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LIFE

津島千佳

全米注目の「マインドフルネス」で、子育て中の怒りがコントロールできる!?

  • 津島千佳

2017.04.15

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「マインドフルネス」って聞いたことありますか? 今全米で話題になっている脳の休息方法です。

脳は無意識下でも常にアイドリング状態のため、体全体の消費エネルギーのうち20%も使っています。しかも現代人はオーバーワークなうえ、ママになるとマルチタスクは当たり前。そんな忙しい人に向けた、脳科学的観点を取り入れた瞑想です。

瞑想と聞くと、少し怪しい感じもしますが、アメリカではフェイスブックやパタゴニアなどの有名企業が続々と取り入れているとのこと。そこでアメリカで「マインドフルネス」を第一線で研究している精神科医の久賀谷亮先生に、LEE世代のママにありがちなお悩み別のおすすめ「マインドフルネス」を教えてもらいました。

「マインドフルネス」でイライラが制御できる!?

【お悩み】忘れ物の多い小3の息子。何度注意しても改善されず、私もイライラ…。

津島 子供は自分の思い通りには動いてくれないですから、イライラすることはよくあります。

久賀谷 なぜ、イライラするかというと、ゆとりのなさが背景にあります。焦りなどで脳に余計なストレスをかけると、感情を司る扁桃体が暴走します。それが怒りという形になって表れるのです。

津島 ママはとにかく余裕がないので、怒りっぽくなるんですね。でもイライラはしたくないです。

久賀谷 イライラに有効なのは「RAIN」です。

Recognize(意味:認識する)

Accept(意味:受け入れる)

Investigate(意味:検証する)

Non-Identification(意味:距離を取る)

の頭文字を取ったもので、怒りの沈静化に効果があります。

怒りから距離を取り、冷静になる

津島 具体的にどのようなことをするのでしょうか?

久賀谷 4ステップで怒りをコントロールします。

(1)自分の中に怒りが起こっていることを認識する

怒りと怒っている自分を同一視すると、衝動はおさまりません。怒っている事実にまずは気づきましょう。

(2)怒りが起きていることを受け入れる

怒っている自分に腹を立てていては堂々巡り。素直にその感情を受け入れます。その際、怒っている自分を責めず、自分を許しましょう。

(3)なぜ怒ったのか検証する

怒ったことで心拍が早く、大きくなっている、眉間にしわがよっているなどの体の変化をチェックしましょう。これでかなり冷静さを取り戻せるはず。

(4)怒りから距離を取る

最後に怒りを突き放して考えることで、我を忘れない。これで怒りをおさめていきます。

津島 怒っている時に4ステップもできますか? 例えば、4つの中でこのステップは押さえておけば、OKなものはありますか?

久賀谷 1つのステップを選ぶとすると、3ステップめのInvestigate。つまり怒りの時に起きている体の感覚に気づき注意を向けます。

津島 それぞれのステップはどのくらいの時間をかければいいか、目安はありますか?

久賀谷 それぞれのステップの時間は5〜30秒。より深くという場合にはその瞬間ではなく、怒りがおさまった後に振り返ってさらに検証していく場合があります。怒りをコントロールできるようになると、甘いものを食べたいなどの衝動や欲望も押さえられるようになります。

また「マインドフルネス」は2〜3歳からでも始められます。

津島 忘れ物が多い注意力散漫な子供におすすめの「マインドフルネス」はありますか?

久賀谷 湖の隣にかえるが1匹いる様子をイメージしてください。そして対岸にいたもう1匹のかえるが泳いでこちらにやってきました、という「マインドフルネス」を試してみてください。これを行うと、クラスメイトとの衝突が減る、思いやりが増す、算数などの成績が上がる、集中力が上がる、気持ちが穏やかになる、などの効果が見込めます。

アメリカでは「マインドフルネス」を始めている学校もあります。ぜひ親子で実践してください。

お話をうかがったのは、久賀谷 亮先生

医師(日米医師免許)・医学博士

イェール大学で先端脳科学研究に携わり、臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間従事する。

2010年にロサンゼルスに「くがや こころのクリニック」を開業し、院長としてマインドフルネス認知療法などの最先端の治療を取り入れた診療を行う。

「くがや こころのクリニック」オフィシャルサイトはこちら http://www.thmedical.org/

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

久賀谷 亮/ダイヤモンド社 ¥1500

脳にはアイドリング状態でも動き続けるデフォルト・モード・ネットワークと呼ばれる回路があります。「何もしていないのに、疲れが取れない」人はデフォルト・モード・ネットワークの過剰な活動を許しているのが原因かもしれません。

デフォルト・モード・ネットワークの活動を抑える脳構造をつくり、脳に休息をもたらす「マインドフルネス」を日米で活躍する精神科医の久賀谷亮氏が教えるのが本著。マインドフルネス入門書としても最適です。

津島千佳 Tica Tsushima

ライター

1981年香川県生まれ。主にファッションやライフスタイル、インタビュー分野で活動中。夫婦揃って8月1日生まれ。‘15年生まれの息子は空気を読まず8月2日に誕生。

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