30代女性の2割、40代女性の3割が持っている「子宮筋腫」について宋美玄さんが解説【聴く婦人科診察室＃74】

宋美玄

2022.11.28

音声

産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト番組「聴く婦人科診察室」。宋さんとLEEweb編集長・畑江が女性ならではの身体や心のお悩みを解決したり、女性の性にまつわる最新事情を紹介したりと、赤裸々トークを繰り広げます。毎週月曜日18時更新です。今回は「聴く婦人科診察室」の原点に立ち返り、婦人科系の疾患の中でもメジャーな「子宮筋腫」について宋さんが解説します。

宋美玄さんの「聴く婦人科診察室」#74
今週のよりぬき

「まず言っておきたいのは、子宮を神格化している人がすごく多いけど、子どもを産むとき以外、何の役にも立たない、ということ。子宮が何のための臓器で、どうつきあっていくべきか、特別な先入観なく知ってほしいです」と宋さん
子宮は筋肉でできた袋。赤ちゃんが宿るための子宮内膜ができ、妊娠しなければ生理として流れ出る
「子宮筋腫などの治療のために子宮を摘出すると『ホルモンが出なくなっちゃうんじゃないの？』などと躊躇してる人へ。子宮からはホルモンは出ません！　ホルモンは卵巣から分泌されます。私も子宮筋腫持ちなので、50歳になったら子宮を摘出するつもり」と宋さん
子宮がないことのメリット＝がんにならない。閉経したら役に立つ臓器ではない。悪性腫瘍ができる母地になる。あとは更年期にダラダラ出血したり、あってもなくてもいい人がほとんど。がんになると「ないほうが良かった……」となる
子宮がないことのデメリット＝子宮脱になる可能性がある
アラフィフの畑江は子どもを産んでから20年経過、最近になって子宮筋腫が発生。そのせいか生理が重くなってきた
子宮筋腫は珍しくはない、30代女性の2割、40代の3割が子宮筋腫持ち。筋腫ができた場所によっては生理が重くなったり、出血が多くなったり、不妊の原因になることも
子宮筋腫の予防はあまりできない。体質や遺伝もある、子どもを産まないと増えていく
子宮筋腫は肉腫という悪性の腫瘍になる場合も。肉腫は予後が悪いので摘出する
「過多月経は我慢すべき？　それとも筋腫を取るべき？　おそらくじき閉経なので迷います」と畑江
「過多月経は貧血にもなるので、それなら我慢しないほうがいい。ホルモン治療で筋腫を小さくする、身体を一時的に更年期状態にして筋腫を小さくしてから、腹腔鏡で筋腫をくりぬく方法があります。なるべく手術をしたくない、閉経までしのぎたい人はホルモン治療で逃げ切るケースが多いです」と宋さん
妊娠を考えている方でも治療可能。出来た部位や筋腫の大きさなどで治療法を選択する
「うちのウサギちゃんも子どもを産まないままでいると病気になるので子宮を取ることに……ウサギも人間も、子宮をつかわないと病気になるんですね」と宋さん