Yummy!
今月のミニレシピ
シネから学んだボロネーゼキムチ添え


私のボロネーゼソースは牛ひき肉500g、トマトジュース720ml、赤ワイン50g、塩小さじ1弱、にんにく1かけみじん切り、きのこ好きなだけ(舞茸やマッシュルーム)をみじん切りにして、拗ねての材料をお鍋に入れ、材料と水分がどろっとするまで全て混ぜて、 弱目の中火で20分煮ます。 最後水分がなくなり、煮詰まってきたら、 かなり跳ねてくるので、蓋を少しずらして乗せてください。 きっちり、最後まで水分を飛ばし煮詰めると、濃厚になりおいしいです! パルミジャーノレッジャーノをたっぷりかけてね!
娘さんの高校受験合格祝いを兼ねて、初の母娘韓国旅行へ!
ああ、こういうことなのか、と帰りの飛行機で窓から見える韓国の景色を眺めながら思いました。うう、寂しい、寂しすぎる。そして、まあいいか、またすぐに来ればいい!と思ってしまう距離の近さ。もう帰る時に、次にいつ行くか考えてしまうんです。これこそが、人々が韓国にハマる秘密なのですね……!
娘が「韓国に行ってみたい〜!」と言い始めたのは彼女が小学5年生の時。その時は、あーそうねえ、高校受験が終わったら行きたいねえー、と生返事をしていたのでした。それから早5年。いやあ、子育てってあっという間ですね。瞬く間に月日は経ち、私は私で韓国ドラマの『ムービング』にハマってしまい、よしこれは今だ!と、約束を守るべくこの春休みに母娘の韓国旅行に行ってきたのです。
今回泊まったのは明洞(ミョンドン)地区。ソウルの観光地でもビギナー向けの場所で、日本語対応のお店も多い街です。たしかに道を歩いていても日本語が飛び交っていて、なんだか不思議な気持ちに。今回選んだホテルは、日本語も通じて安心と聞いていたソラリア西鉄ホテルです。フロントも日本語対応してもらえて、宿泊客もほとんどが日本人。外国に来ているはずなのに、あのひりひりするような緊張感を持たずに済むのはありがたい!
今回の旅の目的は、娘の好きなKPOPのアーティストの聖地に行くこと。韓国に行く前は、事務所の場所に行きたい、公式ショップにも行きたいと色々楽しそうに話していた娘でしたが……。もうですね、明洞の街に着くなり、当初の目的を見失うことに。だって、もう街が魅力的すぎるんですよ!! 寄り道ばかりで目的地に辿り着けない!! 音楽も大好きだけど、オシャレも大好きなお年頃の彼女には街全体がキラキラして見えたことでしょう。
特に娘とふたりでハマったのは「nyu nyu」というファッション雑貨のお店です。

たまたま通りかかってふらっと入ったが最後。2泊の旅で、4回は行ったかな……。流行のデザインのピアス、リング、ネックレスが店内にびっしり。バッグや帽子、服、お香やインテリア雑貨まであるんです。しかもおしゃれでまったくプチプラに見えません。私も1回目はゆっくり見てヘアクリップなど選んだのですが、2回目以降は外のベンチで待っていました。私は私でのんびりとただ道行く人を眺めているだけで楽しかったです。
第1食目は現地友人おすすめの「キョチョンチキン」。今、思い出してもじんわり「ああ食べたいなあ」と思って困るほど
初日の夜ご飯はチキン。韓国に行ったら食べたい!と娘が話していたので、韓国の友人のステファニーに教えてもらい「キョチョンチキン鐘路1号店」に訪れました。
明洞地区のホテルからも歩いて15分くらい。食事前の腹ごなしにもちょうどいい距離です。てくてく歩いていると「え、今、韓国にいるんだよね?」「現実感がないんだけどー!」とふたりで不思議な気分に。でも、なんだかわかんないけど、めちゃくちゃ楽しいよね!?とただ移動しているだけで、盛り上がる盛り上がる。
そういえば、娘とこんなふうに繁華街をぶらぶらすることも近頃はなかったなあとその時気づきました。それどころか、ゆっくりお互いの顔を見ておしゃべりしたり、そんなゆとりがここ最近の日常にはなかったんです。毎日一緒にいるし会話もあるけれど、私用事しながらだしねえ……。そうか、だから旅行っていいものだなあって改めて思いました。

さて、目的のチキンですが、これが最高においしかった! 今、思い出してもじんわり「ああ食べたいなあ」と思って困るほど。揚げ衣は薄く、さくさく。これなら胃もたれしないと安心感が生まれました、食後の味わいが軽いんです。何より大人が嬉しいのは、大根の甘酢漬けが食べ放題。揚げ物には酸味が必要! 消化酵素も必要! チキン、大根の甘酢漬け、そして別に頼んだサラダでなんとなく中年が揚げ物を食べる時の罪悪感をチャラにしてくれます。しかしそれを台無しにするのは甘じょっぱいポップコーンまで食べ放題なこと! なぜポップコーンが……と思うのですが否応がにもビールが進むんですよね……。

