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相貌心理学スペシャリスト・佐藤ブゾン貴子さんの顔診断

憧れの女優やモデルの「顔」を見れば「自分の内面的な理想像」もわかる

  • 佐藤ブゾン貴子

2023.09.20

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「相貌(そうぼう)心理学」とは、フランス発祥の「顔」からパーソナリティーがわかる心理学。輪郭・パーツ・肉付き・左右の非対称・顔のゾーン等を分析し、相手および自分自身を理解するアプローチです。世界で16人、日本人初の相貌心理学スペシャリスト・佐藤ブゾン貴子さんが相談者の「顔」を分析し、解決に向けたアドバイスと前進する勇気をくれる連載です。前回に引き続き「自己肯定感の低さ」にまつわる諸々のお悩みを、ブゾン先生がズバリ解決します! 今回の相談者はLEE100人隊のすずさん(隊員番号008)です。

LEE100人隊すずさん 佐藤ブゾン貴子さん

苦手なことや面倒なことを回避し続けるうちに自己肯定感ダウン

すずさん(以下すず):苦手なことや人を避けたり、面倒なことをつい後回しにしてしまいがちです。そのような場面になると空回りしてしまい、自己肯定感が下がります。好きなことや人、得意分野には「もう楽しくてしょうがない!」と思えるほど夢中になって取り組めるのですが……。苦手なことから逃げずに立ち向かう方法、自己肯定感が下がらない方法を教えてください。

佐藤ブゾン貴子さん(以下ブゾン):必要がない、と判断したから避けてきただけであって「逃げてきた」っておっしゃいますけど、自分なりに「精査してきた」のでは? 得意なものが何もなくて、それゆえ彷徨っているのが、逃げている状態です。「私はこれまで逃げてきたのではなく、精査してきたんだ」と認識を変えれば自己肯定感も上がると思いますよ。

すず:そんな風に考えたことなかったです。それならちょっと自信が持てそう。

ブゾン:すずさんの横顔を見ると額の傾斜と活動ゾーンの傾斜が異なり、思考の速さと行動の速さが合ってない ことがわかります。本来はじっくり熟考タイプなのに、気持ちが焦り見切り発車して行動だけが突っ走り、中途半端に終わってしまい後悔しがち。何か新しいことを始めるときはしっかり考え、納得したうえで行動を。たとえ急いで答えを出さなければならない場面であっても、「ちょっと時間をもらえますか?」と交渉しましょう。目がパッチリしていて、かつ、横から見ると目が奥まってない。視覚から入る情報に左右されやすいことの表れです。突っ走っている最中に、さらに目から入った情報にも惑わされがちです。「私は目から入る情報にものすごく左右されやすい」と自覚し、「これは本当に私に必要なのか? それとも不要なのか?」と精査し、判断ましょう。

LEE100人隊すずさん
すずさんの横顔を見ると額の傾斜と活動ゾーンの傾斜が異なり、思考の速さと行動の速さが合ってない ことがわかります。目がパッチリしていて、かつ、横から見ると目が奥まっておらず、視覚から入る情報に左右されやすい傾向が表れています

「いいな」と思ったことは調べて終わりにせず、行動を起こして知的好奇心を満たす

ブゾン:視覚から入る情報に左右されやすい顔タイプの方は、美しいものが好きで流行に敏感なので、流行を取り扱うような仕事、たとえばアパレル関係やマスコミといった仕事が向いています。LEE100人隊の活動のように情報発信するのも合っています。今は専業主婦なんでしたっけ?

すず:はい、以前は子育てしながら働いていたんですが、コロナを機に一度立ち止まって家族を優先したいな、と思い仕事を辞めました。主婦業も楽しんではいますが、なんだかんだで仕事は楽しかったので、また働きに出たいと思っています。今は何を仕事にしたらいいのか、じっくり考えているところです。

ブゾン:すずさんは正面から耳がよく見えていて独立心旺盛な傾向が表れているので、家の中にいるよりも社会との接点を持ったほうがいい。輪郭どっしりのディラテなので体力豊富ですし、外に出て「これいいな」と思ったことがあったら調べて終わりにするのではなく、持ち前のエネルギーで行動を起こし知的好奇心を満たすこと。それがすずさんの満足の源になります。何かやりたい、見たい、聞きたい、だったら会いにいく、見に行く、聞きに行く、これがベスト。

