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〜五感を研ぎ澄まし心地よく暮らすvol.67

休館まであと半年!DIC川村記念美術館に行ってきました【LEE DAYS club clara】

  • LEE DAYS リーデイズ

2024.10.22

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街路樹も少しずつ色づき始め、穏やかな秋の陽気が嬉しいこの頃です。

さて、芸術の秋に相応しく様々な展覧会が関東近郊でも目白押しですね(国立西洋美術館のモネ「睡蓮のとき」、日本民藝館「生誕130年 芹沢銈介の世界」、角田純「The secret life of plants、」村上賀子「Known Unknown」などなど。この秋何か見に行ければと思っています)。

話題の美術館「DIC川村記念美術館」

そんな美術展の中から、今1番気になる美術館、「DIC川村記念美術館」に先日夫を誘って行ってきました(千葉県佐倉市にあるこちらは都内からも電車で1時間以上の距離と遠方なため、休日夫に車を出してもらいました)。ニュースでも話題になっているのでご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、こちらの美術館は近いうちに休館が決定しています。現段階では、株式会社が保有する資産として現状のままの維持・運営が難しいため、東京への移転を想定した「ダウンサイズ&リロケーション」か「美術館運営の中止」を検討されているようです。

休館の延長が発表されました

休館前にいざ!

閉館を惜しむ多くの方からの働きかけがあり、2025年1月末から予定していた休館が3月末に延期された、とのこと。そうは言っても美術コラムなどを拝見すると、やはり休館のニュース以降、土日祝日は特に混み合うようでしたので、開館時間前に到着するつもりで週末の朝、早めに自宅を出発しました。

写真 DIC川村記念美術館
この日は連休最終日、お天気にも恵まれ朝から多くの方がいらしてました。駐車場の車も県外ナンバーをたくさん見受けましたよ。※撮影許可いただいております。

音声ガイドアプリの利用をおすすめします

最近の美術館でよくある「音声ガイドアプリ」。ひと昔前は、小型ラジオのようなものとイヤフォンが有料で貸し出されていましたが、今はダウンロードが主流になりつつありますね。

写真 DIC川村記念美術館ガイドアプリ

今回も自宅で予めガイドアプリをダウンロードし、私も夫もそれぞれイヤフォンを持参しました(美術館入口でも無料Wi-Fiと音声ガイドの案内がありました)。有料アプリが多いなか、こちらの美術館のガイドアプリは無料でした、ありがたい。



立寄りスポット〜コッペパンサンドイッチ〜

わが家から美術館のある千葉県佐倉市までは高速を使っても車で1時間半ほど。途中「田島コッペ」さんに立ち寄り、作りたてのコッペパンサンドイッチとカフェオレをテイクアウトし、車内で朝食を済ませました。

写真 田島コッペ
多くのお客さんでかなり混んでいましたが、コッペパンを作る過程や豊富なメニューを見ながら楽しく待てました。またこちらのコーヒーはドトール提携らしく、美味しかったです!※撮影許可いただいております。

広大な敷地と庭園

ようやくたどり着いた美術館は、3万坪もの広大な敷地内にありました。白鳥が優雅に泳ぐ池や、林間の自然散策路、芝生広場などもあり、自然豊かな空間が広がっていました。

写真 DCI川村記念美術館
二羽の白鳥が気持ちよさそうに泳いでいました。

常設展 コレクションの特徴

美術鑑賞が趣味だった2代目社長の川村勝巳氏が収集したという常設展に並ぶ作品は、17世紀のレンブラントによる肖像画、モネやルノワールら印象派の絵画から、ピカソ、シャガールなどの西洋近代美術、そして20世紀後半のアメリカ美術まで、見応えのある展示でした。

常設展の中には、マルク・シャガールの2m超の大作『ダヴィデ王の夢』、48点あるシリーズの中の1枚クロード・モネの『睡蓮』、レンブラントの『広つば帽を被った男』など、数々の貴重なコレクションも。ゆったりと配置された展示のおかげでガイドを聴きながら自分のペースで鑑賞することができました(美術館では夫もわたしもお互い干渉せず、各々好きなペースで過ごします)。

