【整理収納アドバイザー水谷妙子さんの収納法】子どもスペースはあえて見せる、茶碗や箸は家族で共有…【“一生困らない”収納】
2022.05.25
〝●●するべき〞や〝当たり前〞にとらわれず、自分や家族の暮らしやすさを考えた結果のもの選びや収納法。整理収納アドバイザー水谷妙子さんのアイデアには参考になることがいっぱいです。
教えてくれたのは?
整理収納アドバイザー
水谷妙子さん
「家が整うと、家族も整う」がモットーの「ものとかぞく」主宰。「無印良品」で商品企画等に13年間携わる。夫、子ども3人と暮らす。
●Instagram:monotokazoku
●Twitter:monotokazoku
●公式サイト:http://taekomizutani.com
子どもの服やおもちゃは隠さず、あえての“ちょっと見せる”収納で
「子どもが自分でできる仕組みにすると、家がいつもすっきり片付きます。そのためには、ものが見えていてもいい。子どものものが見えている"生活感"ごと毎日を楽しめばいいと思うんです」(ものとかぞく主宰、整理収納アドバイザー 水谷妙子さん)
子どもが自分でできる仕組みで
いつもリビングがすっきり
まだ子どもの個室がない水谷家で、子どもたちが家時間の大半を過ごすのはリビングとひと続きになっている子どもスペース。だから、服やおもちゃなどはすべてそこに収納。子どもグッズがいっぱいながら、印象はとてもすっきり。すべてが〝少し見えている〞、にもかかわらず、です。
「まさに〝見えている〞ことが重要で、だから子どもが片付けやすいんです。子どもが自分でできる仕組みを作れば、親が頑張らなくても大丈夫」(水谷さん)。
また、工作好きの子どもたちのために、子どもスペースに大きなごみ箱を設置。「紙ごみをキッチンまで捨てに行く、そのひと手間が子どもには難しい。ごみ箱がこのスペースにあると、すぐ捨てられるから散らからないんです」(水谷さん)
普通は隠したいごみ箱ですが、あえて子どもスペースに大きなものを。色は壁となじむグレーに
おもちゃは箱を出さなくても、上の隙間から投げ込める。手書きラベルでわかりやすく
リモコンは専用ボックスはなく、ソファの上(使う場所)にあればOK
洋服も上に隙間を。中身がわかれば、子ども自身が出し入れできる
子どもの作品は「ベスト」を選んで残す!
大人は「どれを捨ててもいい?」と聞きがち。それだと子どもは迷うから、「好きなものを●個選んで」と聞き方を変えるだけでスムーズに気持ちよく手放せる
おしゃれな雰囲気を醸し出す、水谷家のシンボルともいえる飾り棚。よく見ると、下のほうには子どもの文具類など実用品もちらほら。
「出し入れしやすいオープンシェルフは、収納としてとても優秀。全部をディスプレイに使うのはもったいないです」(水谷さん)。レターラックは、空間のキーカラーである黒を選ぶなど、ちょっとした工夫で周りのオブジェ類となじむ
ティッシュ類をはじめ、薬、消毒用アルコール、フロスはダイニングテーブルのすぐ横に、「毎日使うものを無理にしまい込むと、出しっぱなし率が高くなり、かえって散らかるんです」(水谷さん)
茶碗も箸も共有すれば
準備も片付けも断然ラク。
収納スペースもコンパクトに
水谷家では、茶碗をはじめとして各々の器を決めていません。ちなみに茶碗として使っているのは、「無印良品」の子ども用食器。「大は大人用、小は子ども用です。メニューによっては小サイズが小鉢として登場することもあります」(水谷さん)。
ひとつをいろいろな用途に使い回せば、多く持たずに済みます。しかもスタッキングできるものを選んでいるから、収納空間もコンパクト。基本カラーは白で、理由は、和洋中どれを盛ってもさまになるから。
ちなみに箸も、考え方は同じ。「実家で、『どれが誰の? 私の箸は?』と食事のたびにトランプの『神経衰弱』状態になるのが面倒だったな、と思って。大人の箸と取り箸をすべて同じものにしたら、準備がラクになりました」(水谷さん)
水筒はフタと本体を分けて収納。「収納に必要な高さが少し減り、棚の上のスペースの自由度が上がりました。中身を入れるときにどうせフタを外すので、その手間もなしです」(水谷さん)
調理ツールは小さい仕切り付きボックスを組み合わせて、そこに投げ込む仕組み。「どのボックスに何を入れてもOK。小さい仕切り付きボックスを使うのは、倒れ防止のためです」(水谷さん)
吊り戸棚の上段はお弁当箱や使い捨て容器を。半透明で見やすい
ごみ箱は捨てやすさ重視で隠さない。その分、空間になじむ質感を選ぶ
ストックは、賞味期限が長いからといって乾物ばかりにはしない。「パスタは1袋で十分。その代わり、家族が好きなものは多めに。とはいえ、このボックスに入る分だけと限度を決めて」 (水谷さん)
専用ハンガーをやめたら、
使いやすく、見た目も整う
「ボトムはなんとなくたたんでクローゼットの下のほうにしまいがちだけれど、上に掛けたほうが断然ラクなんです。ボトムを選ぶのに、いちいちしゃがむのって大変じゃないですか(笑)」(水谷さん)。
しかも、ピンチ付きのボトム用ハンガーでなく、トップスと同様の「マワハンガー」を使用。ピンチハンガーを使わないことで高さが揃い、見た目もすっきりしました。
さらに、以前は毎朝服を選ぶのがストレスだったそうですが、「〝仕事のときは白ブラウス〞と決めたことで、服選びの悩みが解決。ボトムも自然とそれに合うものという条件に」(水谷さん)。
大きな軸ができたから、服を買うときの迷いも激減。衣装ケースにはハンカチやTシャツ、スポーツウェア、パジャマの替えなどを。棚の上のボックスは季節外の衣服を入れています。
ハンガーは2種類を使い分け。滑りのよさが快適な「無印良品」のワイヤーハンガーはさっと手に取りたいブラウスに。肩が開いた服に便利なのは滑りにくい「マワハンガー」
ボトムはウエスト部分をハンガーに引っ掛けて。滑りにくい「マワハンガー」だからできる収納
夫は夫。自分のルールで片付けやすく!
夫のクローゼットのハンガーはクリーニング店でもらうもの。「夫はこれがベストだそう。それぞれのルールで管理するから、自分でできるんです」(水谷さん)
ものの手放し方どうしてますか?
購入時に、手放す方法も想像します
(右)「化粧品は、使い切らずに捨てる際は分別が面倒。そこでネイルシールにしたり、ミニサイズにしたり。化粧品に限らず、捨てる手間を最初に想像すると本当に使うものだけを選べるように」(水谷さん)
(左)処分に迷う服は衣装ケース最下段の「サヨナラボックス」へ。1シーズン着なかったら処分
他にも「 当たり前を捨てたら”一生困らない”収納ができた!」を公開中!
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次回は「LEE100人隊たかなさんの『納戸部屋』をなんとかしたい!」をご紹介。
撮影/滝沢育絵 取材・文/福山雅美
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