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「ゲームとスマホ好きな思春期息子」とのコミュニケーションを復活する方法【佐藤ブゾン貴子さんの顔診断】

  • 佐藤ブゾン貴子

2022.12.21

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「相貌(そうぼう)心理学」とは、フランス発祥の「顔」からパーソナリティーがわかる心理学。輪郭・パーツ・肉付き・左右の非対称・顔のゾーン等を分析し、相手および自分自身を理解するアプローチです。世界で16人、日本人初の相貌心理学スペシャリスト・佐藤ブゾン貴子さんが相談者の「顔」を分析し、解決に向けたアドバイスと前進する勇気をくれる連載です。先週に引き続き「子どもの受験・進路」に関するお悩みを、ブゾン先生がズバリ解決します! 今回の相談者はLEE100人隊TBのこももさんです。
【「子どもの顔」を見れば向いている進路がわかる】 >
佐藤ブゾン貴子さん

今月はフルリモート取材です!

高1長男、将来何を目指したらいいのかわからない

こももさん(以下こもも):高校1年生の長男についてご相談です。無事高校受験を終え、志望校に入学できたのですが、「学校と勉強が面白くない」「めんどくさい」が口癖になってしまっています。ゲームとスマホが大好き、というか、執着がすごくて。制限をかけようものなら、かなり怒られてしまいます。そんなにゲームが欲しいなら社会で働くことを学べばいいと思い、アルバイトを勧めたら早速始めました。お金を稼ぐという目的があるからなのか、きちんと時間を守り真面目に勤務しているようです。今後の進路について光を見いだせないようで、なんとなく「大学に行くんだろうな」というのはわかっているものの、本人は自分に何が向いているのか、将来何を目指したらいいのか、何をどう頑張ればいいのかわからないようです。

佐藤ブゾン貴子さん(以下ブゾン):息子さんは目的意識さえ見いだせれば、ちゃんとできるお子さんですね。一方、学校に行くことへの意味や目的があまり見いだせていないようです。ご両親は息子さんとしっかり向き合っていない、話し合わないとダメです(キッパリ)。親御さんは往々にしてお子さんのためを思って行動しているつもりでも、実は自分の理想や感情をお子さんに押しつけているだけで、お子さんとちゃんとコミュニケーションを取っていないケースがとても多いんです。まず、こももさんの顔を見ると、利き手である右半分が全体的に下がり気味で、ご自身が誰よりもわかってらっしゃるとは思いますが、今の生活に満足していないことが表れています。息子さんが進路に対して無気力な状態を作り出しているのはご両親の責任でもあり、彼だけの問題ではありません。息子さんに全てを責任転嫁しちゃダメです、まずはご自身の問題に向き合って解決しないと。息子さんのことを理解してくれない、毎日の生活に不満を抱えているお母さんに「やりなさい」と言われても、彼にやる気は起こりません。

顔の左右非対称図解

 

こもも:なるほど、そっか……。私、自分の生活に満足していないのかな?

ブゾン:そう、だからまずは「なぜ自分は今の生活に満足できないのか、何を見て見ぬふりをしてきたのか」、そこにしっかり向き合うことが大切です。息子さんは思考ゾーン拡張タイプでかつ、物事を理論立てて考えられることを表す額の三分割がある。その上、思考の実現力を表すこめかみも平らです。つまり自分のことは自分で考えられるし、自分で決めたことならそれを実現する活動能力を持っている、ということ。だからアルバイトすることも自分で決められたんでしょう、賢いお子さんです。息子さんは目に細さが出ていて選択の欲求がとても強いので、自分が認めた人の言うことならきちんと聞きます。さらに輪郭に対して口が小さく、ストレスを溜めやすい傾向が表れています。ストレスを発散する手段としてゲームを楽しんでいるようなので今はまだ良いですが、あまりストレスを溜めると体調を崩してしまうので気をつけましょう。進路についても、息子さんが大学に行くにしろ、大学に行く意義を見いだせず別の進路を選ぶにしろ、こももさんと夫が協力して彼の背中を押してあげる、彼に進みたい道を選ばせてあげることが大切です。

