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FOOD

【料理家・今井真実さんの気軽に梅仕事】完熟梅1kgで梅干し・梅酒・梅シロップが作れます

  • 今井 真実

2023.01.11

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文字:今井真実さんちのほっこり梅仕事
写真:完熟梅を手に取り眺める料理家・今井真実さん

LEEwebをご覧の皆様こんにちは。料理家の今井真実と申します。

最近の私はというと、来年初夏に発売予定の梅仕事のレシピをまとめた「梅本」の試作、製作を行なっております。

梅って、かわいい。そして梅って美しい。触れるだけで、嬉しくなってしまいます。
そんな思いを伝えられたらと思い、日々大量の梅と戯れています。

一緒に梅仕事を始めましょう!

ふと、LEEwebを見ていると、100人隊のたくさんの方々が梅仕事をされている!  楽しそうな皆さんの姿に、思わずにやけ顔になります。

いいないいな、私も梅仕事について語りたい…来年の本の発売まで待てない!  いてもたってもいられなくなり、この記事を書かせていただくことになりました。

文字:今年出来たばかりのほやほや梅仕事の最新のレシピを公開します

といっても、今回ご紹介するのは、「梅仕事って興味があるけどなんとなくまだ踏み込めない…」とビギナーのあなたにぴったりのベーシックな梅仕事レシピです。

そして、「作るのは好きなのだけど、消費しきれないのよね…」というあなたにもご提案したいこの方法。スーパーでよく売っている1kgの梅で、梅干し、梅シロップ、梅酒が作れるんです。

少しハードルの高いガラス瓶じゃなくても大丈夫。気軽な気持ちで始めて欲しいから、今回のレシピは保存容器もリーズナブルなものを使います。案外これが楽ちんなんですよ。

さあさっそく一緒に梅仕事を始めましょう!

梅の基本

写真:かござるにのせた完熟梅

6月上旬になると梅が市場にまわり始めます。ほとんどのスーパーでは1kg単位で売られています。青梅は硬く、酸味が特徴です。シロップ、梅酒、甘く煮たり、お漬物などに使います。梅干しには完熟した黄色い完熟梅を使います。完熟梅でもシロップや梅酒も作ることができます。

手に入りやすい種類の梅は「南高梅」。どの梅仕事のレシピにも使いやすいオールマイティーで優等生の梅です。

梅の下ごしらえ

1.梅は流水で優しく丁寧に洗います

写真:完熟梅を流水で洗っている様子

2.次にカビの原因となる水気を拭きます

写真:完熟梅を布巾の上に広げる今井真実さん

時間に余裕のある方は布巾の上に広げて、少し放っていてもいいくらいです。

3.なり口のへたを爪楊枝などで、そっと傷つけないように取ります。

写真:梅のなり口のへたを爪楊枝で、そっと傷つけないように取る様子
写真:梅のなり口のへたを爪楊枝で取り上げた様子

どうしても取れない場合は無理せず、そのままでも大丈夫です。

4.なり口の穴も丁寧に水気を取ります。

写真:キッチンペーパーをこより状にして、なり口の穴も丁寧に水気を取る様子

キッチンペーパーでこより状にすると水気を吸いやすいです。



すべての梅仕事に共通する「基本の下ごしらえ」はここまで!

写真:下ごしらえが終わった梅が布巾の上で広げられている様子

ここまでがどの梅仕事でも行う「基本の下ごしらえ」です。

さあ、ここからが本番です!

写真:ざるにのせた梅

今井さんちの完熟梅レシピ1
ジッパー袋で作る梅干し

写真:ジッパー袋で作る梅干しの材料・完熟梅、粗塩、焼酎

材料

  • 黄熟した梅 ……600g
  • 粗塩(梅の18%)……108g
  • 焼酎……50ml

使う道具

冷凍用ジッパー保存袋

作り方1

下ごしらえした梅とホワイトリカーをジッパー保存袋に一緒に入れ、

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程1-袋に入れた梅に焼酎をかけるところ

梅を充分に湿らせて、

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程2-焼酎を入れた袋を大きくゆする様子

ホワイトリカーを捨てます。

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程3-袋から焼酎を白い皿に捨てる様子

これは袋と梅の表面やなりくちの殺菌を兼ねています

作り方2

お塩を 1 度に入れます。大きく揺すって、梅にお塩を絡めます。

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程4-焼酎を捨てた後の袋に塩を入れ大きくゆすって梅とからめる様子

これで出来上がり!  あっという間でしょう?

