【セブ島・親子留学体験記その3】「ママ・赤ちゃん留学」プログラムを創ったひとりの“ママ”の想いとは?近藤英恵さんインタビュー
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佐々木はる菜
2020.02.20
小さな子どもと一緒に海外留学し、親子それぞれが充実した時間を過ごせると人気を集めている「ママ・赤ちゃん留学」プログラム。これまで2回に渡り、実際に私がふたりの子どもを連れてフィリピンのセブ島へ親子留学してきた体験談をお送りしてきました(詳しくはコチラ→その1ではセブ島へ子どもと一緒に留学したからこそ得られたメリットについて、その2②では実際にどんな生活を送ったか、具体的な日々の様子についてまとめています!)
3回目となる今回は、私がお世話になった留学エージェント、株式会社留学情報館で「ママ・赤ちゃん留学」の立ち上げに携わりマネージャーを務められている近藤英恵さんにインタビューをさせていただきました。
ご自身も子育て中のママで、お子さんと共にセブ島へ移住されたご経験もあるからこそ創ることのできた「小さな子ども連れのママ目線を取り入れた留学プログラム」。立ち上げから3年半ほどで延べ約500組の親子が経験し、年々注目度が上がっているといいます。他にはないプログラムの特長と共に、なぜ「ゼロ歳からの親子留学」という仕組みを立ち上げられたのか、その想いについて伺ってきました!
日本で日々子育てに奮闘しているママたちを笑顔にしたい!
体験記その1、その2でもお伝えしてきたように、実際に私がセブ島での親子留学を経て一番印象的だったことのひとつが、各家庭に専属で派遣される「Kaseifu-san(家政婦さん)」の存在でした。
毎日8:00~17:00まで子ども達の英語保育を行いながら掃除・洗濯・料理などの家事もこなしてサポートしてくれるため、私たちママは勉強など自分のことに集中でき、子どもたちは英語のレッスン以外の日常生活や放課後の時間もずっと、英語を聞き話す環境にいることができました。
「このプログラムを創る上で一番力を入れたいと考えたことが、ママに安心して自分の時間を持ってもらえる環境作りでした。
ご希望の留学スタイルに応じて様々な学校をご紹介することができますが、例えば最も人気の高い直営校『Kredo Kids』の場合は親子留学専門の学校で、お子さんと一緒に安心して通っていただけるようセブ島の中で最も治安が良く快適だと言われるエリアにあり、生後半年の赤ちゃんから大人まで年齢と英語力に応じた様々なクラスを用意しています。
そして他にはない一番のポイントとなるのがお子さんたちのシッターでもある『家政婦さん』たちの存在です。日本のママさん達が安心して家事育児をお任せいただけるよう、しっかりとトレーニングを受けた上で、学校が正社員として雇用しています。彼女たちがママ達をフルサポートしてくれるからこそ、単なる『語学留学』だけではない経験ができることが何よりの魅力だと思います!」
私がお世話になった家政婦さんも、子ども達をまるで我が子のように可愛がってくださっただけでなく、いつも私の立場に立って日常生活がより快適になるよう先回りしてサポートしていただき本当に支えられました。
日本では常に慌ただしく過ごしていますが、セブ島では家政婦さんのおかげで時間的にも精神的にも余裕ができ、子どもたちそれぞれとじっくり向き合うことができたことも、良かった点のひとつだと感じています。
「子育て」と真剣に向き合った経験から生まれた留学プログラム
近藤さんが当時7歳と2歳だったお子さんたちと共に初めてセブ島を訪れたのは2012年のこと。当時はまだ小さな子どもと一緒に留学するという仕組みなどなく、乳幼児を受け入れてくれるよう語学学校とは直接交渉し、シッターさんは現地で面接・採用、ご自身でトレーニングするなど全てを自分で調べ、手配されたそう!