可能性の芽は残しつつ、本人に選ばせてあげる

ブゾン:今の進路はきっと彼の希望に沿ったものではなかったんですね。あくまで親が希望した進路、もしくは親が喜ぶ進路で、自分で臨んで選んで決めた道ではなかったことが考えられます。だから目的意識が見いだせないし、何をしたらいいのかわからない。でも、高校受験ぐらいじゃまだ「自分の人生で何をやりたいか」なんて決まらないものです。だからこそ高校に行って色々な知識を吸収し、それでもわからないから大学という更なるステップで知識を拡げる。それは自分の可能性を拡げることだとい事を、息子さんと向き合って、家族で話し合うことが必要です。息子さんは輪郭が細めのレトラクテで体力量が少なく、それゆえ自己防衛能力も強く働きます。自分で選んだ狭い範囲内でなら自由に動けるけど、そうじゃないと馴染むまですごく時間がかかるタイプなので、何事も彼自身で選ぶことが大切です。そんなに心配しなくても大丈夫、しっかりした息子さんですから。それに目尻が上がっているので意志が強く、こももさんがあれこれ言っても本人が納得しなければ聞かないでしょうしね(笑)。

 

こもも:聞かないですね、聞かない(笑)。今の高校は、2校で悩んで、最終的に願書を出すときに「自分で決めな、事後報告でいいから」と送り出して、本人に選ばせたんですけどね……。今後のあらゆる可能性を想定して、導いてあげるのが大事?

ブゾン:そう。息子さんが今の高校が嫌なら、いっそ辞めて通信制や定時制に通ったり、高卒認定試験を受けたりすることもできますし、いくらでも可能性はあります。例えば昼間はアルバイトしつつゲームのプログラミングの学校に行き、夜は高校に行くとか。でもご両親が息子さんより人生経験の豊富な年長者として、可能性の芽を多く残しておくための方法を提案してあげることが必要です。そこから息子さんに選ばせる。もし高校を辞めたとしても「自分で選んだことなのだから最後までやり遂げなさい」ときっちり伝え、応援してあげましょう。今回を機に、家族でスタートラインに立ち、夫にも協力してもらうこと。子どもは親の全てを見ていますし、やっぱり親にとって自分が一番であってほしいんですね。まだ15歳ですし、人間として当然の欲求ですから。「自分は親に愛されている」「自分のために親が時間を使ってくれている」、それが子どもにとってはとても大事なんです。お仕事が忙しいのかもしれないけど、ちゃんと息子さんに向き合わないとダメです。

彼のための時間、彼だけのための時間を作ってあげる

こもも:向き合っているつもり、話しているつもりだったんですけどね……。自分の部屋に引きこもらないし、家族みんなが集まるリビングにいるから、まあいいやと思っていました。多少は喋るしいいかな、としか思ってなかったです。

ブゾン:それでも生活が成り立つからですよね。「成り立つから、じゃあいいや」じゃダメですよ。とにかくコミュニケーションを取ること。でないとこの先、息子さんはご両親に何も言わなくなってしまいます。夫婦でもしっかり話し合って、夫にも息子さんと向かい合いってもらわないと。それに息子さんの目を見ると、三白眼気味。黒目が目の下に着地しておらず、上を向いていて、うつろな感じになっています。これは心が疲れている、心痛があることの表れです。このままだと、自分の想像の世界に心の安住を求め、現実との接点を失いがちになりかねません。息子さんに何か迷いがあるなら相談に乗り、彼がこれからの未来を自らの手で選べるように後押しする。そのために息子さんとこももさんと夫と3人で話し合いましょう。

三白眼図解

こもも:息子がどうしたいか、何をしたいか?

ブゾン:そう。高校を辞めるのも一つの手段ではあるけど、息子さんにとって何が正しくて何が正しくないのか、本人が考えること。そして「親としては将来の可能性の芽を取っておいてほしい」と話し合う。彼のための時間、彼だけのための時間をちゃんと作ること。



大事なものを目の前にしたら、それ以外は横に置く

こもも:難しいですね、ちゃんと話してくれるかな? なんかすぐスマホ触るんですよね……。

ブゾン:それもちゃんと説明しないとダメですよ。「今、大切なことを話したい、これから続くあなたの人生のことを。いつまでもママもパパもいるわけじゃないから、しっかり話したい。スマホよりあなたの人生の方が大事でしょ? スマホとあなたの人生、どっちが大事? 今、選びなさい」と、本人に選ばせる。これまでスマホをいじりながら喋ることを許してきてしまっていたから、それを良しとしちゃうんです。何かをしながら彼に向き合ってきた、つまりは自分の意識は他に向いているのに、息子さんに向いている風を装ってきたのが今までなら、ダメです。だって息子さんもこももさんと同じことをやってるだけだから。

