ジメジメした梅雨シーズンが到来…。今の日本の住宅は気密性が高く、うっかりするとカビが増殖しやすい環境なのだとか。
今回はカビ博士と暮らしのプロに協力を得て、カビの生えない除湿方法を教わりました。カラッとしたおうちを保つことは、居心地のよさにも直結します!
教えてくれたのは?
千葉大学真菌医学研究センター准教授
カビ博士 矢口貴志さん
人に対して病原性を示すカビを医療機関と連携して収集し、解析や研究を行う。多くのメディアでカビの正しい情報を発信し、専門書の著書も多数。
住生活ジャーナリスト・ライター
暮らしのプロ 藤原千秋さん
大手住宅メーカーの営業職を経て、暮らしまわりの記事を執筆、監修や企画も行う。LEEwebで「藤原千秋さんの先取りで安心! おそうじ歳時記」も連載中。
●Instagram:funiwara_chiaki
●Twitter:funiwarachiaki
〝カビ博士〞と〝暮らしのプロ〞がチェック!
今の日本の住環境はカビととっても仲よし!
何気なくLEEに目を通しているこの瞬間も、実はカビが増殖中かも? カビが生えやすいNG行動をチェック!
「日本の住環境はカビと仲よし!」そのワケは…
①
エアコンのフィルターを掃除していない
「多くのエアコンは室内の空気を吸い上げて冷却または加熱させ、再び室内に出す『内気循環』をしています。フィルターが汚れている場合、カビの胞子がついた空気が室内を循環していることに。フィルターは定期的に掃除して清潔を心がけて!」(藤原千秋さん)
②
冬場は長時間、加湿機をつけている
「風邪やお肌の乾燥対策にと、冬の間、部屋中をたっぷり加湿していませんか? 気密性の高い今の住宅において、過度の加湿は不向き。湿度が60%を超えるとカビやダニが発生しやすい環境になります。快適な湿度は40〜50%あれば十分です」(矢口貴志さん)
③
家の「24時間換気システム」を作動させていない
「2003年7月の法改正以降に建てられた住宅には、室内の空気環境を維持する24時間換気システムの設置が義務づけられています。ただ、この設備があることを認識していない、稼働させていない、フィルター掃除をしてない場合もぜひ見直しを」(藤原千秋さん)
④
ベッドマットをひっくり返したことがない
「人は睡眠中、季節を問わず、一晩におよそコップ一杯分(約200ml)の汗をかくとされています。つまりベッドマットは一年でおよそ365杯の水分を吸っていることに。定期的に空気に触れさせ、乾燥をさせておかないと日増しにカビの温床に…」(藤原千秋さん)
⑤
帰宅後の靴やコートをすぐに下駄箱やクローゼットに収納
「一日中履いた靴をすぐに下駄箱にしまったり、着ていたコートやジャケットをクローゼット内にかけたり、扉の中にしまうことで湿気がこもり、カビの原因に。汚れや汗がついているものは軽くはたいて、まずは室内で自然乾燥をさせることが大切!」(矢口貴志さん)
⑥
浴室の床や壁は掃除しても、天井まではしていない
「いくら浴室の床や壁を念入りに掃除しても、浴室にカビが生えやすい場合、天井で発生したカビを落としていない可能性が。入浴中にカビを含んだ水滴や蒸気を吸い込むことで、ぜんそくやアレルギーを引き起こす可能性も。天井の掃除は重要です!」(矢口貴志さん)
⑦
観葉植物や枝物を飾りっぱなしでケア不足
「観葉植物の土は、カビの温床になりやすいポイント。また、枝物にもカビが付着している場合もあり、インテリアとして素敵でも、カビを広げている可能性も。また土いじりや水替えをした後は、必ず石けんでよく手を洗うなど、注意を払って!」(矢口貴志さん)
目に見えない湿気を調整できると、家がより快適に
藤原さん(以下藤):最近の住宅は高気密・高断熱で、湿気がこもりやすく、カビが生えやすい環境にあると聞きました。
矢口さん(以下矢):カビは土ぼこりとともに家に入り、20〜30℃の温度、60%以上の湿度、そして食べこぼしや髪の毛など、栄養源が揃うと繁殖しやすくなります。
気密性の高い家は湿度がこもりやすいですが、ただ現在、多くの住宅には24時間換気システムがあり、きちんと換気を行うことで、カビは生えにくくなります。
藤:そうですね。一方で24時間換気システムを稼働させていないとか、フィルターを掃除していない人も多くいると聞きました。
また花粉などが気になるからと、換気や風通しを避ける人もいるようです。
矢:カビ対策ができる設備や機能、商品は多いですが、確かに使いこなせないと結局はカビの温床に…。加湿機の給水タンクの掃除や、空気清浄機のフィルターを交換していないことでカビが発生して、部屋中に飛散させてしまうことも。
カビは吸いすぎると呼吸器系のアレルギーの原因になることもあるので、やはり除湿は大切です。
藤:水辺に近いか、日当たりがいいかなど、自宅の湿気やすさを把握しておくのも大事ですね。
矢:そうですね。湿度をコントロールできた、カラッとした空間は、何より快適ですよね!
次回は「ちょっとのことで家じゅうカラッと!リビング編」をご紹介。
撮影/名和真紀子 イラストレーション/須山奈津希 取材・文/田中理恵
こちらは2023年LEE7月号(6/7発売)「『LEE除湿プロジェクト』始めます!」に掲載の記事です。
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