そういった様々なハードルをクリアしてでも挑戦しようと思った理由は「子ども達に、自分で生きていける力をつけてあげたい」という強い想いを持っていたことだったといいます。
日本での日常生活はほぼワンオペ状態が続き、子育てに追われる中で余裕が持てなかったことに加え、その頃息子さんに重い視覚障害が発覚したことも親子で移住を決断した大きなきっかけだったと話す近藤さん。
「治療の結果、ありがたいことに今では通常の視力まで戻ることができましたが、当時は常に分厚い眼鏡と眼帯を付ける必要がありました。公園など行く先々でからかわれたり仲間外れにされたりすることが続き『人と違うこと』への厳しい反応を親子で痛感する中で、このまま日本にいると息子はずっとこうやって悩んでしまうのではと危惧していました。
自分の留学経験から、海外へ行くと『日本の当たり前は当たり前でない』と身をもって感じ、選択肢も正解もたくさんあると実感できると感じていました。特に若いうちは、今いる環境でうまくいかないと他に道がないと思い込んでしまいがち。今後、親の知らないところで追い詰められてしまう様なことになる前に、広い世界を見ることで自分にはあらゆる可能性があると知り、辛い時でも追い詰められてしまわない強いマインドを身につけて欲しいという想いが、親子で海外に移住するという決断をできた一番の理由だったと思います。」
結果的にはとても快適だったというフィリピンでの生活。むしろお子さん達の方が順応も早く、2年生になるタイミングだった息子さんは、渡航当初は少し英語に苦労したものの、ふたりともあっというまにペラペラになり毎日楽しそうに学校生活を送るようになったといいます。
なぜ海外でお子さんと一緒に順調に暮らすことができたと思うか、その理由を尋ねたところ「もちろん子ども達のがんばりもありますが、大きな理由はフィリピン人のホスピタリティにもあるのでは」という答えが返ってきました。
子だくさんで大家族で暮らす方が多いフィリピン人は、小さい頃から自分より幼い子の面倒を見て、お年寄りを敬い、家事全般を助け合いながら育つためか『子どもはみんなで育てよう』という意識が強いそうです。
「日本では子連れで買い物をするにも外食をするにも厳しい視線を浴びることが多く、マンションの中でさえ子ども達の泣き声や足音を気にして生活していました。私は日本人で、日本のことは大好きですし素晴らしい国だと思っていますが、ふたりの子どもを育てる中で様々な生きづらさも感じていました。でもフィリピンではそういった子連れストレスは全くなく、一度娘が深夜に熱を出して近所迷惑なほどの声で夜泣きをした時は、隣の家のおばちゃんが心配して駆けつけてくれて夜通し交代で抱っこしてくれたこともあります。」
「日本では、日々続くワンオペ育児の中で長男の障害のことなど大きな責任を全て自分だけで背負っていたことに加え、子育てにも、ひとりのママとしても失敗してはいけないようなプレッシャーを感じていました。常に余裕がなく、イライラして叱らなくていいところで子ども達を怒ってしまい反省するようなことを繰り返していたのですが、私の場合はフィリピンに来て初めて『育児って人に頼ってもいいんだ!』と思うことができました。
インフラの整備やサービス面など日本に比べれば不便なところもまだまだ多いですが、そんな不完全さを『ま、いっか』と笑って流すような明るさがあります。そういった部分も含めて他人や周りに対して寛容なので、完璧ではない自分や自分の育児も、まだ未熟な我が子も、周りから受け入れてもらっているような感覚があり、子ども達と共にのびのびと暮らすことができたのだと思います。」
そして同じ時期に同じような想いを持ちながらセブ島に親子で滞在していたのが、株式会社留学情報館の代表取締役である大塚庸平さんでした。
留学エージェントの代表だった大塚さんと、当時セブ島の語学留学で校長を務めていた近藤さんというお仕事上で繋がりに加え、『海外で子育て中の親』という同じ立場から関わる機会も増えて行ったといいます。
お子さんが産まれて大きな幸せを得た半面、毎日お仕事で忙しくなかなか子育てに参加できず、帰宅後は夫婦喧嘩が絶えなかった時期があったという大塚さん。そんな中、気分転換も兼ねてセブ島への長期出張に妻子を同行させたところ、自分の時間を持てるようになったことで、1週間も立たないうちに奥様が見違えるように生き生きとし始めたそう。