わたしが個人的に好きだったのは、20世紀アメリカ美術を代表するサム・フランシスの抽象画作品。青を中心とした穏やかな色づかいとユニークな筆運びによる浮遊感が印象的でした。調べたところ他にも東京都現代美術館内に4面すべてがサム・フランシスの作品で囲まれた展示室があるそうで、近いうちに行ってみたいと思います。

夫は昔ニューヨークのメトロポリタン美術館で見たレンブラントの絵に感銘を受けたそうで、今回も肖像画をじっくり眺めていたようです。

日本初の企画展 西川勝人『静寂の響き』

9月から始まった企画展は、国内の美術館では初となるドイツ在住のアーティスト西川勝人氏の回顧展で、彫刻や絵画、ドローイングなど約70点が出展されています。

写真 DIC川村記念美術館
数メートルを超える彫刻や巨大なガラス作品、キャンバス油絵…と多彩な西川さんの世界で表現される「自然」と「光」を存分に感じることができました。

特にトップライトからの自然光のみで展示室全体の空間を照らす『ラビリンス断片』という作品は、9つの区画に分けられた室内に西川さんの彫刻作品や写真が展示されているのですが、見る角度によって様々な組み合わせを楽しむことができ、皆さん思い思いの時間を過ごされているのが印象的でした。

中でも展示室の中央にある『秋』は、白い花の花びらを床一面に敷き詰めたもので、植物が放つ濃厚で甘い花の香りが辺り一面に広がっていて、つい引き寄せられてしまいました。わたしが訪れた時期は若干朽ちはじめた花たちが萎れ、鄙びて色褪せたトーンに変わりつつあり、時間の経過と共に変化する作品の面白さを体感することができました。

センス抜群!企画展グッズのお土産がどれもステキ!

最後に併設されたミュージアムショップでお買いものも楽しみました。展示されていた西川さんの作品でいいな、と思っていたものがポストカードになっていたのでいくつか購入しました。(気に入ったものは複数枚買い、一枚はコレクション用にします)。

写真 DIC川村記念美術館のお土産
右が今回個人的に好きだった『池のほとり』シリーズのカンヴァス油絵。微妙なニュアンスのグレーで描かれた原画は、よく見ると池の水面に景色が映っていて、その繊細さに引き込まれ、今回1番長く眺めていた作品だったように思います。

いつか訪れてみたいと思っている、mitosayaさんが手がけたオリジナル商品は迷わず手に取りました。

mitosayaさんは千葉県の房総薬草園を併設した敷地で栽培する果樹や薬草・ハーブなどを使い、発酵や蒸留によるものづくりをされています。不定期に薬草園を開放し、イベントも開催されているのでいつかお邪魔してみたいと思ってます。

写真 DIC川村記念美術館のお土産
mitosayaさんが手がけたオリジナルサイダー。西川氏の作品やドイツの森で感じた自然の静けさと穏やかさをイメージした特別な飲料なのだとか。ミントやオレガノなどのハーブが使われているサイダー、どんな味なのか想像するだけでわくわくです。

teteria 「White Petal Milk」

こちらはteteriaさんが、やはり今回の企画展のために制作された紅茶。本展の余韻を紅茶を飲みながら楽しんでほしいとの思いがこめられているそうです。

写真 DIC川村記念美術館のお土産
作品の白からインスパイアされた、白い花とハーブのミルクティー用の茶葉。セージ、ジャスミン、エルダーフラワーの香りが楽しめるそう!ステキ♡

郊外の豊かな自然のもと、素晴らしいアートに触れた忘れられない一日となりました。貴重なコレクションはもちろん、素敵なお庭や贅沢な展示室など見応えたっぷりのDIC川村記念美術館、おススメです。

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clara

48歳 / 埼玉県 事務職

フルタイムワーカー。夫と2人の子ども、猫(♂)との暮らし。自分に必要なものをその時々で取捨選択し、日々心穏やかに過ごせるよう心がけています。ひと手間かかっても五感を満たしてくれるもの、丁寧に作られたものを好みます。

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LEEとともに歩んできて、子育てが一段落。自分に目を向ける余裕の出てきたLEEの姉世代の方に、日々の“ほんとうに好きなものと心ときめく時間”をお届けします。

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