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「さつまいものレモン煮アップサイドダウンケーキ」レシピ/「歩粉(ほこ)」磯谷仁美さんの、おうちで作れるやさしいお菓子

  • 磯谷仁美

2023.11.01

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シンプルで素朴ながら素材の風味をしっかり感じられるスイーツに定評がある、京都の大人気カフェ『歩粉ほこ』。“やさしい”味わいを、おうちでも再現できる“やさしい”レシピで、店主・磯谷仁美さんに提案していただきます!

Vol.

023

「さつまいものレモン煮アップサイドダウンケーキ」

歩粉 磯谷仁美さんのレシピ さつまいものレモン煮アップサイドダウンケーキ できあがり01

さつまいものレモン煮は、さつまいも料理の定番ですよね。おやつのような、おかずのような… そのまま食べても十分美味しいのですが、これをケーキに使うのはどうだろう? アップサイドダウンで、表面にポコポコ丸が並ぶ姿も可愛いはず!と考えて、できあがりました。

材料(15cm丸型、もしくはマフィン型約6個分) 

<さつまいものレモン煮>

  • さつまいも 300g(約1~2本。細長い形のものがおすすめ)
  • レモン 1/2個(スライスしておく)
  • 水 300ml
  • 砂糖 80g
  • レモン汁 小さじ2

<ケーキ生地>

  • 無塩バター 60g
  • きび糖 50g
  • 塩 少々(0.6g)
  • 卵 2個弱(90g)
  • A
    • 薄力粉 60g
    • アーモンドプードル 15g
    • ベーキングパウダー 小さじ約1/4(1.5g)

下準備

  • バター、卵は室温に戻しておく。
  • 丸型にクッキングシートを敷く。
  • オーブンを170℃に予熱する。


作り方

01
さつまいものレモン煮を作る。さつまいもは、よく洗い両端を切り落として1~1.5cm厚さの輪切りにする。5分ほど水にさらしてアクを抜き、水気を切る。大きめの鍋にさつまいもを重ならないように並べ、水、砂糖、レモンスライス、レモン汁を入れ、落しぶた(クッキングシートの中心をくり抜いて、蒸気穴を作って代用してもOK)をし、火にかけて沸騰してきたら弱火にする。
20分ほど煮て、竹串がスッと刺さるくらいまで火が通ったら、落しぶたを取って煮汁を煮詰める(水分がなくならないように注意して煮詰めていく)。煮汁にとろみがついてきたら火を止めて、そのまま冷ます。

歩粉 磯谷仁美さんのレシピ さつまいものレモン煮アップサイドダウンケーキ 作り方01

02
冷めて味がしみた1を、準備しておいた型に一層分のみ敷き詰める(隙間もカットしたもので埋めると、きれいに仕上がる)。煮汁も上からかける。
敷きれなかったさつまいものレモン煮は、1cm角くらいにカットして生地に混ぜ込む用に使う(混ぜ込む量はお好みで。余ったぶんはお茶請けとしてそのまま食べても)。

歩粉 磯谷仁美さんのレシピ さつまいものレモン煮アップサイドダウンケーキ 作り方02

03
ケーキ生地を作る。ボウルにバターを入れ、泡立て器で空気を含ませるようにクリーム状になるまで練り混ぜる。きび糖と塩を加えざらつきがなくなるまですり混ぜる。

歩粉 磯谷仁美さんのレシピ さつまいものレモン煮アップサイドダウンケーキ 作り方03

04
卵をときほぐして3~4回に分けて加え、泡立て器でそのつど混ぜる。

05
Aの粉類をふるい入れ、ゴムべらでさっくり混ぜる。2の残ったさつまいものレモン煮も加えて混ぜる。

歩粉 磯谷仁美さんのレシピ さつまいものレモン煮アップサイドダウンケーキ 作り方05

06
2で用意した型に生地を流し入れ、平らにならす。型を台に軽くたたきつける。

歩粉 磯谷仁美さんのレシピ さつまいものレモン煮アップサイドダウンケーキ 作り方06

07
170℃に予熱したオーブンで30分焼く。途中で天板の前後を返す。真ん中に竹串を刺し、何もついてこなければ焼き上がり(足りないようであれば数分追加する)。型を台に軽く叩きつけて、10分ほど置いてからひっくり返す。表面のオーブンペーパーをつけたままラップで全体を包んで、熱が冷めたら冷蔵庫で保存する。

歩粉 磯谷仁美さんのレシピ さつまいものレモン煮アップサイドダウンケーキ 作り方07

「歩粉」的おいしさのヒミツ

ケーキにするときにポイントになるのが、さつまいものレモン煮はちょっと甘めにこっくり煮ることかなと思います。煮汁はとろりとなるまで、けっこう煮詰めてくださいね(焦げないように注意!)。

レモンの酸味と甘さもプラスされて満足感のあるケーキになります。

歩粉 磯谷仁美さんのレシピ さつまいものレモン煮アップサイドダウンケーキ 煮詰めたさつまいも

さつまいもは、大きなものより細長いタイプのさつま芋がおすすめ(私は太いところでも直径4cmくらいの細長いタイプの紅はるかで作りました)。小さめの直径のケーキなので、表面のさつまいもの直径も小さい方が可愛く仕上がると思います。

アップサイドダウンケーキ は、ひっくり返して仕上がりを見るのがドキドキの瞬間。食べるのは、翌日や数日経ってからでも、バターケーキが熟成してきてしっとり美味しくなります。

冷蔵庫で冷えた状態で包丁を入れると、生地がしまっているので上手に切ることができますよ。食べるときは室温に戻して、お好みでホイップクリームを添えたりしても…

歩粉 磯谷仁美さんのレシピ さつまいものレモン煮アップサイドダウンケーキ できあがり02

アップサイドダウンにするのが、ちょっと手間だな~ということなら、マフィン型に入れて焼くのも良し。1cm角くらいにカットしたさつまいものレモン煮をたっぷり生地に混ぜ込んで、マフィン型に流し込み、上に小さな輪切りのひとかけらをのせると、ポイントになって可愛いくなります。(170℃に予熱したオーブンで20分くらいで焼き上がります)

歩粉 磯谷仁美さんのレシピ さつまいものレモン煮マフィン

これからの季節にたっぷり楽しめるケーキ、ぜひ作ってみてくださいね。

『「歩粉」磯谷仁美さんの、おうちで作れるやさしいお菓子』は、毎月1回更新。
次回は12月1日に更新予定。お楽しみに!

Staff Credit

製作・撮影/磯谷仁美 バナー写真撮影/津久井珠美

磯谷仁美 Hitomi Isotani

「歩粉(hoco)」店主

おいしい焼き菓子やデザートと、ぬくもりのある空間が大人気のカフェ『歩粉』の店主。2015年2月まで東京・恵比寿で、スイーツ好きから圧倒的な支持を集めるも、建物の都合で閉店。その後、渡米。偶然が重なり「シェパニーズ」でインターンシップを経験するなど、アメリカンベイキングを学ぶことに。帰国後、2018年に京都・大徳寺そばに現店舗をオープン。著書に『歩粉のお菓子』(文化出版局)、『歩粉のポートランド&バークレー案内』(誠文堂新光社)、『朝食おやつ』(文化出版局)など。

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