信頼できるシッターさんのサポートを受けながら、ママは英語の勉強をはじめ自分の時間を持つことができ、その間子どもは英語のシャワーを浴びることができる。子どもの前で笑顔でいられることが増え、夫婦の関係、そして家族の関係そのものが格段に良くなる。ママと子どもにHappyなことは、ひいてはパパにとって家族にとってHappyなのだという大塚さんのお話に、近藤さんも強く共感したといいます。
この仕組みを形にして日本で子育てに奮闘している多くのママ・パパに伝えたい、そしてより多くの家族に笑顔を増やしたいという想いから始まったのが「ママ・赤ちゃんプログラム」でした。
「小さな子ども連れのママ目線」が活かされた手厚いサービス
私自身も子育て中のママという立場だからこそ強く胸に響いたのが、出発前に説明会や相談会などを通して、子連れでの留学にまつわる不安をとことん解消してくださったことでした。
私も交流会に参加しましたが、このプログラムのカウンセラーの方は全員、子育て中のママであり親子留学経験者なのでアドバイスもママ目線かつ具体的!スタッフの方が実際に体験した子連れ留学生活についても写真を交えて説明していただいた他、子連れで持って行くと便利なものや機内での過ごし方などママならではのアドバイスがあり、実際に子連れで生活するリアルなイメージが湧き非常に有意義でした。
毎日子どもと一緒に海外で生活することを考えると細かな疑問点が次々と浮かんでくると思いますが、個別のカウンセリングやメールでのやりとりなどを通してどんな小さな質問にも的確に温かく応えていただけたことには、大きな安心感がありました。
また現地サポートの手厚さも非常に心強く、子育て中のスタッフの方も多かったためオリエンテーションなどもママ目線が活きており、子連れで海外生活をする上で気を付けるべきことや子連れにオススメのスポットなどリアルな情報を教えていただくことができました。
他にも例えば毎週お医者さんが学校へ往診してくれたり、LINEを使って日本語で症状を相談できたりという病院との連携サービスなど、近藤さんを始め実際に子連れで留学や移住をした方たちだからこそ考えられる「ママにとって嬉しい仕組みと環境」が整備されていました。英語の勉強を目的に留学しているものの、病気など本当に困った時にすぐ日本語で相談できるシステムがあることで、より安心して過ごすことができました。
親子で英語を学ぶということはもちろんですが、そういった手厚いサポートの中、異国の地で日常の慌ただしさから離れたことで、心身余裕のある中で子ども達とゆっくり向き合ったり、自分自身について改めて考えたりと、家族の今後にとっても大きな気づきがあり、子どもたちと共にセブ島で過ごした時間そのものが貴重な経験となりました。
「母親だからという理由で夢を諦めないでほしい!」
最後に、日々たくさんのママ達と向き合っている近藤さんに、子育て世代でもあるLEE読者へのメッセージをお願いしました。
「『ママ、赤ちゃん留学』はすべての日本のママを笑顔にしたい!同時に赤ちゃん、子ども達にもきらきら輝く未来へはばたいてほしいという想いが元となってできたものです。ママにとってもお子さまにとっても人生の宝物となるような素晴らしい留学経験となるよう全力でサポートすることを通して、出産・育児・家族・仕事などお客様の人生に深く関わらせていただくことも多く、そこがやりがいでもあり私達スタッフにも日々大きな感動があります。
日本のお母さんたちは皆さん頑張り屋さんで、子育てに対してすごく真面目に取り組まれている方が多いと感じています。ただ一方で、ママになったから何かをしてはいけないということはないはず。留学に限らず、自分の気持ちが動くことややってみたいことに挑戦するなど、ご自身の想いや気持ちについても、お子さんのことと同様にもっともっと大切にしてほしいなと思います。
育児の在り方に正解はありませんが、私は子どもにとって最も大事なことは、大好きなママが毎日楽しそうににこにこしていることではないかと考えています。
これからも『ママ・赤ちゃん留学』プログラムを通じて、ひとりでも多くのママに笑顔になっていただくために精一杯お手伝いをしていきます!」
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佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。