日本で諸外国に比べ「セクシャル・リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR)」の実現率が低い理由【宋美玄さんの聴く婦人科診察室#65】
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宋 美玄
2022.09.26 更新日:2025.04.09
産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト番組「聴く婦人科診察室」。宋さんとLEEweb編集長・畑江が女性ならではの身体や心のお悩みを解決したり、女性の性にまつわる最新事情を紹介したりと、赤裸々トークを繰り広げます。毎週月曜日18時更新です。今回は「セクシャル・リプロダクティブヘルス/ライツ」、略してSRHRについて。「そもそもSRHRって何?」というリスナーの方も少なくないのでは? ご安心ください、宋さんがわかりやすく解説します。
宋美玄さんの「聴く婦人科診察室」#65
今週のよりぬき
- 宋さんが8月にツイートした、日本産科婦人科学会のシンポジウムでの種部恭子先生のご発言が内容も数字も衝撃的……
- セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)=「性と生殖に関する健康と権利」はジェンダー平等と両輪でないと実現しない
- 日本の周産期医療はかなり安全だが、SRHRが実現しているとは言えない
- 日本では全妊娠の14.4%が人工妊娠中絶(第1子の32.7%、第3、4子の計画外妊娠が4割くらい)
- 日本の避妊はほとんどが男性主導のコンドーム。DVや性暴力では避妊が行われない。フランス・ドイツは半分以上がピル、タイ、イギリス、カナダも4割がピル。アメリカ、中国はピルは多くないがIUSやIUDなど女性主体に避妊が行われている
- 日本では避妊ピルがマーケットから撤退傾向。原因はコストが自己負担、教育によるインストールがない
- 10代妊娠の59.7%が人工妊娠中絶
- 「生理軽減のためピルを服用する人は増えているけど、避妊のための服用は4%ぐらい。なぜ避妊のためにピルを飲むのはいけない、という空気なのか」と宋さん
- 女性が主体的に避妊することに日本社会が良い顔をしない
- 日本で性教育が進まなかったのは……HIV問題の後、重要性が認識されたものの、旧統一教会や日本会議等が組織的に性教育に強硬に反対
- 小泉政権時に性教育を行っていた養護学校教師が解雇になる「七生養護学校事件」が起きる
- 現在、性教育に再び注目が集まるものの、あくまでも「家庭で行いましょう」。または命の授業やプレコンセプションケアに混ぜ込む等…
- SRHRについて、詳しくは宋さんもプロジェクトメンバーの「みんリプ」で!
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イラスト/小迎裕美子
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宋 美玄 Song Mihyon
産婦人科医
セックスや女性の性などについて、女医の立場からの積極的な啓蒙活動を行う。メディア出演や著書多数。'17年、丸の内の森レディースクリニックを開業。https://www.moricli.jp/
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