お金を貯めるのがあまり得意ではない顔タイプ
さおっぺさん(以下さおっぺ):フルタイムで働いており、夫婦で財布は別々です。貯金が出来ず、毎月自分の楽しみのためにお金を使い切ってしまいます。夫がコツコツ貯金しているので「自分は貯金しなくてもいいかな?」と思わなくもないのですが、夫からは「もっと貯金して、子供の将来に備えたりしようよ」と言われています。家族で豊かな生活をしていくためのアドバイスをお聞きしたいです。
佐藤ブゾン貴子さん(以下ブゾン):さおっぺさんはお金を貯めるのがあまり得意ではない顔タイプです(キッパリ)。感情ゾーン拡張タイプなので目の前の楽しいことやワクワクすることを重視しがち、かつ、現実との接点を支える顎がしっかりしていません。目に見える物質的なお金よりも、目に見えない理想や世界観を優先する傾向があります。夫は思考ゾーン拡張タイプで理想主義者だけど、「家族や子どもはこうあってほしい」という理想や目標を実現するために「これだけお金が必要だから貯金しよう」と行動できます。ですので、家庭内で貯金についての主導権は彼が握っていた方が良いでしょう。
さおっぺ:顔でそこまで分かるんですね(笑)。貯金ができるタイプではない自覚はあったので、だったら収入を増やしたいと思い、転職も視野に入れています。副業にも興味はありますが、なかなか手を出せずにいます。今以上に収入を増やすため、今後はどのような働き方をすれば良いでしょうか?
ブゾン:さおっぺさんは輪郭が縦長気味のレトラクテで体力量が少ないので、収入を増やすためにあれもこれも手を出すと体力が追いつかず倒れてしまいます。収入を増やしたいからと、安易に転職や副業をするのはオススメできません。レトラクテの方は少ない体力量を補うため自己防衛力が強いので、新しい環境や人に対する適応力が低く、持ち前のキャラクターを発揮するのに時間がかかる傾向があります。その上、さおっぺさんは感情ゾーン拡張タイプで物事を好き嫌いで判断する傾向があります。転職にしろ副業にしろ、その仕事が本当に好きで、既に知っている環境、または既に知っている人がいる、といった条件が揃っていれば背中を押します。そうでない場合も全く不可能ではありませんが、それなりの覚悟が必要になってきます。
「自分にダメ出しするのが上手すぎる」ことの弊害
さおっぺ:新しい環境や人に対して、早く慣れるようにしてきたつもりで……そのおかげで最近は結構「しゃべりやすいよね」「全然人見知りしないですよね」と言われるようになって。だけど、結構頑張ってきたので……やっぱり私無理してたんだ、そういうタイプなんですね……(涙)。
ブゾン:横顔を見ると頬の肉付きが真っ平らで、寛容性・順応性が乏しいことが分かります。これは思春期までにできあがる形状で、欲しかった愛情を自分の望む形で受け止められなかったために、他者に対する疑い深さや自己を防衛する力が強くなり、自分を守るための「壁」を作ってしまっていることの表れなのです。「壁」を取り払うのはなかなか難しいのですが、じゃあその「壁」とどう向き合っていくべきか?「壁」があるゆえに、せっかく素晴らしいアイデアを思いついて行動しようとしても、「壁」で自分の行動を制限し、止めてしまうのです。これは、アクセルとブレーキを同時にかけているのと同じようなもの。フラストレーションが溜まり、どんどん自分がどうしたいのか、分からなくなってしまいます。それを解消するために必要なのは、寛容性・順応性を育むこと、つまりは自分を守る「壁」を柔らかくすることなのです。
さおっぺ:確かに、やりたいことはいっぱい頭に浮かぶんだけど、すぐ「どうせできっこない」って思っちゃって。どうしたら実現できるのか、すごく頑張って考えて、やっとの思いで一歩踏み出して、でも思った通りに進まなくて「あーやっぱりダメだ」と落ち込むことが本当によくあります。
ちゃんと言葉にしないと、夫には伝わらない
ブゾン:大丈夫! まだまだ人生これからだし、誰しも失敗を経験しながら、少しずつ前進しているんです。自分の人生、自分が主役だから、自分を認めてあげることが大切です。そして、夫婦で話し合いが必要かな。夫は理論理屈で物事を捉える思考ゾーン拡張タイプで、何事も「理由」が欲しい。ちゃんと「理由」を言わないと分からない。でもさおっぺさんは感情ゾーン拡張タイプで「言わなくてもわかるよね?」と言葉じゃない部分を大事にするタイプ。夫婦でコミュニケーション傾向が違うので、その結果彼はさおっぺさんの感情にあまり寄り添ってくれず、理想を押しつけてしまっています。彼に対して何か思うところがあるなら、ちゃんと言葉にしないと伝わらないですよ。
さおっぺ:実は以前、夫に「転職したい」と相談したところ、「そんな仕事で本当に稼げるの?」「じゃあ休みも取れなくなるけどいいの?」とツッコまれ、夫婦仲が険悪になったことがあって。転職することよっておそらく私の収入や休日が不安定になることが、彼にとって嬉しくなかったようです。また、休日に自分一人で出かけたいと思っても、その間夫に子どもの面倒を見てもらわなきゃいけないし、休日なのに家族と過ごす時間を犠牲にするのはちょっと……と思い「やっぱりやめておこう」と我慢することも。だからこそ、休日に何もせずに終わってしまうことにモヤモヤするんです。「出かけたいんだけど」と言っても「じゃあ子ども連れて行けば?」と言われてしまって……それは「思い」の部分を伝え足りていないから?
