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LIFE

飯田りえ

毎日口走っている “あの” ことばが、子どもの自己肯定感を下げている…?

  • 飯田りえ

2018.10.10

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はじめまして。今月より『暮らしのヒント』で書かせていただくことになりました、フリーライターの飯田りえと申します。主に子育てや教育について、そして時々アウトドアなお出かけコラムなども書かせて頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

突然ですが…、わが家の信条をご紹介します(笑)。それは「子どもが小さいうちは、家族で遊び尽くそう!」です。みんなで過ごせる時間はわずか。親離れする時が来るまでは、思い残すことなく、キラキラした楽しい時間を子どもたちと過ごしたいのです。ですので、週末ともなれば7歳と5歳になる男児2人を連れて、海に、山に、街に…アクティブに過ごしております。

しかし、子どもの成長と共に、思い描いている育児像とは次第にかけ離れてきまして…。息子たちがふざけたり、ケンカしだしたり、物事がうまく進まない時はついイライラ。つい命令口調で「早くしようよ」「ちゃんとしてよ」それでもすぐに動かないと「もーー!いい加減にして!!」と、楽しいはずの休日に怒号が…。そんな自分に嫌気がさした時に、一冊の本に出会いました。

“呪いの言葉” が知らないうちに口グセに…

『子どもの自己肯定感を高める 10の魔法のことば』
20歳で学習塾を開設し、これまで3500人の子どもたちを直接指導してきた石田勝紀先生の著書です。34歳で都内の私立中高一貫校の常務理事に、また講演会やセミナーを通じてこれまで5万人の子どもやご家族を見てこられたとか。その実績から執筆活動もされていて、「東洋経済オンライン」の連載記事は、以前から目にしていました。まず表紙をめくると、飛び込んできた言葉にドキッ。

「あなたは呪いの言葉を使っていませんか?」

さらに読み進めると、子どもの自己肯定感を破壊すると言う、3つの “呪いの言葉”(=マイナスワード)があるそうです。

「早くしなさい」「ちゃんとしなさい」「勉強しなさい」

愕然としました。毎日、確実に口走っている…!「勉強しなさい」は言うたびに偏差値が1ずつ減るとまで。

このいつも何気無く使っていた言葉が「人から言われないとやらない、自主性を失わせる言葉」だったのです。特に自己肯定感だけは幼少期に育んであげたい!そう願っていた自分としては、とてもショックでした。

“呪いの言葉” を葬り去れない私がいた

本には『この3つの呪いの言葉を極力使わず、日常生活から葬り去ることができれば、子どもたちの心は前向きに変化していきます』とありました。

このマイナスワードを葬り去るには、真逆のマジックワード(=魔法のことば)である『すごいね』『さすがだね』『いいね』『ありがとう』などの、承認・感謝・感心などを表すシンプルな10ワードを多用すれば良いとのこと。

まずはマジックワードを増やして、マイナスワードを葬り去ろう!と早速試みるも、相当根深い。頭では理解していても、気がつけば無意識のうちにマイナスワードを口走ってしまいます。ダメだ!と思い、グッと我慢していると、逆にイライラが溜まってしまい、爆発するという悪循環。

さすが呪いの言葉、強すぎます。

これはもう直接お話を伺うしかない!ということで石田先生にインタビュー(という名目のお悩み相談)をお願いしました。

”呪いの言葉” を減らすには、ママ自身が満たされればいい

——自分の中にある呪いの言葉の強さを思い知りました。すぐに口走ってしまいます。どうしたらこのマイナスワードは無くなりますか?

石田勝紀先生(以下、敬称略)「いきなり抹消するのは難しいので、相対的に減れば良しとしましょう。とにかく真逆のマジックワードを多用すればマイナスワードは確実に減ります。まずはそこからスタートしてみると良いですよ。」

——マジックワードは意識すればすぐに増やすことはできましたが、マイナスワードはなかなか減りません…。

石田「そうですね。根本的な解決をするには、ママである自分自身がいかに “満たされているか”、ということが大切なのです。ママ自身が充実していれば、もっと子どもの良いところが見えてきます。悪いところが気になるということは、ママ自身にも何か負の部分を抱えているはず。」

——確かに…。自分に余裕がなない時は特にひどいです。しかし、ママ自身が趣味に走ったり、自分だけの時間を悠々自適に楽しんだりすることに慣れていないと言うか、後ろめたさを感じてしまいます。

石田「それを、あえて “実験” 的にやるのです。試しにやってみて、そして子どもがどう変化をするか “観察” するのです。こうすると冷静に見ることができます。ダメならやめればいい。今やっていることでうまくいっていないならば、今のやり方を変えてみるべきでしょ?」

——  ”実験的に”  っていいですね! 少し罪悪感が薄れますし、冷静に観察することもできそうです。



頑張ろうとしないで、子どもと一緒に楽しめばいい!

