絶賛断捨離中。でも思い入れのある物が捨てられない
tokoaさん(以下tokoa):夏から服を中心に断捨離を始めました。以前からもやっていたけれど、やっと成果が出てきた気がしています。ですが、一度判断できなかったものは、何回判別しても捨てられなかったりします。もう少しすっきりさせたいと思っているのですが、もうひと段階上がるには、私の中の決意がまだ足りないような気もしています。手持ちの服が少なくてもお気に入りに囲まれていたらそのほうがいいとわかりつつも、無難な服もいくつかキープしておきたい、つまり自信のなさからくるものなのかなとも。
佐藤ブゾン貴子さん(以下ブゾン):tokoaさんは感情ゾーン拡張タイプなので、物事の判断のベースにも感情の共感・共有があります。物に対しても愛着や思い入れが強い、ということです。便利か不便か、必要か不要かで取捨選択できるタイプの人もいますけど、tokoaさんにはそれが難しい。感情ゾーン拡張タイプの方はどうしても物に対して、思い出と共にその時の感情を込めやすい傾向があります。「あの人が思いを込めて使った物だから、私も思いを込めて使わないと」といった思考回路になりがち。感情移入してしまうことで、他のゾーン拡張タイプに比べて片づけのハードルが高くなるし、断捨離もしにくいんです。その上、tokoaさんは輪郭がものすごく細いので、レトラクテの特徴である「狭く深い」人付き合いの傾向がとても強く表れています。つまり、自分の選んだ相手や物事からの影響を非常に受けやすい。自分が選んだ環境内で断捨離を奨励するような傾向があると「私も断捨離しなきゃ!」となってしまいがち。なので一度、「なぜ何のために断捨離をしているのか?」「皆がやっているから断捨離しているだけじゃないのか?」と、根本に立ち返り整理してみることが大切です。
tokoa:仰る通り、思い出の服、セレモニー系の服、母からもらった服、もらった食器、子どもの作品や思い出のものなどは捨てられないでいます(笑)。どうしたら捨てられるようになりますでしょうか? 適正な服の数などももしあるようでしたら教えてください。
ブゾン:「私はどうしても物に感情移入しやすい」ことを自覚しましょう。感情移入は素晴らしいことではありますが、でも時に人生の邪魔になることも。そして一度断捨離すると決めたら例えば3年以上着なかった服は捨てる等、取捨選択の明確な基準を作り、それに則って行動すれば上手く断捨離できると思います。
寄付やリサイクルショップに持ち込みもアリ
tokoa:確かに断捨離の指南書などを読むと、どの本も決まりを作っていますね。その理由が今のお話しでよくわかりました、感情移入してしまうと捨てられなくなるから、なんですね。
ブゾン:そう、皆それぞれ物に対して思い入れがあるから。形ある物が無くなってしまうのは寂しいでしょうが、断捨離したい思いがあるのであれば、感情はひとまず置いておいて、自分の中に取捨選択のルールを作りそれに従って。それによって断捨離が活性化し、一歩前進できるはず。思い出の服やセレモニー系の服であっても、基準を決めれば捨てやすくなります。どうしても捨てるのはちょっと……というのであれば、思い入れの強い服はそれを必要とするような人にあげる、団体や施設に寄付する、リサイクルショップに持って行く、というのも手。誰かの役に立ったり喜ばれることでtokoaさんの承認欲求も満たされますし、リサイクルショップで売れればそれで家族で美味しいものを食べに行ったりできますし、色んな意味でtokoaさんの内面が活性化されると思いますよ。
tokoa:そういえば……断捨離が進むにつれ髪を切りたい願望が出てきて、先日LEE100人隊のブログにそのことを書いたら「相関している! 髪を切ることでスイッチになる感じ!」とコメントをもらいました。断捨離とヘアスタイルに関係性はありますか?
ブゾン:相貌心理学と髪型に相関性はありません。が、日本では失恋したら髪を切る等、節目節目で髪を切る傾向があるじゃないですか。感情ゾーン拡張タイプのtokoaさんは、そういった周囲の価値観や先入観に影響されやすいので、断捨離と髪を切ることの相乗効果が表れたのでは? 感情ゾーン拡張タイプの方はその時々の感情の動向が、全ての行動に影響するんです。ネガティブな気持ちのときは思考もネガティブになるし、行動もどちらかと言うと控えめになりがち。でもポジティブなときは良いアイデアが思い浮かびやすいし、行動も積極的になる。感情ゾーン拡張タイプゆえのそういった特性を活かして、髪を切ることがポジティブアクションのスイッチになるのは良いことだと思いますよ!