ブゾン:子育ては夫に協力してもらわないと!「出かけちゃダメ」と言われたから引き下がるのではなく、子育ては夫婦の共同作業ですから。二人ともフルタイムで働いているし、子育ても半分半分じゃないと。彼はさおっぺさんより輪郭がどっしりしていて体力量もあるので、彼の分担を増やしても大丈夫。もっと自分との信頼関係を強く持って、自分を信じてあげて。さおっぺさん自身が、自分の一番のファンであってほしい。辛くなってどうしても前に進めなくなったら、「私、大丈夫!」など自分を励ます言葉を声に出して耳に入れてあげて。感情ゾーン拡張タイプのさおっぺさんは耳から入る刺激の影響を受けやすいので、それが一番有効です。
投げられた会話のキャッチボールは、必ず投げ返す
さおっぺ:確かにこれまで頭の中で思うだけで、声に出したことなかったです。これからは毎日自分に「大丈夫!」と言ってあげた方がいいんですね(笑)。
ブゾン:その通り! でも裏を返すと、耳からの刺激に影響を受けやすいということは、夫のちょっとした言葉にも反応し傷ついてしまうんです、例え彼はさおっぺさんを傷つけるつもりがなかったとしても。もしそれを聞いて「嫌だ!」と思ったら、必ずそれを帳消しにするようなポジティブな言葉を声に出して、自分の耳に入れること。そして夫から投げられた会話のボールは、必ずしっかり投げ返し、吸収しないこと。吸収して無かったことにするのはダメ、それはコミュニケーションじゃないから。頭で思っていることを口に出し、会話を投げ返すこと。自分の理想ややりたいことを言語化することは、自分の中にあることを少しずつ形にする、現実化する練習にもなります。
さおっぺ:夫とのコミュニケーションは必ず声に出した方がいいですか? チャットなどはダメ? 強めに返されてしまうとパニックになってしまい、その場で言葉が全然出てこなくて。後になって「こう言いたかったんだよな……」と思っても、タイミングを逸してしまって。
ブゾン:彼は思考ゾーン拡張タイプで目から入る刺激の影響を受けやすいので、手紙やチャットなどもアリ。でもさおっぺさんファーストで考えたら、やはり音声=言葉の方が良いでしょう。まず口で伝え、感情が高ぶって上手く言えなかったら文字に起こしてチャットやメール等で伝えるのも有効です。とにかく自分の中にフラストレーションを溜め込まないこと! 貯めていいのはお金だけですからね(笑)。
貯金を増やすのも大事だけど、まずは自分を大切に
さおっぺ:私がお金を貯めるためには、まずは自分の思いを口に出すのが突破口になりますか?
ブゾン:貯金を増やすことも大事だけど、長い目で人生を考えると、まずは自分を大切にして、自分と向き合うことが一番大事。自分と対話することによって、おのずとやりたいことも見えてきます。左目の下が若干くぼんでいますが、これは過去に心痛や困難があったことを表しています。封印していた過去の嫌なことも、大人になった今なら違う形で受け止められるはず。自分の思いや考えは、頭の中で完結させず、一つひとつ書き出して、それが現実なのか妄想なのか見極めて、納得するまで整理する。そうやって現実としっかり向き合うことで、心身共に健康を保ちつつ、寛容性を育むことができるんです。そうすれば、今は止まっているさおっぺさんの歯車もきっと回り始めますよ。
さおっぺ:歯車が回り出したら、顔も変わりますか?
ブゾン:変わりますよ! 今、左右の目に非対称が出ていますけど、それも緩和されます。今は大きな選択はしない方が良い、選択しても後悔するだけ。まずは自分としっかり向き合って、思ったことを吸収せず、外に出すこと。非対称が緩和されたら、やりたいことを選ぶと良いでしょう。
さおっぺさんアフタートーク
貯金の相談からまさか生き方のアドバイスという壮大なテーマになり、当日は涙、涙。その日からノートやスマホに自分の気持ちや好きなことを書き出し、産後諦めていた読書を再開したり。夫にも自分の気持ちを伝えるコミュニケーションを意識し、不思議とありがとうと思える瞬間が増えたように感じています。ブゾンさんの力強く愛のあるアドバイスをこれからも大事にしていきます。
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写真/山崎ユミ イラスト/つぼゆり 取材・文/露木桃子
佐藤ブゾン貴子 Sato Bouzon Takako
相貌心理学スペシャリスト
相貌心理学スペシャリスト、1975年生まれ。アパレルの勉強のため渡ったフランスで相貌心理学に出会い、世界で16人、日本人初となる相貌心理学教授資格を取得する。帰国後は相貌心理学の顔分析を用いてセミナー、講演、メディア出演など、多角的に活躍。近著には『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)『ビジネスは顔が9割』(祥伝社)がある。問い合わせはhttp://a-cura.net/bouzon/まで。
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