LEE100人隊すずさん
すずさんは輪郭がどっしりしたディラテで、感情ゾーン拡張タイプ。正面から耳がよく見えており、独立心旺盛なことがわかります

すず:もしLEE100人隊に参加できていなかったら、「何かしたいのに……」と悶々とした思いを抱えていたと思います。100人隊ブログで好きなお店を紹介したことで、お店の方にも喜んでいただけたことがあって、「自分はこれが本当に好きなことで、楽しいんだ」と実感しました。
 
ブゾン:すずさんは感情ゾーン拡張タイプなので、人との感情の共感・共有が原動力になります。その上ディラテでみんな時間優先なので、「皆の幸せは私の幸せ、私の幸せも皆の幸せ」で願ったり叶ったり。活動ゾーンもしっかり拡張しているので、0から1を生み出す創造力よりも、1あるものを2に増やす展開力の方が長けています。たとえば、卵があったらそれをどういう料理に展開するか、といったような。仕事選びの際もそれを意識すると良いですよ。

佐藤ブゾン貴子さん LEE100人隊すずさん

すず:物作りが好きなので学生時代は洋裁の勉強をしていて、それを仕事に繋げるつもりでアパレルの会社に入ったんですけど、販売業をしているうちにそちらの方が面白くなってしまって。なので、展開力のほうがある、というご指摘はすごくしっくり来ます。仕事で知り合ったセレクトショップのオーナーの方から「素敵な作家さんがいるんだけど売り出し方がわからない」と相談され、別の知人に繋げ感謝されたことがあり「私がやりたいのはこういう、人と人とを繋げる仕事なんだ」と思いました。



 自己肯定感は低くないけど、本音を表に出さずストレスが溜まっている

ブゾン:適職だと思いますよ! あと今回「自己肯定感が低い」とのことで応募してくださいましたけど、顎先がどっしりとしていて(イラストA参照)、しっかり自分を持っていらっしゃって、自分に自信がない顔タイプではないですね(笑)。本当に自分に自信の無い顔タイプの方は顎先がツンととんがっています(イラストC参照)から。ただ、正面から鼻の穴がよく見えず、意見はしっかり表明するけどあまり感情を外に出さない傾向が表れています。嬉しい、悲しい、つらいといった自分の思いをもっと言葉にして出したほうが、相手に自分の思いが伝わります。

顎先が平らで、横顔を見て顎先が眉頭の位置と比べて前に出ている場合、自らの手で野心を実現する力があります(イラストA)。顎先が平らで、横から見て後退している人は、野心はあるものの、それを一人で実現する力が足りません(イラストB)。顎先がとがっている、正面から見た時に逆三角形のような顎の形をしている人は、野心がありません(イラストC)

 
すず:それは意外です。むしろ、特に家族相手にはちょっと感情を出し過ぎかな、と思っていたんですけど……。

ブゾン:加えて、感情ゾーン拡張タイプのすずさんは感情的になり物事をロジカルに考えるのが苦手なので、相手に何かを伝える際に感情が先走りがち。自分の思いをロジカルに組み立て、それを相手に伝える練習をすることをオススメします。それに今後、また誰かに何かを紹介するような場面に遭遇した際、いくら展開力があっても、やっぱりそこに言葉がしっかりついていかないと、相手を納得させるのはなかなか難しいと思うんですよね。

すず:たしかに……夫と息子には「お母さんは自分の感情や意見を言う方だよね」と指摘されますけど、自分的には「いや、今回は私言うの、我慢したんだけど」ということが結構あり、上手く伝えられていなかったんだな、と。

佐藤ブゾン貴子さん

ブゾン:感情の押しつけにのみなってしまい、肝心なことは伝わってない、ってことですよね。それは、すずさんがなぜそういう感情になってしまったのか、本当の理由を言わないから。だから「またお母さん爆発してるよ」と捉えられてしまう。核となる、自分の思いや感情を表出する練習もしましょう。いきなり自分の本音を明かすのはハードルが高いと思いますので、物を作って、そこに感情を乗せることがオススメです。フラワーアレンジメントでもいいし、文章を書くのでもいい。そういった感情を表出する手段を身につけたほうが、楽に生きられます。感情を入れて抱える箱の容量は無限ではないので、自分でも気づかぬうちに溢れて爆発してしまう恐れがあります。そうなるとどん底まで落ち込んでしまい、感情ゾーン拡張タイプで感情の動向に行動を左右されやすいすずさんは、なかなか浮上できなくなってしまいます。たまに箱のふたを開け、感情=いたたまれない気持ちを何らかの形で出しましょう。

