〜五感を研ぎ澄まし心地よく暮らすvol.66〜
秋の夜長にじっくり読みたい!40代女子が夢中になるおすすめ長編小説4選【LEE DAYS club clara】
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LEE DAYS リーデイズ
2024.10.08 更新日:2024.10.10
朝晩の空気が一段と涼やかになり、秋の深まりを感じるこの頃です。
大好きなこの季節はじっくり読書に時間を費やしたいと思い、夜遅くまで開いている近所の本屋さんをパトロールしたり(夜の本屋さんの雰囲気が好き)、また家の本棚を見直して(定期的に並べ替えをする)お気に入りの本を改めて手に取ったり。今回は秋の夜長におすすめしたい、最近のわたしの読書本の中から、長編小説を中心にご紹介したいと思います。

若者たちの未来に幸あれ!
1・『蜜蜂と遠雷』、『祝祭と予感』 恩田 陸
大好きな恩田陸さんの2作品。最近、ピアノの演奏を聴く機会があり、ピアノを題材にしたこちらの作品を久しぶりにまた読みはじめています。

直木賞作品として映画化もされた、ピアノコンクールを題材にした物語『蜜蜂と遠雷』、そのスピンオフ作品である『祝祭と予感』は、ピアノコンクール登場するメンバーや関係者たちの過去やその後のエピソードが収められた短編集です。特に『蜜蜂と遠雷』は本屋大賞にも選ばれたので、読まれた方も多いのではないでしょうか。
『蜜蜂と遠雷』は、最初に原作を読み、その後ピアノ好きな長男と一緒に映画も観ました。音楽はもちろんのこと、記憶に残る美しい印象的なシーンがいくつもある、とても魅力的な作品だと思います。映画の中で特に好きなのが、あやと塵が2人で月夜の晩に連弾をするシーン。とても楽しく幸せそうに「月の光~it’s only paper moon ~月光」、と順に奏でていく優しい旋律は、何度観ても幸せな気持ちで満たされます。登場人物それぞれの若者たちの未来を心の底から応援したくなる、そんな作品です。
その後読んだ『祝祭と予感』はさらっと読める内容ながら、ドラマティックな物語揃いで、それぞれの登場人物が持つ新たな一面を知ることができ、こちらもおすすめです。今回読み直してみて、改めて好ましいと感じるキャラクターもいたりして(「嵯峨三枝子」の気の強さ、嫌いじゃない♡)。特に好きなのは奏とヴィオラとの巡り合わせの章『鈴蘭と階段』、奏の運命的な出会いは明るい未来が待ち受けている予感を秘めていて、思わず胸が躍ります。
美味しいお酒とお料理を食べに行きたくなること必須!
2・『ランチ酒』シリーズ 原田ひ香
一風変わった職業「見守り屋」として働く主人公祥子が、勤務明け後に楽しむ至福のランチ&お酒にまつわる作品集。人気作品は次々と続編が出されて、現在3作品が刊行されています。

シリーズ化されている『ランチ酒』の3作品、久しぶりにまた読み返してみるとやっぱりおもしろい。3作品に共通するのは、主人公祥子の目線による食欲をそそる見事な食レポ(お酒好きなわたしにとっては、食事に合わせるお酒もチェックポイント)、時折りメモを取りながら(実名は伏せられていますが、全て実存するお店が出てくるのです)今回も読み進めています。
またシリーズを重ねるごとに、祥子自身が抱える問題、家族との関係性にも少しずつ変化が見られ、こちらも目が離せません。以前は周りの人たちの状況を察し、相手を優先して自分の気持ちを押し殺してしまうことが多かった祥子が、仕事やプライベートで様々な人との関わる中で、徐々に自分の意志を持ち、実際に行動に移す決断をする場面では、思わず頑張れ!と応援したくなる、そんな気持ちにさせられます。

また10月に出版予定のスピンオフ作品の新刊『朝酒』も今からとても楽しみにしています。
どっぷりとミステリーにはまる
3・『存在のすべてを』 塩田武士

こちらは去年の本屋大賞3位の作品です。塩谷武士さんの作品を読むのは『罪の声』以来で、今回が2作品目になります。ミステリーのジャンル一括りにはできない、様々な人間模様と伏線が絡み合う、とても読み応えのある作品でした。500ページを超える大作で、ずっと手元にあったものですが、週末に読み始めたところ、途中でやめられなくなり、寝る間も惜しんで読破しました。特に後半の予想外の結末に、読み進める手が止まらなず、若干の寝不足ぎみになってしまったほど。秋の夜長におススメです(ネタバレにならないよう感想は自粛します)!
第52回泉鏡花文学賞受賞!世界のムナカタに会いに行きたくなる!
4・『坂上に咲く』原田マハ
美術史にあかるい原田マハさんの作品は、芸術に秋に読むのにぴったりな大作が揃っています。こちらは発売後すぐに読み、読み終わった後、衝動的に青森の棟方志功館に行きたくなったのですが、残念なことに、年度内に閉館が決まっていました。季節が移り、また改めて読み直すと、やっぱり青森に行くべきだったとその気持ちが再び蘇ってきました笑。今となっては後悔しか残りませんが、無理をしてでも、日帰りでも行ってみるんだった……、そして棟方の作品をじっくり眺めてみたかった、と悔やまれます。
(ちょうどこの記事を書いているタイミングで第52回泉鏡花文学賞の受賞のニュースが飛び込んできました。おめでとうございます!)

世界の棟方がいかにして誕生し、どのような生涯を送ったのか、激動の日本で唯一無二の版画作家として成功を収めた彼を支えた妻チヤの圧倒的な愛にも心打たれます。
原田マハさんの美術作品はどれも興味深く、読んだあとはその絵に会いに行きたくなるんですよね(楽園のカンヴァスを読んで以来、岡山の大原美術館に行ってみたいと想い続けています)。
読書の秋、芸術の秋、食欲の秋、スポーツの秋……大好きなこの季節ですが、いい時期は一瞬で終わってしまいますよね。秋の夜長、存分に楽しみたいと思います。

clara
48歳 / 埼玉県 事務職
フルタイムワーカー。夫と2人の子ども、猫(♂)との暮らし。自分に必要なものをその時々で取捨選択し、日々心穏やかに過ごせるよう心がけています。ひと手間かかっても五感を満たしてくれるもの、丁寧に作られたものを好みます。
LEE DAYS club
“愛着ある日々”をリレー連載で更新中!

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