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夫の「顔」を見れば「夫婦で会話が噛み合わない理由」がわかる【佐藤ブゾン貴子さんの顔診断】ーー2023年上半期BEST20

  • 佐藤ブゾン貴子

2023.07.25

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2022年12月1日から2023年6月30日まで、LEEwebで反響の大きかった記事ベスト20を発表します。LIFE部門の第5位はこちら!(初公開日 2023年2月8日)

「相貌(そうぼう)心理学」とは、フランス発祥の「顔」からパーソナリティーがわかる心理学。輪郭・パーツ・肉付き・左右の非対称・顔のゾーン等を分析し、相手および自分自身を理解するアプローチです。世界で16人、日本人初の相貌心理学スペシャリスト・佐藤ブゾン貴子さんが相談者の「顔」を分析し、解決に向けたアドバイスと前進する勇気をくれる連載です。今月は「夫婦関係」に関するお悩みを、ブゾン先生がズバリ解決します! 今回の相談者はLEE100人隊のAYAさん(隊員番号048)です。

LEE100人隊AYAさん 佐藤ブゾン貴子さん

夫と大事なことをうまく話し合うコツを知りたい

AYAさん(以下AYA):結婚して10年、夫と大事なことをうまく話しあうコツを知りたいです。夫婦仲が悪いわけではないのですが、私は自分の思いを伝えるのが苦手、夫はそもそも話し合いが苦手? 私の印象として、夫は私が話していると「でもさ」「でもさ」と被せてくる系(笑)。そうされていくうちに、私のほうが「もういいや……」と話す気が失せてしまうパターンが多いです。子育てやお互いの仕事についてなど、今後より一層夫婦で話し合わなければならない場面が増えることが予想されるので、スムーズな話し合いの方法を知りたいです。

佐藤ブゾン貴子さん(以下ブゾン):AYAさん夫妻は、お二人とも感情ゾーン拡張タイプ、ゆえに共感共有を重視します。でも同じ感情ゾーン拡張タイプでも輪郭タイプが違うので、似て非なるお二人ですね。AYAさんは輪郭どっしりのディラテで体力豊富、みんな時間優先。一方、彼は輪郭縦長気味のレトラクテで体力量が少なく、限られた体力量を効率的に使うべくどうしても自分時間優先に、正確には、自分と自分が選んだ人を優先せざるを得ない。夫婦で同じ共感共有を求めるんですけど、根底にあるのが「みんな主体」と「自分主体」と全く違うので、ややこしくなってくるんです。

LEE100人隊AYAさん夫

AYAさんの夫は輪郭縦長気味のレトラクテで、感情ゾーン拡張タイプ。額に傾斜があり、思考スピードが早い特徴が表れています。

AYA:「みんな主体」と「自分主体」……確かに。実は今、夫が現在働いている日本の大手企業から外資系企業に転職を検討中でして。夫としてはお誘いを受けたことが嬉しいようですし、新しいことにチャレンジしたいみたいです。けど私としては、小学生になったばかりの子どももいるし、家族のことを考慮すると今の安定した職場から外資に移るのが正直、ちょっと心配で。

ブゾン:感情ゾーン拡張タイプの方は承認欲求を満たされるのが何よりもモチベーションの源になりますからね。彼としては「君じゃなきゃダメなんだ!」って言われちゃうと、もう、行かずにはいられない(笑)。

AYA:まさにそうだと思います、人情に引っ張られちゃうんですよね。私から見ると夫は猪突猛進タイプ、一度「ここだ!」って決めたらそこに一直線に走りたい(笑)。その走るための理由を探しているようにしか見えない。移りたい気持ちが前面に出過ぎていて、一応転職について「どう思う?」と聞かれはするんですけど、完全に「行ってもいいよ」と言われるのを待っているようにしか聞こえなくて。「どう思う?」じゃなくて話し合う気ないでしょ、みたいな(笑)。

LEE100人隊AYAさん

夫婦で「思考スピード」「体力量」に差がある

ブゾン:彼の横顔を見ると、額にものすごく傾斜があるんですよ。相貌心理学では、横顔の額の傾斜は思考の速さのバロメーターで、傾斜があればあるほど思考が早いことの表れ。思考が速いのは素晴らしいことなんですけど、裏を返すと早とちりしやすい。その上彼の場合、横顔の耳を中心とした前後の分割比が1:1で想像力豊かな傾向も表れているので、一つ聞いただけで先走りして、答えを自分の中で作り上げてしまう傾向があります。

AYA:ほんとその通りです(笑)。

ブゾン:一方、AYAさんは額の傾斜がなくまっすぐで、じっくり思考するタイプ。なので夫婦で思考スピードに差があり 、話し合いをしていても着地点がズレてしまうんです。なので彼には「早とちりしやすい」ことを自覚してもらえると良いんですが。そして彼の場合どうしても「自分」を軸に物事を考えるから、話し合いが苦手なわけではないんですけど、自分の思いを伝えるのが苦手な傾向がある。ディラテのAYAさんは「皆が幸せなら私も幸せ」と思えるんですけど、レトラクテの彼は「自分がいるから皆が幸せ」とという思考回路なんです。そんな彼と上手くやっていくには「褒める」のが一番効果的。

LEE100人隊AYAさん

AYAさんの横顔を見ると目が奥まっていない、いわゆる「出目」で、視覚から入ってくる情報にとても敏感な特徴が表れています。

AYA:なるほど。「頼る」のではなく「褒める」?

