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夏前の雨の日こそ、ベランダとエアコン室外機を掃除!【カビ、ゴキブリ……虫発生を防いでベランピング】

  • 藤原千秋

2023.05.20

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ベランダは “自宅から 一番近い アウトドア”

ベランダ べランピングベランダでくつろぐ“ベランピング”なる、おしゃれワードが巷に転がる昨今です。
「うちのベランダも、せっかくだし、素敵に過ごすのに使いたい!」そのためにも「なんとなく、キタナイのをなんとかしたい!」
今回は、そんなあなたにおこたえ!

じつは、どうせベランダを掃除するなら、夏前の今の時季は間違いなく好機なんです
今月は先取りベランダ掃除で、快適な”おうちアウトドア”を手に入れてしまいましょう。

ベランダ掃除するなら「曇り」か「雨」の日がチャンス!?

ベランダ 掃除ベランダは、家にあっても案外「活用できていない」と感じている人が近年多いようです。
たしかにメインの用途だったはずの”洗濯物干し”にしても、花粉や黄砂やゲリラ豪雨を気にして、年じゅう”部屋干し”していたりするのでは?

久しぶりにベランダに出てビックリ。白ちゃけてホコリっぽく、ところどころ黒ずんでザラザラ
「こんなんじゃ、ベランピングどころじゃない!」「どこからどう手をつけたらいいの?」

そう嘆くあなたは、以下のお掃除手順を試してみてください。

「曇り」か「雨」の日をベランダ掃除の好機として、待ち構えましょう

なぜ曇りや雨の日がいいのかというと、湿気が高ければホコリが立ちにくく、掃除が近所迷惑になりにくいから
そして雨で濡らされれば、硬い汚れも柔らかく落としやすくなるからです。

ベランダ 掃除 ホースマンションなどの集合住宅では、ベランダで水を流す掃除をすることが禁止されているケースもあります。でも自然に雨が吹き込んでいるぶんには、仕方がないですからね。
湿気ですぐに乾きにくいことが功を奏して、網戸や窓の汚れもゆるんでいますし、拭き跡も付きにくくキレイに仕上がるのです。

晴れの日より紫外線が少なめなのも嬉しいメリット。でもたとえ曇りの日でも、熱中症にはくれぐれも気をつけて。無理して長時間取り組まないようにしましょう。

ベランダ掃除は他の掃除と違って急を要しません。次項でご説明する作業も、日を分け、小分けにしてもいい、というのはぜひ覚えておいてくださいね。

 



基本のベランダの掃除の仕方

では、具体的なベランダの掃除手順をご説明します。

<用意するもの>

  • ホウキ、ちりとり……ベランダ掃除には、穂先がポリプロピレンなどの化繊でできているタイプのホウキが向いています。ちりとりはあった方が便利。ただし、いずれもプラスチックを使っているものは紫外線劣化しやすいので収納場所に注意。
  • 古タオル……薄手の方が使いやすいです。掃除の後、捨てても惜しくないものを。
  • バケツ……水を張っておきます。
  • ゴミ袋……二重にしておくと安心です。
  • 使い捨てビニール手袋、軍手

<あると便利なもの>

  • 乾湿両用の掃除機…乾いた泥砂のほか、濡れた落ち葉や泥水まで吸うことのできる掃除機がもしあると、作業時間が短く済みます。

ベランダ 掃除 ほうき

<手順>

  1. 使い捨てビニール手袋に軍手をはめ、ゴミ袋を持って、ベランダに出ている不用品をできるだけ分別しながら袋に回収し、ゴミ収集日までまとめておきます。
    枯れた植物の植木鉢は、心情的に捨てにくく放置されがち(土と鉢を別々にするのも手間)ですが、どこかのタイミングで「えいや!」と作業するとすっきりしますし、後述しますが虫の発生も抑えます。

  2. 空いている空間をホウキで一度掃きます。まずは大きめのゴミ(枯れ葉など)をザックリ集めてちりとりで取り、その後2~3回に分けて細かなゴミ(泥砂)を小さな範囲で掃き集めていきます。
    ベランダ床材(塩ビやFRP、アルミなど)の上にタイルやウッドパネル、人工芝などを敷いている場合は、大きなゴミまでを手で取り集め、細かなゴミは乾湿両用掃除機で吸い取るのが便利です。