「理想の顔」の構成要素を分析していくと、「内面的な理想像」もわかる

すず:連載バックナンバーを読んでいて他の隊員の皆さんも仰ってましたけど、ブゾンさんのご指摘、納得することばかりです。現状にそんなに不満はなく何かを我慢している自覚は無かったんですけど、とはいえ本音を押し殺して過ごしている自覚もあったので。

LEE100人隊すずさん

ブゾン:感情ゾーン拡張タイプで、周囲にとても気を遣うからね。さらに視覚から入る情報に敏感だから、周囲が気になってしょうがない。それを抱え込み「周りの目が気になってしょうがない、受け身な行動しかできない」とネガティブに解釈して自己肯定感を下げるのではなく、「気がつきやすい、気配りできる」とポジティブに解釈して、いっそ職業にしては? ファッション関係のお仕事に戻られるのもいいですし。お客様や仕事相手の方等に直接「ありがとう」と言ってもらえる仕事がオススメです。自分の短所も、見方次第で長所に変わること、忘れずに覚えておいて。そして感情ゾーン拡張タイプのすずさんは何事も楽しくないとダメなので、選択も迷ったらとにかく「楽しい」と思える方を選ぶこと! 左右の目の高さにそんなに差がないので、大事な決断を下してもいい時期ですが、利き手側の顔のほうが頬の肉付きが平坦で寛容性や柔軟性が下がっている、自分の考えに固執してしまっている状態も表れています。つまり物事に白黒はっきりつけたい、グレーがない状態。物事を白黒のみで割り切れればいいけど現実そうもいきませんし、白黒の2択しかないのは、感情ゾーン拡張タイプのすずさんには非常にストレスフルな状態。グレーも許容する柔軟性を意識し、白や黒をグレーに変換する練習もしましょう。
 
すず:たしかに近頃、白黒はっきりつけたがる自覚があります。練習しているうちに、顔も変わりますか?

ブゾン:もちろん! 顔を内面を映す鏡ですから、必ず変わります。自分の顔写真を定期的に撮影し続けて、顔に生じる変化をチェックしてセルフマネジメントに活かすことをオススメします。憧れの女優さんやモデルさんなど、自分の「理想の顔」の人がいたら、その人の顔の構成要素を分析していくと、自分の求める「内面的な理想像」もわかります。それらの構成要素を把握したら、まずはメイクでそれに近づけてみる。メイクで理想像に近づいた自分とコミュニケーションした相手からの反応=外からの刺激と、「こういうふうに変わりたい」という意思=内側からの刺激の相乗効果で、外見・内面ともに理想像に近づくことができますよ!

佐藤ブゾン貴子さん
なんと本連載、今回が最終回です(号泣)。「そんなことまでわかるの!?」と相談者に言わしめる正確な診断と、優しく寄り添う姿勢でLEE100人隊から絶大な信頼を得ていたブゾン先生、本当にありがとうございました。100人隊隊員の皆様や読者の皆様からの連載復活リクエスト絶賛受付中です

すずさんのセッションアフタートーク

今の生活は楽しみながらも自分の欠点や苦手なことばかりが気になって自信を失うことも多々ありますが、ブゾン貴子さんから前向きになれる優しい言葉をかけていただき、体にスーッと沁みわたり、心がとても軽くなりました。自分の内面の状態で顔が変化することを実感したので、あの日から鏡で目の高さや鼻の向きを確認し、自分の心の状態を確かめてから行動しています。人からの感謝の気持ちが喜びになるように、自分の良いところも認められるようになりたいと思いました。ブゾン貴子さん、LEE編集部のみなさま、このような貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

佐藤ブゾン貴子さんがBOUZON LABOをオープン!

佐藤ブゾン貴子さんが相貌心理学研究室「BOUZON LABO」をオープンしました! 相貌心理学を用いた相談室と相貌心理学の入門知識や資格取得のために学べるスクールを併設しています。詳しくは以下のリンクをご参照ください! https://soubousinrigaku201.wixsite.com/bouzon-labo

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Staff Credit

撮影/山崎ユミ イラスト/つぼゆり 取材・文/露木桃子

佐藤ブゾン貴子 Sato Bouzon Takako

相貌心理学スペシャリスト

相貌心理学スペシャリスト、1975年生まれ。アパレルの勉強のため渡ったフランスで相貌心理学に出会い、世界で16人、日本人初となる相貌心理学教授資格を取得する。帰国後は相貌心理学の顔分析を用いてセミナー、講演、メディア出演など、多角的に活躍。近著には『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)『ビジネスは顔が9割』(祥伝社)がある。問い合わせはhttp://a-cura.net/bouzon/まで。

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