LIFE

暮らしの「ダウンサイジング」で、人生が変わった!

家具、服、ガラクタを80%減らしたら人生が回り始めた!

47㎡、2人暮らし。好きなものだけが並ぶ部屋で暮らす、ひでまるさんの「ダウンサイジングストーリー」

  • @homeLEE 私らしく建てる、心地よく暮らす

2024.06.16

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今、なぜ暮らしを「ダウンサイジング」?

人生が回り始めた私の「ダウンサイジングストーリー」

何がきっかけで、どうやってものを減らし、その結果どう変わった? 気になるのは、その詳細。家をすっきりさせることで暮らしを前向きに転換した方のリアルな体験談は、あなたがダウンサイジングに着手する、何よりのモチベーションになるはず。

ひでまる(安藤秀通)さん

ひでまる(安藤秀通)さんとパートナー
  • 家族構成:パートナー 
  • 間取り:1LDK 広さ:47㎡

インテリア&整理収納のサポートをするルームスタイリスト(写真右)。SNSでの発信が話題に。著書『47㎡、2人暮らし 大好きだけが並ぶ部屋作り』(小学館)が好評。

ダウンサイジングして  どう人生が変わった?

・自分とパートナーのことを周囲に伝え、本来の自分らしさをオープンにできた
・会社員を辞め、本当に自分がやりたい仕事を始められた
・将来の人生設計を具体的に考えられるようになった

ひでまるさん宅のリビング
植物は、ひでまるさんにとって癒しを与えてくれるかけがえのないもの。リビングには、約70種類、100鉢以上のグリーンが飾られている。2019年にこの家に引っ越してきたときには、ポトス1鉢しかなかったというから驚き。視界に入るすべてが〝好きなもの〞で満たされているので、部屋が活力を生み出す源に。


家具、服、ガラクタを80%に減

持ち物を5分の1に減らしたら大切にしたい人やものが明確に

ひでまるさんがパートナーとともに、この47㎡の家に越してきたのは、今から約5年前。当時は現在寝室にしている部屋は、ほぼ物置き小屋、中に何が入っているか忘れた箱が積み上がり、Tシャツ700枚(!)をはじめ大量の服やものを所有していたと言います。

「素敵な暮らしをしたいとデザイン性のあるこの部屋に越してきたのに、ものが占領して身動きが取れない状態。片付けようと思う心の余裕すら持てずにいました」 

しかしコロナ禍で在宅仕事が増え「このままではまずい」と一念発起。近所の公民館で整理収納アドバイザーの講座が開催されると知り、受講することにしました。当時は雑貨店などを運営する会社に勤め、ディスプレイやカラーリングの知識もあったひでまるさん。

「インテリアも好きだったので、『整理収納もできるはず』と勘違いしていたんです(笑)。けれど講座で〝人と物の適切な関係性〟を初めて学び、『自分は不用なものばかりに囲まれて生きてきたのかも』と、強いショックを受けました」 

Before

Before
寝るためだけに帰っていた以前の家は、片付けに関心さえ持てなかった。

その日の夕方から約2カ月間、プライベートの時間ほぼ全部を使って整理を始めました。30足持っていた靴を3足に、10枚あったパンツを5枚に……という具合に、物を5分の1に減らしたのです。

「最後の片付けが終わったとき、不思議と涙があふれてきました。いろんな記憶が走馬灯のように巡り、おいおい泣けてしまったんです」

ひでまるさん

服はこのバーに収まる1軍のみ

クローゼット

右半分がひでまるさん、左半分がパートナー・ぶたじるさん(愛称)の服。「その服を着て、好きな人と会いたいか」「着心地がいいか」を基準に厳選。このバーに収まる1軍のみ、20着程度に減らした。

60足あったというソックスは12足に

収納

かつては大きな箱に〝放り込み収納〞し、60足あったというソックス。今は引き出しに仕切りを設け、収まる12足のみを所有。

食器はシンク下の引き出しのみに収納

食器類

増えがちな食器は「1つ増えたら1つ手放す」のがルール。さまざまな料理に使えるもの、食洗機で洗えるものを中心に、このシンク下の引き出しのみに収納。

整理が進むにつれ、ひでまるさんの心に大きな変化が!