  3. 網戸や窓掃除をするなら、上記掃き掃除の後で行います。さらにその後のタイミングで拭き掃除に移ります。
    水を張ったバケツに薄手の古タオルを浸して絞り、ベランダの物干しや手すりなど高い位置から、窓のサッシや、エアコン、室外機を拭いていきます。
    このとき汚れが黒くベタつく場合は、煤煙(排気ガス)が多く含まれているので、食器用中性洗剤を水に数滴垂らすことで界面活性剤を加えるか、少量のセスキ炭酸ソーダでアルカリを加えると、汚れが落ちやすくなります。
    このタオルで、できるだけ床まで拭き上げます。

エアコン室外機は「ドレンホース」に注目

ベランダ エアコン 室外機 掃除

このとき、「あまり拭きたくないな」と思ってしまう場所が数箇所あるとすると、そのひとつは「エアコンの室外機」から出ている「ドレンホース」(エアコン室内機に溜まった水分の排出口)周りの、オレンジや赤みのある”ヌメヌメ”が乾いたような部分。もうひとつはベランダの排水溝部分ではないでしょうか。

いずれも細菌のかたまり(ヌメリの正体)やカビや泥、ヘドロといった、ベランダのなかでは比較的衛生的に難の多い部分なので、気持ちが悪いのも無理のないことではあります。

エアコン室外機のドレンホース周りは、夏の冷房繁忙期には水が流れ続けてよりヌメリが増えたり、排水の状況によれば蚊の発生源やゴキブリの水場になってしまう場所なので、排水が滞らないように、モノ・ゴミの少ない状態にしておかなければなりません。そのうえで衛生を保つために、以下の手も。

  • ドレンホースの口にゴキブリ侵入防止キャップを装着させる(100円ショップなどでも購入可能)
  • ドレンホースの排水周りに「塩化ベンザルコニウム」200倍水溶液をスプレーしておく(ヌメリ、カビを発生させにくくする。毒性があるので注意して扱う)

いずれも効果があるので、できる人は試してみてください。

ベランダ エアコン 室外機 ドレンホース 排水溝 ドレン排水

ちなみに、インテリアのために室外機に目隠しカバーをつける人もいますが、エアコン室外機は冷房時の排熱機関なので、熱をこもらせてしまうのはあまり良くありません
だから室外機に直射日光を当てないよう「日陰」にすることは、むしろ推奨できます。室外機に近い周囲を覆ってしまうのではない方法で、日の当たらないように工夫してみてください。

ベランピングするなら、「不潔リスク」にも注意

ベランダは屋外なので、害虫の発生などの虫リスクにも注意しておく必要があります。

ベランダをゴミの一時保管場所にしている方も少なくないと思いますが、それに関しての「イニシャルG」(=ゴキブリ)への注意喚起は過去記事を参照してください。

エアコンの”ドレン排水”周りではボウフラ(蚊)の発生。
そして、前述の掃除手順で触れた「枯れた植物の植木鉢」からは、ワラジムシの発生に注意しましょう。

ワラジムシというのは、ダンゴムシに似ているけれども丸まらないのが特徴の、お尻に2本の尾っぽのある青灰褐色の虫です。

ベランダ 鉢 植物 ゴキブリ

 

ベランダに植木鉢やプランターがある場合、その底部や土のなかで発生しやすく、たまに観葉植物などと一緒に家のなかに侵入することもあり、住人を恐怖に陥れます。結構キモチワルイ虫です。
ただキモチはワルイのですが、人に対する害はほとんどありません。薬剤などで殲滅させることよりも発生(繁殖)しにくい環境を作るようにしたいもの。

ワラジムシの食べ物は腐った植物です。つまり、家庭のベランダで枯らしてしまった観葉植物を土ごと数年、子どもが小学校から持ち帰ってきた野菜栽培の植木鉢(腐葉土入り)を数年、といった調子で雨ざらしにさせておくと、どんどん増えてしまうのです(湿気も大好き)。
ランダの排水溝周りに枯れ葉を何年も腐らせているような場合にも、ワラジムシが爆発的に増えてしまうことがあります。ベランピングを楽しむ足元を、カサコソと虫が這いまわっているというのは、あまり愉快な感じではありませんよね……。

「アウトドア感を増す」ため、ベランダにグリーンを取り入れる場合には、ぜひワラジムシ発生防止のためにも枯葉や枯れ枝の撤去をこまめに行うようにしましょう。水受け皿はボウフラの発生源、Gの水場になりカビも生えやすいので、なるべく水を溜めっぱなしにしないように。

ベランダ べランピング

……などなど、いろいろ気をつけることもいっぱいありますが、この夏は格段に居心地のよくなった“自宅から 一番近い アウトドア”=ベランダでのチルを楽しめるといいですね!

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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