息子にも今のうちに「物を手放すこと」を学ばせる
tokoa:夫はオシャレ好きでとにかく服の数が多くて。私のアイロンが追い付かないと思われているのか、そろそろ処分するつもりのワイシャツがあるからなのか……仕事用のワイシャツが両開きのクローゼットの半分を占めています。私服は土日しか着ないから余っている状態ですが、最近になって着ない服は13歳の長男に譲るように。長男はおさがりを何も言わずに着ていますが、服に興味を持ち始め、自分でも服を買い始めました。私としては服に興味を持ってくれて万々歳なのですが、夫のおさがりの服と新しい服で部屋が溢れてきました。早めに増やさないように策を練ろうと思っています。アドバイスがあれば是非。
ブゾン:夫には、おさがりを息子さんに回す以前に、例えば新しい服を1枚買ったら1枚はリサイクルショップに持って行く、その売上を「リサイクル」貯金として家族の外食やレジャーに回すなど、手放す仕組みを提案することをお勧めします。夫は輪郭どっしりのディラテで現実主義者。現実的なメリットを提案すれば喜んで乗ってくれます。そして息子さんも今のうちに、物を手放すことを学ぶのは悪くないと思います。頭ごなしに「捨てなさい!」と言われたから処分しないといけない、では息子さんも納得できないはず。なぜ家庭内でリサイクルシステムを作らなければならないのか? それは限られたスペースに物を収めるため。でもただ手放すのではなく、その先の利用価値があるかどうか? それを考えること、学ぶことによって、手放すことへの罪悪感を感じず、ポジティブに捉えられる力を養えるのでは。
実家に溢れる母の服と期限切れの食料も気になる
tokoa:確かに夫は現実主義者で、ちゃんと言えばわかる人です。今まできちんと話し合ってなかったな、早速話し合いますね。実家の母の服と、期限切れの食料が多過ぎるのも気になっています。実家は広いのでクローゼットがたくさんあります。私達三姉妹が嫁いだら、そこに母の服が増えました。着ている服はそんなに多くないのに、なかなか捨てられないようです。ときどき一緒に片付けるのですが、服を買うのが楽しみな母なのであまり強く言えなくて。父と母の二人では食事の量も少なく、これまた帰るたびに片付けるのですが、期限切れのものがたくさん。珍しい調味料があるとつい買ってしまうようで。母のことは好きなので、傷つけることなく一緒に片付けられたらな、と思っています。
ブゾン:感情ゾーン拡張タイプのtokoaさんは自分の感情や価値観を相手に押しつけがち。「断捨離は良いに決まってる!」「シンプルな生活がベスト、それがカッコイイ!」とtokoaさんは思っていても、お母様もまた感情ゾーン拡張タイプでtokoaさん同様、持ち物に感情移入しやすいタイプなのです。珍しい調味料も、きっとお父様に「食べさせてあげたい!」という思いからなのかもしれませんし、まずは相手の考え方を尊重しましょう。物がないことで落ち着く人もいれば、物に囲まれることで安心感を覚える人もいます。人それぞれなので、あまりお母様に自分の価値観を押しつけないよう、適切な距離感を心がけてみては。
レトラクテのtokoa さんは体力量が少ないので、それを補うための自己防衛反応ゆえ、どうしても相手や物事のネガティブな側面が目に付きやすい。お母様が物を多く持っていることのポジティブな側面よりも「賞味期限切れてる、何とかしないと……」と、どうしてもネガティブな点に目が行ってしまうんです。でもそれって、物を多く持っているから選択肢も増える、必要なときに必要な物がある、とも解釈できますよね? 相手のポジティブな側面を意識して見つけること、物事のマイナスよりもプラスにフォーカスすることを心がけるようにすると、自分自身も楽になりますよ。tokoaさんは頬骨が張っていて、社会的成功欲求が非常に強い傾向も表れています。目標ややりたいことに対して貪欲に「もっともっと!」と追究できるタイプ。だけどその「もっと!」が他の人に向くと「もっとできるでしょ?」という圧力になるし、相手にストレスを与えかねないので注意が必要です。
同居家族とは話し合い、別居家族は放っておく
