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食品、日用品、外食店…「値上げ」は一段落? 値下げに踏み切る企業も。今後の動向は?
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松崎のり子
2024.01.23
原材料高の影響は落ち着きそう
ここ数年私たちの暮らしは値上げに苦しんできましたが、2024年はようやく出口が見えてきそうです。
民間調査会社の帝国データバンクが出したレポートによると、2023年12月の食品値上げは677品目で、2000品目が当たり前だった2023年前半と比べるとずいぶん減少、10月をピークに値上げラッシュは峠を来えたのではと分析しています。
そもそも値上げの大きな要因は国際的な原材料価格高で、それを反映しての値上げは大体終わったと考えられるというのです。
今までウクライナ情勢の影響を受けていた小麦の価格も落ち着き、10月期の政府売渡価格は約11%の引き下げに。パンの値上げもこれで落ち着くといいですね。
2024年前半はどうなりそうかというと、2023年の1~4月期の値上げ数6785品目に比べ、約8割減の1596品目まで激減しそうとのこと。
家計も一息つけそうですね。
値下げで財布のひもを緩めたい売り手側
さらに、注目したいのは「値下げ」の動きが出てきたこと。
流通大手のイオンは2023年9月25日からPBブランド「トップバリュ」のうち31品目を値下げしました。対象商品は「サラダ油」や「ヌードル3種」「ミックスチーズ」「リサイクルトイレットペーパー」など、よく買われているものが中心。
理由として、小麦や食用油など一部の原材料価格が安定し始めたことなどを上げています。
さらに外食産業でも値下げの発表が。
すかいらーくグループの「ガスト」では2023年11月16日より価格改定を行い、食事メニューやアルコール類の30品目を値下げしました。値下げ幅は、マヨコーンピザで150~200円、チーズインハンバーグで50円、サイドメニューのから揚げ50円、ポテト30円など。ビールやサワー、ワイン類も50円の値下げに。
新型コロナ禍で大きな影響を受けた外食産業は、まだコロナ前まで回復していないところも少なくないため、「値下げした」ということをアピールし、お客に足を運んでもらいたいのでしょう。値上げという文字ばかり見てきた消費者にとって、それだけで「じゃあ、買って(行って)みようか」と前向きな気持ちになれるからです。
とはいえ、為替やエネルギー価格などの動向を見ると、このまま値下げがどんどん続くかといえば難しいかも。
一番望ましいのは私たちの給料が上がり所得が増えることですが、2024年は果たしてどうなるのでしょうか。
松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。
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