「片付けは、物理的な整理だけでなく、過去の自分と向き合う作業でした。ものに囲まれるのが安心と思っていたけど、実際はものに支配されていたんですね。不用なものを手放すたびに余白が生まれ、心から好きなものを置けるようになる。少しずつ本来の自分に戻るような不思議な感覚でした」 

整理が進むにつれ、ひでまるさんの心に大きな変化が訪れます。

「以前は、やるべきことの優先順位がつけられず、仕事もプライベートも常にモヤモヤ。ところが片付けが進むと考えや気持ちまで整理され、人生で一番大切なのはパートナーと2人で幸せに暮らすことで、それは自分にとって隠すことではない、と気づけたんです」 

片付けにめどがついたある日、それまで家族や友人にオープンにしていなかった自分のセクシャリティをカミングアウト。本人にとっては一大事でしたが、周囲は軽やかに受け入れてくれ、心がラクになったそう。整理収納アドバイザー1級の資格を取得して会社を辞めて、SNSでの発信やルームスタイリストとしての活動を開始し、それが大好評。ほんの3年で、人生を大きく好転できたのです。

「以前は行き当たりばったりで、今日という日を全力で生きられていなかったなと。けれど今は、将来の目標や人生設計を考えられるようにもなりました。大げさに思われるかもしれませんが、片付けや整理には本当に人生を変える力があると実感しています」

ひでまるさん

ひでまるさん(右)とパートナーのぶたじるさん(左)

ひでまるさん(右)とパートナーのぶたじるさん(左)

「昔は不満があってもため込んだりケンカしたりでしたが、心に余裕ができた今は、『少し話し合わない?』と気持ちをスムーズに伝えやすくなりました」

思い出の品「ビカクシダ」は部屋のシンボルグリーンに

ビカクシダ

天井から吊るされたビカクシダは、独立祝いにぶたじるさんがプレゼントしてくれた思い出の品で、部屋のシンボルグリーン。

アートを飾る心のゆとりも

アートを飾った部屋

部屋が整っていくにつれ、アートを飾る心のゆとりが。グリーンと組み合わせて、座った目線から眺められる場所にディスプレイのコーナーを。

小物は〝見せる収納〞に

イケアで見つけたミニカーなどを飾るウォールシェルフ

洗面所に置いた小物は、〝見せる収納〞で管理しやすく。イケアで見つけたミニカーなどを飾るウォールシェルフにメガネ類を、ドールハウスにスキンケアアイテムを収納。

Downsizing Rules

ひでまるさんのダウンサイジングルール5

Rule_1
今日は「引き出し1段だけ」と、ハードルを下げる

あえて整理する範囲を狭くし、小さな達成感を積み重ねていく。その日できることができていれば自分を褒め、片付けを習慣化。

収納

現在所有している靴は、黒い革靴とスニーカー、サンダルの3足のみ。履き終わったら手入れをして、靴箱に保管。

Rule_2
思い出の品は無理に手放さない

使用頻度は低くとも、見るだけでうれしく、勇気づけられるものは人生に必要なもの。まずは判断が即決できる、ほかの不用品から整理を。

無印良品のトタンボックスに詰まった吹奏楽のCD

無印良品のトタンボックスに詰まった吹奏楽のCD。数年ごとに取り出して聴くので、思い出の品として大切に保管。

Rule_3:
ものを増やせないかたちの収納を作る

ものの住所を決め、持つ量はそこに収まる分だけにすれば、ものが無制限に増えていくのを防げます。あふれたときは、整理のタイミング。

ひでまるさん

ひでまるさんが特にこだわる〝洗濯動線〞。洗濯・乾燥を終えたらその場でたたみ、下着や靴下は即、横の引き出しへ。

Rule_4:
リセットしやすい動線にする

家事は毎日のこと、できる限り効率のいい動線にすれば、片付けの負担も激減。動線を丁寧に考えることが、片付く部屋への近道です。

棚

ボックスがずらりと並んだ棚は、2人の仕事道具や思い出の品を収める場所。ラベルは上部や取っ手の下などの死角に貼り、正面から見えない工夫をしている。

Rule_5:
ゴミ回収日の前日に持ち物を見直す

回収日前は毎回、2人で部屋をウロウロして不用品のチェックを。毎週来るタイミングを利用して、不用品の手放し習慣を継続させます。

植物

一つ一つに思い入れのある植物や小物たち。季節や気分で配置を変えることで、ものを増やさずにインテリアを満喫。

Staff Credit

撮影/上原朋也 取材・原文/田中のり子

こちらは2024年7月号(6/7発売)『暮らしの「ダウンサイジング」で、人生が変わった!』に掲載の記事です。※商品価格は消費税込みの総額表示(2024年7月号現在)です。

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