——あと “信じて見守る” こと。これがどうしても下手なのですが…

石田「頑張ろうとするからでしょうね。『努力逆転の法則』って本当にあって、本来やりたくもないことをやるとギクシャクします。まず『できる親』になるのをやめたほうがいい。欠点だらけのママの方が子どもは自立しますよ。」

——本の中でも「わが子を期待しないで、あきらめましょう」とあったのが、とても印象的でした。「うちの子は普通でいい」と思っていても、それですら “期待” につながっていることに、自分自身で気づいていなかったです。

石田「期待と絶望はセットですからね。人は期待すると、何かしらの態度や言葉に出ます。それが子どもにとってすごく重荷なのです。旦那さんに美味しい手の込んだ手料理を、毎晩期待されたらどうですか?疲れません?」

——すごく疲れます。料理が好きでも疲れます(苦笑)。でも期待もしない=何もしない、で良いのでしょうか?

石田「勉強でも何でも、一番良いのはやりたくなる ”仕組み” を作ってしまうのです。親自身も『勉強は楽しくない、でもやらねばならない』と思っていますよね。つまらないんだったら、楽しくなる方法を一緒に考えればいい。そのための仕掛けは無数にありますから!」

——なるほど!楽しむのですね。それならできそうな気がしてきました。親である自分自身が変われるか、変われないか。ここにかかっていることがよくわかりました。

石田「そうですね。さっきも言いましたが、無理に頑張って、変わろうとしない方がいい。努力逆転の法則だから(苦笑)。頑張るのではなく、とにかく楽しむこと。それには一人では無理だと思うから、僕が主催している【ママカフェ】に出かけるでもいいですよ。とにかく自分のテンションを上げる術を、どこかに持っておくと良いですよ。あと、このマジックワード、ママ自身にも効きますので自分自身に言ってみてください。それだけでもママの自己肯定感が上がりますから!」

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あれもやって、これもやって…先回りして子どもにあれこれ口走っていたのは、母として、頑張りすぎていた自分がいたのですね。それも無理にやめようとしない、我慢しない。自分自身が楽しんでいれば、子どもに対しても寛容になれるし、子どもも楽しんで自立していく。このプラスの相乗効果を期待して、呪いの言葉をとにかく減らしていこうと…!楽しみたいと思いました。何を聞いてもすぐに明瞭な答えがはね返ってくるので、モヤモヤしていた部分がスッと軽やかになりました。

そしてインタビュー後、石田先生のお話にもありました【ママカフェ】に参加してきました! 石田先生とママたちが子育てについて、美味しいものを食べながらカフェで語り合う企画です。これまで全国各地で200回以上開催されていて、今では告知後数分で満席になるという大人気イベントなのだそう。次回はその様子を詳しくお伝えします! お楽しみに。(撮影/齊藤 晴香)

「子どもの自己肯定感を引き上げる10の魔法の言葉」 集英社
石田 勝紀(いしだ かつのり)
一般社団法人教育デザインラボ代表理事、都留文科大学特任教授
1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。これまで3500人以上の生徒に対し直接指導。講演会、セミナーなど間接的指導含め、5万人以上を指導。いわゆる詰め込み勉強をさせず「心の状態を高め」「生活習慣を整え」「考えさせる」の3つを柱に指導をすることで学力上昇のみならず、社会に出ても活用できるスキルとマインドを習得させてきた。現在は特に、「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」という志のもと、ママカフェ、執筆活動、講演活動を精力的に行っている。国際経営学修士(MBA)、教育学修士(東京大学)http://www.ishida.online/

飯田りえ Rie Iida

ライター

1978年、兵庫県生まれ。女性誌&MOOK編集者を経て上京後、フリーランスに。雑誌・WEBなどで子育てや教育、食や旅などのテーマを中心に編執筆を手がける。「幼少期はとことん家族で遊ぶ!」を信条に、夫とボーイズ2人とアクティブに過ごす日々。

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