ちなみにこのキョチョンチキン、最終日の最後のお昼ご飯にも訪れました。どうしても食べたい!と娘たっての希望。しかもフレイバーまで一緒! でも、それぐらい好きになるお店に旅先で出会えたって幸運なことですよね。実は『ムービング』でもチキンは一つのキーになる食べ物で、主人公の1人でもあるクリョンポが営んでいるのもチキン屋さんなんです。それにしても、韓国はチキンも豚も、牛肉も全て名物があり、お肉好きの私にとってもは目移りしてばかりです。
現地友人のレストラン「Salt」で、キムチ添えボロネーゼのおいしさに目覚める
さて、私の今回の旅の目的は、韓国の友人たちに会いに行くことでした。私は去年の10月、オージービーフのアンバサダー日本代表として15カ国25人のシェフたちとオーストラリアで10日間旅をしました。その時に仲良くなったのが韓国代表のシェフのシネとスタッフのステファニー。彼女たちと再会するためにシネのレストラン「Salt」で待ち合わせたのでした。
Saltは鶴洞駅のすぐそば。隠れ家的なとびきりキュートなレストランでエントランスはレモンイエローに彩られています。まさにその輝く明るさがシネそのもの! オーストラリアのツアーでも彼女の明るさやユーモアに何度助けられたことか!

シネは韓国では知らない人はいないほどの有名なシェフです。「Salt」はイタリア料理ですが、彼女の顔写真が入ったキムチや韓国海苔が売られています。彼女の作る料理はなにを食べても絶品で、素材の良さを最大限に活かした上でシネのセンスが加わり、特別な料理に仕立てられています。

そしてステファニー! 彼女はオージービーフの韓国支社のスタッフで、オーストラリアから帰国してからもずっと連絡を取り合っていました。彼女はいつも優しく今回の旅もたくさんサポートしてくれました。
シネから、お野菜へのこだわりや韓国の旬の素材の話を聞きながらメニューを選び、食事はスタート。見たことのない野菜もいくつかありました。このとき韓国でも山菜がシーズンで、いただいたのがこの一皿、タラの芽をピクルスにして、ペーストにしてソースに使ったもの。タラの芽とエビがこんなにマッチするなんて!と驚きです。

そして、待望のオーストラリアWAGYUとの再会! 日本には輸入されておらずこの味が恋しかったのです! 赤身肉に絶妙な脂のサシ。味わいは全くしつこくなく、素晴らしい焼き加減でするすると食べられてしまいます。

もちろんお肉は娘と取り合いで、ふたりに笑われてしまいました。友人に再会できてめいいっぱいおしゃべりして、娘と美味しいものを楽しみ、本当に幸せな時間でした。
定番のボロネーゼもシネの手にかかると、なんとキムチ添え! でもこの方法で1回食べると、もうキムチなしが物足りなくなるほどなのです。酸味と辛味が加わり、より複雑な味わいになるんですよね。すっかり魅了されて家に帰ってからもこの方法でボロネーゼを食べるようになりました。
食べるのに夢中になりすぎて、シネのレストランで写真を撮り忘れてしまったのですが、家に帰ってからさっそく真似して作ってみました。


韓国土産はおなじみのフェイスマスクと、まさかの梅シロップ!
今回、旅の前に娘と決めたことは「無理はやめよう」ということ。飛び回りたいのはやまやまだけど、計画通りに動こうとがんばらないようにしようね、と。
だって、私も初めての韓国だし、娘もほぼ初めての海外だし、何があるかわかりません。あそこに行きたかったのに!と後悔したり、つまらない気持ちになる事はなんとしても避けたかったんです。ゆったりとした気持ちで過ごそうと決めたので、ホテルのベッドに寝そべり韓国の音楽チャンネルをだらだらと見たり、買ってきたばかりの入浴剤を入れていつもより長風呂をしたりと、なんとも贅沢な時間の使い方をすることができました。不思議なもので、それを韓国でやっているという高揚感もあるんですよね。久しぶりに母娘ふたりっきりで四六時中過ごしたことが、しみじみ嬉しい思い出になりました。

そうそうお土産はダイソーでフェイスマスクを。ロッテデパートの地下で韓国海苔、ごま油を手に入れました。ロッテデパートのデパ地下が本当に楽しくてまたゆっくり行きたいなあ。

そしてそこでなんと! 偶然梅シロップを見つけたのです!

旅の最後の最後に知ったのですが、韓国料理は梅シロップを料理に多用するんですって。シネは自分で作るキムチは全て梅を使うんだとか! これは、また韓国の梅レシピについて研究しに行かなくては!と熱く心に誓ったのでした。そして次は、『ムービング』のもうひとつのキーワードメニューでもある「南山とんかつ」を食べたいなあと早くも狙っています。
(『料理家 今井真実の「食べたいエンタメ」(ミニレシピ付き)』は毎月第4金曜日朝8時更新です。次回をお楽しみに!)
Staff Credit
撮影/MIDORI(韓国旅行分)、今井裕治
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