLドラマ「TharnType(ターン×タイプ)」のTee監督が指揮をとり、ドラマ制作の裏側を自ら描いています。キュンキュンするラブコメでありながら、業界に問題提起した意欲作でもあります。
4.「Lovely Writer The Series」にちなんでUpさんへ10の質問
今回は、劇中でもキーワードになっている数字にちなんで、「10」の質問に答えていただきました。
Q1.以前、来日されたときはプライベート旅行だったそうですね。雑誌のインタビューでは「いつか日本のファンの皆さんに会えるといいなと願っています」と話されていました。そして今回、初めてのファンミーティングでファンに会えた感想を教えてください。
A1.「話したことが実現したこと、しかも、日本でファンミーティングができたことが、とってもうれしいです。日本のファンはとてもかわいかったです!」
―会場のMayo(ファンダム名)のみなさんは、マスク越しで、声もあまり出せない状況での参加になりました。
「はい、でもファンミーティングが終わったあとに、みんなの目を見ていたら、本当に内面からすごく喜んでくれているなぁと分かって!僕も同じような気持ちになりました。いつも日本のファンからプラスのエネルギーをもらっています」
Q2.日本のファンの印象は、会う前と変わりましたか?
A2.「まず会う前は、とってもワクワクしました。みんながどういう反応をするか、とっても気になったんです。例えばタイ人のファンに会うなら、‘’ここで一緒に歌ってくれるかな“と予想できるんですけど・・・。“日本のファンは一緒に歌ってくれるかな”、“手を振ってくれるかな”とか、いろいろ考えていました」
―みなさんで歌ったり手を振って、喜んでいらっしゃいましたよ!
「そうなんです。その光景は、すごく感動的でとてもうれしかったです。本当にありがとうございます」
Q3.日本では、「Lovely Writer The Series」をきっかけに、Upさんのファンになった人が多いと聞きます。このドラマでは、喜怒哀楽、さまざまな感情を表現する場面がありました。演じるうえでいかがでしたか?
A3.「そうですね、1本のドラマの中で、いろいろな感情表現をできるところが好きでした。今までずっと演技を習ってきたので、それを実践することは、自分にとってチャレンジだったんです。感情表現で一番難しかったシーンについては、撮影まですごく集中して準備をしました。なぜ難しいか・・・。それはいろいろな要素が混ざっているからなんですよね。でも頑張った結果、演じることができました」
―Gene(Upさんの役名)と一緒に涙したファンもたくさん居たと思います。
「ありがとうございます。(笑いながら)今ここで訴えておくけど、監督が撮影中に僕をしょっちゅう泣かせたがってね。いっぱい泣いたから、そのぶんいっぱい水を飲まないといけなかったんだ(笑)」
Q4.「Lovely Writer The Series」のサムネイルがGeneのメガネ姿で、「あざとかわいい」姿にひかれてドラマを見始めました。この丸メガネは私物ですか?
A4.(「あざとかわいい」を通訳さんが訳したところ、Upさんは大ウケして)「原作小説の設定もメガネを掛けているので、監督からのリクエストでした。スタリストさんが用意してくれたものです」
―このメガネには、劇中でどんな役割があったと思いますか?
「主人公は小説家なので、もしかしたら近視かもしれないし、パソコンで原稿を書くときにメガネが必要かなという背景はあると思いますね。そういえば、外ではコンタクトレンズをしていたから、確かに近視ではある(笑)。家のシーンではメガネを掛けてましたね」
Q5.劇中で「イヤ」「No」を意味するタイ語「ไม่(マイ)」の言い方がかわいくて、すぐに覚えました。この言い方はどのタイミングでうまれたのでしょうか?
A5.「そうですね、これはTee監督のアイディアです。『No』『いやだ』というのは、やっぱりそのキャラクターとしての、ちょっとイラっとした気持ちが入っている言い方がいいって。キャラクターづくりの一環で生まれました」
―否定する姿さえもかわいかったです!
(照れながら)「ありがとうございます!」
「20代のうちに勇気を持ってチャレンジできる役に挑戦したい」
Q6.12月に28歳になるUpさん。20代のうちにプライベートでやっておきたいことは?演じてみたい役はありますか?
A6.(あーと言った後、今までの笑顔と打って変わり、真剣な表情で考えながら)「30歳になるまでに、両親とおばあちゃんに楽な生活をさせてあげられるようになりたい。演じてみたい役・・・というよりは、どんどん難しい役にチャレンジしていきたいです」
―具体的な役のイメージはありますか?
「本当にどんな役でもオファー次第で受けたいと思ってます。(持っていたサインペンを右手で振り上げながら)殺人犯の役かもしれないし、他の役かもしれないけれど。自分が勇気を持ってチャレンジできるような役が来たら受けたいです」
―期待がふくらみます、楽しみにしています!
