育休明けで職場復帰、専業主婦からの再就職など、「この春から働き始める」という人も多いのでは? 仕事に家事に育児に、増えるタスクをこなしていけるよう、限りある時間を効率よく上手に使うための準備を整えて、新しい季節を迎えましょう!
教えてくれたのは
尾石 晴さん
外資系メーカーに勤務する超ハードワーカーから、出産を機に働き方を徹底改革。かつては「ワーママはる」名義で生き方や考え方をSNSなどで発信。多くの女性から支持され、音声メディア「Voicy」の再生回数は4千万回を超える。SNS総フォロワー15万人。
Voicy:学びの引き出しはるラジオ
Instagram:waamamaharu
Twitter:wa_mamaharu
公式サイト:https://haru-oishi.com/
この本が話題に!
人生を自分らしく生きるための方法を、幅広い知識と実体験から提案する尾石さん。
『やめる時間術』
時間の「見える化」「引き算」「足し算」で24時間を思いどおりに。
『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』
40歳前後で多くの女性が突き当たる「壁」を、生き方を考えるきっかけに変える指南書。
「働いて育児もして、なぜそんなに時間があるの?」という質問をよく受けるという尾石さん。でもそこに至るまでは、さまざまな試行錯誤がありました。
尾石 晴さんのこれまで
- 2015年第1子出産、復帰後はワンオペ育児の傍らのフルタイム勤務が心身ともに限界に
- 働き方や家事・育児を見直し毎日1時間半の自分時間を捻出できるように
- 自分時間を活用し、資格や昇格試験にも挑戦し希望の働き方に
- 2020年4月に会社員卒業
- 現在は大学院に通いながら、ヨガインストラクター、Voicyなどで活躍中
時間の見える化と優先づけで、「時間がない」から抜け出せた
「会社員時代は月の残業が100時間を超えるほどの長時間勤務、でも『忙しいのは充実しているから』と思っていたのですが、長男が生まれ、育休が明けて仕事を再開すると生活が一変。保育園の迎えに間に合わせるべく18時に退社、それが周囲からパフォーマンスが落ちたと見られているような気がして自己肯定感も低下。夫の仕事の都合で育児はほぼワンオぺのため、家に帰れば家事育児に追い回され、寝かしつけ後は持ち帰った仕事を片付け、当然、趣味の読書やヨガなど自分時間などなく……。体も心もくたくたになり、『これは時間の使い方を変えるしかない』と、考え直すことにしたのです。
そのためにまず、自分が何にどのくらいの時間を使っているのかを正確に把握することに。例えばちょっとSNSでも見て息抜き、と思っても実際には1時間も見ていた、なんてことは誰にでもあると思います。こうした『よくわからないうちに減ってしまう時間』をなくすため、仕事でも家事でも、何にどのくらい時間をかけたのか、スマホの時間管理アプリや時にはタイマーなども使い、時間を見える化していきました。
次に時間の『引き算』をしました。忙しいとあれもこれも『やらないと』と考えがちですが、お金と同じで時間も有限。何を優先したいのかをよく考え、やることよりも『やらないこと』を決めることで、時間をうまく使えるようになりました。子どもが自分で身の回りのことをできる仕組みを作る、食材は宅配を活用し、夕食はホットクックやオーブンレンジ内の自動メニューだけと決める。ゴミ箱は1つだけにしてゴミ集めの作業を最小限にするなど、効率的に生活を回すための工夫を重ねていき、フルタイム勤務でワンオペでも自分時間を持てるようになっていきました」(尾石 晴さん)
小さなところから「見える化」で、少しずつでも時間は作れる
「8年前からタイパの試行錯誤は始まり、その間に次男も生まれ、その後もブラッシュアップしていくうちに、自分の将来につながることや人生を豊かにするために使う時間を確保する=時間の『足し算』もできるように。その結果、生き方が大きく変わって3年前に会社員を辞め、今は発信業をしながらヨガ講師をやり、大学院に通って好きな分野の勉強もしています。
時間がなくてどうにもならなかった当時からすると、今は自分の思うように時間が使えているいい状態。今時間が実際にない方、今後なくなりそうで心配な方は、いきなりすべてを見直したり変えたりすることはハードルが高いと思うので、まずは24時間のうち1時間だけでも記録をつけてみてはどうでしょうか。小さなことでもまずは気づくことが行動を変えるきっかけになり、時間を生み出すことにつながると思います」(尾石 晴さん)
尾石さん発!
仕事復帰前にやっておくとよい5つのタイパハック!
1 「私じゃなきゃできない!」を減らしていく
「例えば書類や薬など、夫婦どちらも所在がわかるように管理。『私じゃなきゃわからない』をなくし、夫と協力しやすい体制に」(尾石 晴さん)
2 外注サービスなどをお試ししてみる
「家の掃除や子どもの送迎などで外注サービスを検討するなら前もって。頼む内容や相性はどうかなどもわかっておくと安心です」(尾石 晴さん)
3 夫婦間のコミュニケーションをスムーズにしておく
「子どもの行事やお便り、連絡事項などはアプリで共有。コミュニケーションを密にしておくと、ちょっとした頼みごともしやすく」(尾石 晴さん)
4 プランBを持っておく
「子どもが急病になったときなど、緊急時の対応策は2つ以上を確保。もう1つの選択肢があることが安心の担保に」(尾石 晴さん)
5 家の中のものを減らしておく
「ものが多いと管理が難しくなります。子どもが自分で自分の支度や片付けができるように、適正量に絞るのがおすすめ」(尾石 晴さん)
イラストレーション/きくちりえ(Softdesign) 取材・原文/遊佐信子
こちらは2023年LEE4月号(3/7発売)「仕事復帰のためのタイパハック&ツール」に掲載の記事です。
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