産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト番組「聴く婦人科診察室」。宋さんとLEEweb編集長・畑江が女性ならではの身体や心のお悩みを解決したり、女性の性にまつわる最新事情を紹介したりと、赤裸々トークを繰り広げます。毎週月曜日18時更新です。今回のお題は「子宮内膜症」。比較的メジャーな婦人科系の疾患で「かかると生理が重くなる」というイメージを抱いている読者の皆さんも少なくないのでは? 発症のメカニズムや予防方法など、宋さんが徹底解説します。
宋美玄さんの「聴く婦人科診察室」#77
今週のよりぬき
- 子宮内膜症は生殖可能年齢女性の少なくとも10%が発症している
- 子宮内膜とは、赤ちゃんが宿るための筋肉の袋=子宮の内側に毎月作られる膜のこと。妊娠しないと毎月はがれ落ち、生理の経血として排出される
- 子宮内膜症の原因として有力なのが「経血の子宮逆流説」
- 現在の女性は初潮の低年齢化、初産の高齢化で、昔の女性より生理の回数が多く、それゆえ子宮内膜症のリスクも高い
- 若くても生理が重い人は既に発症してるかもしれないし、将来発症する可能性も高い
- 9割の女性が経血が逆流している。妊娠する特性上、経血の逆流は防げない(卵管が塞がるとと不妊になる)
- ピルや黄体ホルモン剤等を活用して、排卵を抑える、生理の来る回数を減らす、経血の量を減らすことが予防になる
- 重い・軽いにかかわらず、生理が来ることの身体的メリットはない
- 宋さんのクリニックでは近年、娘の婦人科系疾患を予防したい母子の受診が増加中。とは言え、まだピルを服用することへの心理的ハードルは低くはない
- 子宮内膜症は不妊の原因になる
- 月経自体が「子宮の炎症状態」。それを防ぐだけで子宮内膜症のリスクも下がる
- 自覚症状としては生理が重い、排便やセックスのとき骨盤の奥が痛いなど。でも自覚症状がないケースも
- 定期的に婦人科で超音波検査(腹部エコー)をすることがおすすめ。生理が重いなど、症状があれば保険診療になる
- 「『生理は痛くて当然』と考える方も少なくないと思いますが、別にちょっとしか痛くなくても受診しても大丈夫ですので!」と宋さん
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イラスト/小迎裕美子
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宋 美玄 Song Mihyon
産婦人科医
セックスや女性の性などについて、女医の立場からの積極的な啓蒙活動を行う。メディア出演や著書多数。'17年、丸の内の森レディースクリニックを開業。https://www.moricli.jp/
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