ブゾン:そうですね、頼るよりも、褒めて動かす。AYAさんの横顔を見ると目が奥まっていない、いわゆる「出目」で、視覚から入ってくる情報にとても敏感なんです。で、目から入る情報を元に想像力を膨らませやすい傾向がある。例えば夫のちょっとした行動を見て「これって絶対機嫌悪い……」と想像力を膨らませてしまっていませんか? 機嫌が悪いのが、現実なのか非現実なのかに関係なく。一方、彼はレトラクテで体力が少ないゆえ、自己防衛反応として相手や物事のネガティブな側面に目が行きやすい。そして横顔を見ると鼻の付け根が「く」の字に凹んでいる。優れた観察力の持ち主で批評好き、何事にもつい一言物申さないと気が済まない傾向の表れです。つまりは、危険察知能力が非常に高いということ。そんな彼が「大丈夫」と言っている転職であれば、そこまで心配しなくても大丈夫なのでは。

AYA:たしかに批評家的、評論家的な一面がありますね、よくテレビ番組見ながらあれこれ批評しています(笑)。

ブゾン:他人のあら探しをするのが上手いけどその分、自分のあら探しをするのも上手。それが度を過ぎてしまい自分にダメ出ししてしまうと、塞ぎ込んでしまうことも。今回の転職についても、感情ゾーン拡張タイプゆえお誘いを受けて承認欲求が満たされたうえに、持ち前の思考の速さで先走っちゃっている節があります。なので今後の家族の将来設計など、気になる点を文字に書き出して、それを元に、一度夫婦で冷静に話し合うことを提案してみては。話し合いの内容も都度書き出していくこと、そうすることで夫の先走りを軌道修正しやすくなります。AYAさんは物事をじっくり考えたい傾向が強く、夫婦で思考スピードに差があるから、二人の考える速度を合わせ足並みをそろえるためにも、書き出しながら話し合うことをお勧めします。

AYA:なるほど! だから私が話しているうちに、夫は先にワーッと喋り終えてしまい、私が諦めちゃう、というパターンに陥っていたんですね。

転職先でスタートダッシュが効かないタイプ

ブゾン:あとは夫婦ともに感情ゾーン拡張タイプで承認欲求への満足が大事なタイプなので、何はなくとも褒め合うことが大切。彼は褒められて伸びるタイプなので、何かやってもらいたいときは「これはあなたじゃないと出来ない、他の人だとちょっと無理だと思うんだよね」といった具合に、「あなただから」を強調して、彼の存在価値を高めるようなことを言ってあげましょう、その気になりますから。彼は相手のネガティブな側面に目が行きやすいので、相手や物事のポジティブな側面を探す練習をしてもらうと良いですよ。いきなり思考パターンを切り替えるのは難しいので、最初は1日1個ずつ、それが習慣化していけば結果的に彼も今よりも生きやすくなりますし。あと、転職を検討するにあたり彼に伝えてもらいたいのが、レトラクテゆえ新しい状況下でのスタートダッシュが効かない、ということ。自己防衛反応ゆえ「この環境、この人、大丈夫そう!」と確認してからでないと才能を開花できない。なので新しい職場ですぐに活躍できなくて焦らないでほしいですね。

佐藤ブゾン貴子さん

AYA:その点については、大丈夫かもしれません。お声がけいただいているのが、元上司の方なんですよね。なので彼としても比較的心強いみたいです。

ブゾン:だったら大丈夫かもしれませんね。彼はレトラクテゆえ、大人数とのコミュニケーションが苦手なので、自分が選んだ相手と密に信頼関係を持って働ける、という点で大企業よりも心地良いでしょう。とはいえ一家の大黒柱でもあるので、やっぱり妻であるAYAさんに不安を残したまま転職するのは良くないと思うんですよね。なので夫婦で納得するまで話し合うことは必須。今回の転職を「じゃあいいよ」となあなあにしてしまうと、今後の全てがなあなあになっちゃう恐れもありますし。AYAさんがディラテで体力豊富なので「じゃあいいよ、どうにかなるよね」と受け入れるスタイルでやっていく手も無くはない。でもAYAさんは納得してないわけですよね? だったらこれを機に「私たち、しっかり話し合いたい」と。言いにくいようだったら「ブゾンが話し合ったほうがいいと言っていた」と言っていただいてもOKですから(笑)。

LEE100人隊AYAさん 佐藤ブゾン貴子さん



キーワードは「体力の温存」疲れたときはきちんと休む

ブゾン:彼は自分が選んだ相手、例えば家族や親友には愛情を注ぐけど、それ以外はあまり興味がない、自分が選んだ相手や状況だけが良ければいい、というタイプ。一方、AYAさんは家族ももちろん、皆が上手く行けばいい、と思うタイプ。