tokoa:母だけでなく、下の妹も家に物が溢れているのでキッチンを片付けたりするのですが、それも嫌なんだろうなと思ったり。物が少ないほうがどれだけ暮らしやすいかと伝えたいけれど、それも押し売りなのかなと控えていました。子ども服のおさがりを妹に回していて、妹は「すごく役立っているよ~」と言ってくれていますが、遊びにいって山積みになっているところをみるとちょっと悪いなという気分にもなります。
ブゾン:それも「何でこんなに物があるの? 私のあげた服使ってないし、邪魔だった?」ではなく、「あ、きっと順番に着るんだな。数があるってことは洗濯機を毎日回さずに済むから、それはそれで便利だな」などと、ちょっと視点を変えて捉えるだけで、大分楽になれますよ。妹さんお二人とtokoaさんの大きな違いは、頬の肉付きの有無。妹さんたち肉付きが豊富で寛容性・順応性が高く、どんな環境にでも順応しやすい。tokoaさんは妹さん達に比べてそこがちょっと足りない、どちらかと言うと自分が「こう!」と思ったら何が何でも「こう!」。頬の肉付きは太ってる痩せてるではないんです。相貌心理学的に頬の肉付きの平坦さは、思春期までの間に愛情面に関する心痛や心配事あったことの表れになります。
tokoa:そんなこともわかるんですか!?
ブゾン:それゆえ家族に限らず人とのコミュニケーションに対して疑心暗鬼を抱えているようですね。この疑心暗鬼がゆえ、他者を信頼する気持ちが阻害されてしまうのです。そして他者から向けられた自分への愛情を信頼することが難しいので、強く言うことでご家族に嫌われたらどうしよう……という懸念を抱いてしまう。その懸念を優先するあまり、自分の感情をないがしろにしてしまいがち。それはストレスになるし、tokoaさんにはそれに耐えられる体力もないですし。大丈夫、嫌われないから! それよりも、もっとしっかりコミュニケーションするのが大事。夫には「もっと服減らして!」と感情爆発させるのではなく、「こういう理由で私は困っている、この問題を解決させるためにこういう方法を考えたんだけど」と説明して、解決方法を一緒に考えれば大丈夫。なんなら息子さんをそこに巻き込んでもOK。お母様と妹さんは見守る、「断捨離は正義!」を押しつけない(笑)。それを言ったところでお二人はなかなか変わらないし、tokoaさんが余計イライラするだけ。リサイクルを提案してあげてもいいけど、やるかやらないかはご本人達次第で。限られたエネルギーはそこに使わず、自分自身に使い有効活用しましょう!
tokoaさんアフタートーク
今回は整理整頓についてだったのですが、その枠を超え大切なことを教えていただいたように感じています。
ブゾンさんと話していると、「なんでこんなこともわかってしまうの?」の連続で、気づいていたけれど向き合ってこなかったことが浮き彫りになりました。
その日の夜に勇気を出して、顔診断のことを夫に伝えました。不思議と今までのわだかまりがとけるような感覚になりましたし、夫も理解してくれて、服を片付けはじめました。
断捨離をしたいのはなんのためなのか、そのためには自分を知ることから始める必要があることを知りました。自分なりにその答えを見つけ、今は穏やかに過ごせています。
最後に「どうせ私なんかはNG。言葉で自分を鼓舞していく!」と力強い言葉をいただき、心の支えになっています。
この度は本当にありがとうございました!
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撮影/山崎ユミ イラスト/つぼゆり 取材・文/露木桃子
佐藤ブゾン貴子 Sato Bouzon Takako
相貌心理学スペシャリスト
相貌心理学スペシャリスト、1975年生まれ。アパレルの勉強のため渡ったフランスで相貌心理学に出会い、世界で16人、日本人初となる相貌心理学教授資格を取得する。帰国後は相貌心理学の顔分析を用いてセミナー、講演、メディア出演など、多角的に活躍。近著には『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)『ビジネスは顔が9割』(祥伝社)がある。問い合わせはhttp://a-cura.net/bouzon/まで。
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