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【新NISAに対応】投資信託のカード積立が10万円まで上限拡大に

  • 松崎のり子

2024.03.26

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月10万円への拡大は、つみたて投資枠使い切りのため

2024年から制度が変わり、投資できる金額が拡大されたNISA。

なかでも、つみたて投資枠がこれまでの年間40万円から120万円に広がったことで、ある動きが起きました。クレジット決済による投資信託の積み立て、いわゆる「クレカ積立」の月額決済枠の変更です。

これまでは、ほとんどのカードが月5万円を上限にしていましたが、それが月10万円までできることになったのです。

これは新NISAの投資枠が増えることに対応したもの。月10万円を積み立てれば年間120万円となり、ちょうど枠を使い切ることになるからです。

いち早く対応したのはエポスカード×丸井グループのtsumiki証券で、昨年2023年のうちに決済枠を月10万円に拡大すると発表。そして、今年3月8日に楽天証券×楽天カード、SBI証券×SBI証券で積立投資ができるすべてのカードで、月10万円への決済引き上げを決めたのです。

この2証券がNISA口座のほとんどを抑えているため、今クレカ投資積み立てをしている人がすべて対象になったと言ってもいいでしょう。

楽天証券の平均積立額は約4万円

2月に発表された資料によると、楽天証券における新NISAの積立額は、最も多いのが月3万円以下で33%、次いで3万3333円以下(これまでのつみたてNISAの年間40万円の枠を12か月で割った金額)が31%、次に10万円以下、5万円以下と続きます。

平均に直すと約4万円に(2024年1月末時点の数字)。

投信積立にカードを使う理由は、ズバリ「ポイントが貯まる」から。カード決済の上限引き上げにより、ポイント目当てに積立額を増やそうと考える人も増えそうです。

もちろんポイントは上手に使えば家計の助けになることは間違いありません。楽天証券もSBI証券も、ポイント還元をアピールしているのは、それだけポイントを重視する利用者が多いからでしょう。

ただし、そもそもクレジットカードは「お金の後払い」であり、後日必ず口座からその金額が引き落とされるのは言わずもがな。

いくら資産形成のためとはいえ、毎月多すぎる金額をカード払いにしてしまうと、現在の家計費に影響が出てしまいかねません。

NISAの投資枠が広がったと言っても、それを使い切らないと損するわけではないのです。あくまで、現在の家計が赤字を出すことなく健全に回せるかが肝心。それを歪めてしまうような過度の積み立て設定は、本末転倒だと肝に銘じてほしいです。

松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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