AYA:なるほど(笑)、でも確かに夫から「周りのこと気にしすぎ! そんなに気にしなくていいよ別に」って結構言われます。

ブゾン:感情ゾーン拡張タイプの方は、自分が周囲からどのように思われるのかを気にする傾向があります。でも同じ感情ゾーン拡張タイプでも、輪郭縦長気味のレトラクテだと自分中心なので「周囲は別にどうでもいいや」となる。AYAさんは輪郭どっしりのディラテで体力豊富な分、周囲にも目が行き届きやすく、その上「出目」なので、相手の一挙手一投足がいちいち気になる。でも「出目」の方は情報のキャッチ力が高いので、流行を追い、発信するLEE100人隊の活動はピッタリです。AYAさんも会社員なんですよね、お家にいるよりも外で活躍されるほうが向いていますよ。

LEE100人隊AYAさん

AYAさんは輪郭どっしり気味のディラテで、感情ゾーン拡張タイプ。

AYA:私もフルタイムで働いていて、平日は夫のほうが先に帰宅して家のことをやってくれることが多くて。彼は顔的に、そういったことに不満が抱えるタイプではないですか?

ブゾン:何しろ彼はレトラクテで体力が少なく自分時間優先タイプなので、もし平日ずっと家のことをしてもらったら、土日のうちどちらかは「一日好きにしていいよ、私が子ども見るから」と、一人になれる時間をあげましょう。彼にとってキーワードは「体力の温存」、疲れたときはきちんと休むこと。一方、AYAさんはディラテで体力豊富なので、ちょっと疲れているときこそ運動などして、動いてリフレッシュするのがおすすめです。そして相貌心理学では、ディラテの方が体力がある分、病気に気づきにくく、気づいたときには病気が進行しているなどということも考えられるので、きちんと定期検診を受けることをおすすめします。

AYA:わかりました。私は「一人の時間が欲しい」と思うことが結構あるんですが、夫はむしろ家族との時間を優先しているので、結構意外でした。

察してもらうのを待つより、躊躇せず意見を伝える

AYA:夫は相手の気持ちや感情を汲み取れるタイプでしょうか? 私は「なんか元気ない?」「怒ってる?」とか、結構気にしちゃうタイプなんですけど、彼はあまり私が「こうして欲しい」と思っていることを察しないというか……上手く誘導してあげないとダメ?

ブゾン:彼は鼻の付け根が「く」の字に凹んでいて観察力はとても高いタイプ。でも良くも悪くも、何事においても自己中心的。自分にとって重要な物事にはフォーカスできるし、それゆえ仕事もできるタイプなんですけど、AYAさんの思いを察しないということは、単に彼にとってそれが重要じゃない、ということ。もしそれについてAYAさんが納得していないのであれば、その思いを躊躇しないで彼に伝えてみて。AYAさんの横顔を見ると顎が出ていて、非常に行動力があることがわかります。が、同時に鼻筋がストンと落ちている「保守的な鼻」の持ち主で、意見やアイデアを投げ出す勢いが無くなってしまっています。それを自覚しつつ、良いアイデアや自分の意見を、相手に躊躇しないで伝える練習をしましょう。じゃないと後になって「言えばよかった」「やれば良かった」とフラストレーションが溜まってしまいます。

LEE100人隊AYAさん

AYA:ありがとうございます。LEE100人隊に応募するのは、自分としてはめちゃくちゃチャレンジで。人に自分の書いたものを読まれるのはちょっと怖いな、という思いもあったんですけど、でも応募しなかったら後になって「応募すれば良かった」と後悔するかなと、思い切ってやってみました。

ブゾン:そして、100人隊ブログで書いた文章は、余り読み返しすぎないこと(笑)。もちろん誤字脱字の確認程度なら読み返すのもアリですけど、何度も修正してしまうと、最初に書き出したアイデアや勢い、「これ面白い!」といった思いや感動が薄れてしまうと思うんですね。大丈夫です、AYAさんは素晴らしい才能を持っているので、自信を持ってください!

AYAさんアフタートーク

今回の鑑定で夫の思考の流れを知れたことは私にとってはとても大きく、話がささーっと終わっても、「あ、頭の中でぱっと処理したんだな」と理解できるようになり、「話聞いてる⁈」のイライラが減りました笑 ゆっくり話をしたい時には頂いたアドバイスを活かしてみたり、何度か話してみたり、と工夫できるようにもなりました。また、夫婦で話す時間は何年一緒にいてもやはり大切な時間だな、と再認識することもできました。鑑定ありがとうございました!

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 写真/山崎ユミ イラスト/つぼゆり 取材・文/露木桃子

佐藤ブゾン貴子 Sato Bouzon Takako

相貌心理学スペシャリスト

相貌心理学スペシャリスト、1975年生まれ。アパレルの勉強のため渡ったフランスで相貌心理学に出会い、世界で16人、日本人初となる相貌心理学教授資格を取得する。帰国後は相貌心理学の顔分析を用いてセミナー、講演、メディア出演など、多角的に活躍。近著には『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)『ビジネスは顔が9割』(祥伝社)がある。問い合わせはhttp://a-cura.net/bouzon/まで。

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