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LIFE

津島千佳

温泉×アート! 子供と一緒に楽しむ『道後アート2016』〔後編/平面作品編〕

  • 津島千佳

2017.01.21

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日本最古の温泉、道後温泉によるアートイベント『道後アート2016』。今年度は画家の山口晃さんとのコラボレーションで数々の作品を展示しています。立体作品を紹介した前編に続き、後編では道後温泉にある各ホテルや旅館に飾られている、山口さんの代表作をお届けします。

リラックスしながら大広間で鑑賞できる道後温泉本館

子供が作品に粗相をしたらどうしよう、と小さな子供がいるママはなかなか美術館に行けませんが『道後アート2016』の『ホテルギャラリー』の作品は展示場所に合わせたレプリカ。しかも各地に散らばっている作品がまとめて見られるのもいいですよね。

平面作品は道後温泉本館からスタート。本館には2つの大広間の休憩室に作品があります。

1つめは55畳の広々とした空間が気持ちいい神の湯二階席。

img_0173こちらでは3機の飛行機が飛ぶ『成田国際空港 飛行機百珍圖』を展示。遠くからだと黄色い雲の中に飛行機が飛んでいるようにしか見えませんが、近づくと……。

img_0181飛行機が透けて中が見えていたり、空港らしき場所に着陸しようとしているのかな、など様々な想像が膨らみます。

霊(たま)の湯二階席は、和モダンなライトが素敵な空間。

img_0191こちらには『丁字配行形柱』、『子の字引留行形柱』、『一服電柱』の3つ絵画を軸装。山口さんの好きな電柱を描いているのが共通しています。

img_0188電柱の途中で入浴しているおじさん、電柱の麓でお茶を点てている茶人とくすりと笑えるモチーフが散りばめられています。

※道後温泉本館での見学には利用料がかかります。

神の湯二階席/大人¥840、小人(2〜12歳)¥420

霊の湯二階席/大人¥1250、小人(2〜12歳)¥620

ともに営業時間は6:00〜札止め21:00、利用時間は1時間以内

『マリメッコ』元デザイナーの作品も見られるホテル『茶玻瑠』

それでは『ホテルギャラリー』と呼ばれる、各旅館・ホテルに展示されている作品を見ていきましょう。

本館の裏手にあるホテル『茶玻瑠』は、1Fロビーに『階段遊楽圖』があります。

img_0095柱に巻きつけられた絵画は、大きな建物を中心に多くの人たちが自分たちの好きなようにすごしている様子が描かれています。どんなことをしているのか、子供と一緒にじっくり眺めても楽しそう。

また道後温泉各地のホテル・旅館の一室の内装を様々なアーティストがそれぞれらしくクリエーションした『道後オンセナート 2014』で『茶玻瑠』は、愛媛県出身で、30年以上に渡り『マリメッコ』のテキスタイルデザイナーを勤めた石本藤雄さんが担当。北欧らしい大胆な柄のリネンを用いた部屋を現在も見学・宿泊ができるほか、ホールには石本さんデザインのファブリックが展示されています。

img_01062017年2月中旬には石本藤雄さんのギャラリー『MUSTAKIVI(ムスタキビ)』が松山市内にオープン予定。『道後アート2016』と一緒に巡っては。

※『ホテルギャラリー』は見学料無料。

石本藤雄×茶玻瑠の部屋『Suuri Taiga / 大草原』の見学料は¥700、見学時間は12:00〜15:00 のうち15分。宿泊は平日2名1室¥19,440(サービス料込み、入湯税¥150別)

■『MUSTAKIVI』

愛媛県松山市大街道3-2-27 ロープウェイ街 美工社ビル1〜B1F

営業時間:10:00〜19:00



男の子が好きなそうな絵がたくさん

本能寺の変を起こす前夜の明智光秀たちの夕食風景を描いた『最後の晩餐』は、『ホテル葛城』のフロントにあります。

img_0111神妙な表情の光秀に、小人の武士がいたり、ワイングラスを傾ける人がいたり、光秀の複雑な心境を描いている風に受け取れました。

黒川紀章さんがデザインした建物がモダンな『道後舘』の1F喫茶ラウンジには『厩圖』が飾られています。

img_0119厩に集まる人と馬を描いていますが、よく見ると馬!? メカ!? 男の子が好きそう。

道後温泉一の老舗旅館で、皇室の方もご宿泊された『ふなや』。1500坪もある広大な庭園『詠風庭(えいふうてい)』にある離れに『武人圖』があります。

img_0159趣ある庭園とともに展示されているのは、メカを中心にしたドローイング作品群を障子に出力したもの。

img_0160ペン画と水彩で構成されていますが、ペン画の方が山口さんの精緻なタッチがよくわかります。※ホテル葛城、道後舘、ふなやの『ホテルギャラリー』は見学料無料。

直筆の襖絵が間近で見られる!

『道後アート2016』の中で唯一直筆があります。それは『ホテル椿館』の『今様物の具吹寄せ』。山口さん直筆の襖絵で「本物の持つ迫力ってすごい…」と思わされます。

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©YAMAGUCHI Akira, Courtesy Mizuma Art Gallery

見学だけでなく、宿泊も可能! うちは子供が小さくてヒヤヒヤしそうなので諦めましたが、小学生くらいになっていれば子連れで泊まってみたかった〜!

※『今様物の具吹寄せ』は見学料¥1000。2018年1月14日(日)までの展示で、見学時間は 11:00~14:50のうち30分。宿泊は平日2名1室¥64,800(サービス料込み、入湯税¥150別)

どこも旅館同士の距離が近く、散策しやすいし、足湯も点在しているのでのんびりと巡れました。ひと味違う温泉旅行をしたい、四国に行ってみたいけど行くチャンスがなかった親子は、この機会にぜひ出かけてください。

■『「街歩き旅ノ介 道後温泉の巻」山口晃 道後アート2016』

日本最古の温泉にアートを取り入れ、新たな道後温泉の魅力を発信するアートフェスティバル。

道後に縁の深い夏目漱石の没後100年、小説『坊っちゃん』発表110年となった2016年は、メインアーティストに山口晃さんを迎え、夏目漱石が“よそもの”の視点で『坊っちゃん』を書いたように、山口さんも“よそもの”視点で道後を描く。絵画や立体・建築的手法、インスタレーションなどで、見慣れた街の風景を少し不思議に見せる作品たちが街に出現する。

2017年8月31日(木)までの展示。

津島千佳 Tica Tsushima

ライター

1981年香川県生まれ。主にファッションやライフスタイル、インタビュー分野で活動中。夫婦揃って8月1日生まれ。‘15年生まれの息子は空気を読まず8月2日に誕生。

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