LEE100人隊TBこももさん

こももさんの顔を見ると、利き手である右半分が全体的に下がり気味で、今の生活に満足していないことが表れています(スマートフォンの自撮りモードで撮影のため、左右反転しています)

こもも:うん、そうですよね、スマと仕事、物は違えど同じですね。

ブゾン:そう、スマホだろうと仕事だろうと、大事なものを目の前にしたら、それ以外は横に置く姿勢を相手に見せる、やっているフリはダメ!「今、ママもパパも仕事よりも何よちもあなたのことを優先して話をしたい、見て見ぬふりはもうしない、向き合ってきちんと話し合いたい。だからあなたも、スマホよりも大事な自分の今や将来の話を優先して、スマホに逃げない、スマホは置く」、それを伝えること。息子さん、説明してわからない子じゃないから大丈夫、だからこももさんもお手本を見せないと、息子さんに選ばれるように。

「世の中の全てを敵に回しても私は味方だよ」と伝える

ブゾン:お子さんの姿は親御さん自身の姿の反映だから。よくお子さんについての悩み相談を受けますけど、結局は親御さんの問題。これからが本番、もう一度家族でスタートラインに立ってみては。受験についても、息子さんはしっかり考えて選べる子だから、選ばせてあげて、信じてあげる。彼には「どうせ」は使わないこと!「応援しているから頑張りなさい」と。親御さんはいつでもお子さんの一番のファンであり、応援者であるべき。でないと自信が持てないですから。

こもも:信用してあげないとですね。だってお互い「どうせ」を使っちゃうから。

ブゾン:「世の中の全ての人を敵に回しても、私は味方だからね、何をやっても信じているからね」と息子さんにきちんと伝えてあげること。そうしたら彼、すごく頑張りますよ。息子さんとのコミュニケーションを怖がっちゃダメ。でないと、最後まで息子さんのことを怖がらなきゃいけなくなります。それに、自分に落ち度があるから怖いのです。こももさんは感情ゾーン拡張タイプ、かつ、横顔の前面と後面の分割比が1:1で想像力が豊か。それゆえ根も葉もない根拠をもとに人の気持ちを勝手に考えやすい傾向があります。目がパッチリしているから、視覚から入る情報にも影響されやすい。目から入る情報で、勝手にストーリーを作ってしまうんです。でもそれが現実なのか妄想なのかしっかり見極めないと、自分自信の首を絞めることになります。息子さんに関しても、外から見える行動だけ見て、内面を想像しちゃダメ。それはこももさんの中の勝手な想像の息子さんでしかないから。だから息子さんとコミュニケーションをきちんと取って、しっかり本人に聞いて答えをもらうこと。

LEE100人隊TBこももさん

こももさんの横顔を見ると横顔の前面と後面の分割比が1:1で、豊かな想像力の持ち主であることがわかります(スマートフォンの自撮りモードで撮影のため、左右反転しています)

こもも:わかりました、頑張ります!

こももさんアフタートーク

佐藤ブゾン貴子さんとの面談が終わってから、まだお聞きしたこと、行った方がいいことについては、なかなか進んではいないのですが…。

私の気持ちや行動、考え方が少し変わった気がします。息子に対して、ムキになっていたり、どうしても誘導しがちだったところがあったように思うんですが、それがまずは

①どうしたいか聞く
②私の意見は先に言わない
③彼が決定するまで待つ

自分で決めたことに対しては、進んで行けるとブゾンさんから教えて頂いたことで、彼自身のことを信じ寄り添えるようになったように思います。

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https://lee.hpplus.jp/column/2328692/

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イラスト/つぼゆり 取材・文/露木桃子

佐藤ブゾン貴子 Sato Bouzon Takako

相貌心理学スペシャリスト

相貌心理学スペシャリスト、1975年生まれ。アパレルの勉強のため渡ったフランスで相貌心理学に出会い、世界で16人、日本人初となる相貌心理学教授資格を取得する。帰国後は相貌心理学の顔分析を用いてセミナー、講演、メディア出演など、多角的に活躍。近著には『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)『ビジネスは顔が9割』(祥伝社)がある。問い合わせはhttp://a-cura.net/bouzon/まで。

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