「待っていてください!」
Q7. Upさんは大学卒業後、ロンドン留学を経て、現在は(「タイの東大」と例えられる権威ある国立大学)チュラロンコン大学(Chulalongkorn University)大学院の博士課程に在学中だそうですね。どのような勉強をしていますか?
A7.「国際開発学(International Development)を学んでいます」
―大学に入るのも勉強が大変なのに、博士課程となるとさらに大変だったのでは?博士課程に進んだ理由は?
「当時はまだ時間があったので、勉強したいと思ったのですが、今は全然時間がないんです」
―今まで勉強したことが、仕事に生かされていると思うことはありますか?
「気づかないうちに役に立っているかもしれない。自分では視野が広くなったとか、起こった出来事について気づきがあるような感じがします。イギリスで修士課程を学んでいたときに感じたのは、世界中のどの国の人とでも、言葉の壁はあっても通じ合えるということです」
Q8.趣味は読書だそうですね、すごく忙しそうなのにいつ読書をしていますか?
A8.「今は常に仕事をしていて、スケジュールがびっしりなので読めていません。でも、読みたいと思っている本はかばんに入れています」
―普段、睡眠時間は取れていますか?滞在中の日本のホテルは快適ですか?
「なんとか、一応寝ています(笑)。理想は8時間睡眠ですが、実際は6時間、いや5時間、いや3時間かも・・・。日本のホテルは快適です!」
「次回作は愛を信じ切っている役を演じます」
Q9.今後出演される作品について教えてください。
A9.「2作品あります。まず、『Step By Step』、僕の所属会社が製作するドラマです。その中で『Put(プット)』役を演じます。広告代理店を舞台にした、上司と部下などの関係性も描いた、仕事世代の人間ドラマです。いろいろなトピックや伏線があります。Putは愛を信じ切っているキャラクター。でも実際彼が何をするかはお楽しみです。(日本語で)すみませーん!」
―まだ発信されている情報が少ないドラマだそうですね。たくさん教えてくださってありがとうございます。もう1つの作品「Start Up」についても教えてください。
「成功を夢見て、いろいろな試練を経て起業する人たちの話です。ある若者グループたちが夢を追いかけます。韓国ドラマ『スタートアップ:夢の扉』のリメイクで、僕は成功を夢見る若者、主人公を演じます。韓国版の役名だとナム・ドサン。いつかAmazonやGoogle、Facebookのように成功したいと思っている役です。タイ版のオリジナル要素も入っています。あとは、どんな話になるかお楽しみに!」
Q10.日本のファンの方、この記事でUpさんを知って作品に触れようとしている方へ、それぞれメッセージをお願いします!
~日本のファンのみなさんへ~
「日本に来ることができてとってもうれしかったです。すごく心が満たされて、プラスのエネルギーでいっぱいになりました。ファンミーティングを2公演して足が疲れたんですけど、みんなが幸せになってくれたようで、心は満たされた気分です。たぶん人生で辛いこともあると思うけど、僕はこれからもみなさんを応援します。また近いうちに会いましょうね!」
~これからUpさんの作品に触れるみなさんへ~
「まだ会ったことがない人には、『もし僕たちが出会うとしたら、偶然じゃなく必然だよ』って言いたい。(照れた表情をしながら)うまく言えないんだけど・・・。ぜひ僕のドラマを観てください。観て好きになるか、嫌いになるか分からないけれど、どっちの意見も教えてほしいです。でも観るからには、ぜひ楽しんでください!」
いかがでしたか?Upさんやスタッフさんたちと、笑いのたえない取材現場でした。これからますます盛り上がるに違いない「タイドラマ」。BL作品はもちろん、BL以外の作品もジャンルは選び放題です。何から観ればいいか迷っているなら、ぜひ「Lovely Writer The Series」を。あるいは、韓国や日本のドラマをリメイクした作品もなじみやすいかもしれません。
Photos:Yukiko Sugawara, UpPoompat Japan Fan Meeting Offcial Stylist:Syohei Fujinaga Make-up:Sutipat Pinchum Hair:Kongkiat Krissakree Translation:Miwa Takasugi
カーディガン¥37,400・Tシャツ¥12,100・パンツ¥29,700/ラッド ミュージシャン 原宿(ラッド ミュージシャン) その他スタイリスト私物 ※価格は全て税込価格
【問い合わせ先】
ラッド ミュージシャン 原宿 03-3470-6760
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石川晴美 Harumi Ishikawa
ライター・消費生活アドバイザー
1975年生まれ、湘南在住。自動車業界、消費者センター勤務を経て、ライフスタイル誌ライターに転身。主婦のお悩み解決記事を数々執筆。日々の癒しは、カフェ巡りとアジアドラマとK-POP。