作り方3

空気を抜きながらジッパーを閉じましょう。

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程5-空気を抜きながらジッパーを閉じる様子

注意点は一つ。ジッパー部分と底の角部分から、梅のエキス「梅酢」が漏れやすいです。

出来上がったら、袋を二重にしたり、必ずバットや深めの器、ボウルなどに入れておくといいですよ。袋を触ってぺたぺたしたら、殺菌した保存容器に移してください。

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程6-バットにジッパー袋を入れた様子

このあとは梅のエキス「梅酢」が出るまでよくチェックしてください。

時折ゆすったり、2,3日しても梅酢が出ない時は写真のように重しを乗せます。

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程7-バットに入れたジッパー袋におもしをのせる様子

梅酢の漏れさえ気をつければ、ジッパー袋の梅の塩漬けは、梅酢が上がりやすく一番カビにくい方法です。梅酢がたっぷり出て梅が梅酢に浸かっていたらカビの心配はないでしょう。

写真はジッパーの上部がはみ出してしまっていますが、これは梅酢が漏れる原因になります。必ずバッド内に入れておきましょう。

2週間〜1ヶ月ほど漬けたら、晴れた日に干します。そうです、これが「梅干し」になります。

「干す」方法もぐっとお手軽な方法があるんです!  次回詳しくお伝えしますね。

今井さんちの完熟梅レシピ2
梅シロップ

写真:「梅シロップ」材料・梅、砂糖、焼酎

材料

  • 梅 ……200g
  • お好みの砂糖……200g
  • 焼酎……30ml

(常温で漬け込み1ヶ月、1年の保存可能)

使う道具

730ml以上の保存容器

下準備

殺菌のため、容器と蓋を、焼酎(分量外)を湿らせたキッチンペーパーで拭きます。

作り方1

下ごしらえした梅を一つずつ、焼酎に浸けて殺菌します。

写真:梅のなり口を焼酎につけて殺菌する様子

焼酎の水気はキッチンペーパーで拭き取ります。

写真:梅をキッチンペーパーで拭く様子

アルコール分は揮発しますが心配な方は米酢などクセのないお酢でもいいですよ。なりくちからカビやすいので、この作業をしておくと安心です。

作り方2

梅を容器に全て入れたら、お砂糖を入れます。これで出来上がりです。

写真:梅を容器に入れて砂糖をふりかける様子

このまま常温で漬け込みます。お砂糖が必ず梅にかぶっているようにしましょう。梅がお砂糖やシロップから頭を出していると、カビの原因になります。

写真:砂糖を入れた容器にふたをする様子

3日ほどはあまり変化が見られませんが、揺するとだんだんお砂糖が湿ってきて5日ほど経つとすっかりシロップ状になります。

お砂糖が溶け残っていたら、清潔なスプーンでかき混ぜましょう

しゅわしゅわと泡が立つと発酵してしまっています。失敗ではないですが、風味が変わります。ぷくっと膨れた梅は取り除き、冷蔵庫に移して早めに飲み切りましょう。

出来上がってから、スパイスを入れたりレモンを足したり「味変」も楽しいですよ。

今井さんちの完熟梅レシピ3
梅酒

写真:梅酒の材料・梅、砂糖、焼酎

梅酒は一番失敗が少ないです。だって殺菌効果のあるアルコールに浸かっているのですから!

材料

  • 梅 ……200g
  • お好みの砂糖……100~200g
  • 焼酎(アルコール20%以上)……200ml

(常温で漬け込み3ヶ月、長期保存可能)

使う道具

730ml以上の保存容器

下準備

容器と蓋を、焼酎(分量外)を湿らせたキッチンペーパーで拭きます。

作り方

下ごしらえした梅を容器に詰めて、焼酎を入れ、

写真:容器に梅を入れ、上から焼酎をかける様子

お砂糖を入れるだけ。

写真:梅と焼酎が入った容器に砂糖を入れる様子

きっちり蓋を閉めて出来上がり。

写真:蓋をして優しくゆする様子

毎日優しくゆすります。

お砂糖が溶け残っていたら、清潔なスプーンでかき混ぜましょう

お砂糖は少なめだときりっとした飲み口になります。蜂蜜など使うとまた違う味わいになりますよ。その場合はお砂糖と同量で大丈夫です。

「仕込み」はここまで!

写真:仕込みが終わった梅干し、梅シロップ、梅酒

梅1kg買うだけで3種類の梅のレシピができちゃいます。

もし、今回の梅仕事が楽しい思い出になったなら、来年はもっと量を増やしたり、作る割合を変えても良いですよね。

梅のイラスト

なんせ、梅ってかわいいんです。甘くて、いいにおいがして、梅と触れ合っている時間って本当に癒されます…!

迷っているあなた。えいっ!と挑戦したら、新しい扉が開くかも…

ようこそ、梅仕事の世界へ!


撮影/今井裕治   料理・文/今井真実

次回、完成編をお届けします。「ジッパー袋で作る梅干し」「梅シロップ」「梅酒」、それぞれの出来上がりをお楽しみに!

今井 真実 Mami Imai

料理家

レシピやエッセイ、SNSでの発信が支持を集め、多岐の媒体にわたりレシピ製作、執筆を行う。身近な食材を使い、新たな組み合わせで作る個性的な料理は「知っているのに知らない味」「何度も作りたくなる」「料理が楽しくなる」と定評を得ている。2023年より「オージービーフマイト」日本代表に選出され、オージービーフのPR大使としても活動している。既刊に、「低温オーブンの肉料理」(グラフィック社)など。

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