黒川登紀子さんの作品展

先日うつわ萬器さんで開催された、ガラス作家　黒川登紀子さんの作品展。初日の抽選（今の時代にはなかなか珍しい往復葉書のスタイル。久しぶりに万年筆を使い丁寧に文字を書きました）、運良く当選しお邪魔する機会に恵まれました。（当日は酷暑。電車での移動と、長時間のマスクがしんどいなぁと思っていましたが、夫が車を出してくれて助かりました）

お店に伺ったのは遅めの時間帯でしたが、ガラス越しに色とりどりの作品が並んでいるのが見え、あればいいな…と密かに期待していたモノも♡思い切ってお邪魔して良かったです。

500点ほどあったという作品の大方が売れてしまったとのことでしたが、まだまだ素敵なガラスがたくさん。眼福を噛み締めながら、手持ちの器を頭の中で思い返しつつ、お店のスタッフの方と器に合うお料理（主にお酒のおつまみ）について、あれこれ相談するおしゃべりも楽しく、つかの間ながら心ときめくひと時となりました。

また、一緒の時間にお買い物をされている皆さんが、自分では思いつかない器の組み合わせを楽しまれている様子を拝見するのも、展示会ならではの楽しみだったりします。

ニュアンスカラーを中心に選ばせていただきました。

黒川登紀子さんの作品と言えば、なんと言ってもその多彩な色彩が魅力なのですが（今回もピンク、グレー、グリーン、ブルー、パープル、ホワイトなどなど多彩なガラスがたくさんで目移りしてしまうほどでした）、わたしはあまりカラフルな器を上手く使いこなせる自信がなく、今回も結果的にシックな色に落ち着きました。（あれこれいいなと眺めても、大抵は第一印象で惹かれたものに戻るようです）

食卓に新しい風を吹き込んでくれそうな鮮やかな色使いのガラスの中でも、今回特に気になったのか乳白色や優しいパステルグレーの器。黒川さんの繊細な色使いに魅せられました。ポタージュスープが映えそう、焼き菓子を載せて自宅のあのコーヒーカップに合わせたらきっとステキ…など（妄想で終わりましたが）、あれこれ想いを巡らせ愉しみました。

その1  冷酒を愉しむ　酒器

ひと目見てそのラインの美しさと、三角コルクの組み合わせにはっと惹かれ、一番最初に手に取ったのがこちらの酒器。

いくつかある中でも少しずつ微妙にフォルムが違いましたが、スッとした緩やかなくびれが持ちやすいこちらを選びました。黒川さんの作品は耐熱ではないと伺っていたこともあり、最近好んで呑む日本酒を冷酒で愉しむ専用です。贅沢！

取手の真鍮も素敵なアクセント。

三角コルクも珍しいですよね。

妄想テーブルコーディネート。

黒塗りの漆盆に、古い志野焼や安藤雅信さんの器をあわせて。グラスは仙台にいた頃、光原社で毎年夏に開催されていた森永豊さんの展示会で少しずつ集めてきた吹きガラス。しっくりと手に馴染むサイズ感、おおらかなデザインは使い勝手も良く、我が家で使わない日はないくらいのお気に入りです。テーブルクロスも確か光原社で買い求めた芹沢銈介さんの型染めで、涼やかな色使いがこの季節によく合う、夏に出番が多い一枚です。

あれこれ器どうしの組み合わせを考える、こんな時間がたまらなく楽しい〜

その2  深いブルーグレーの平皿

夫婦でお酒を嗜むのですが、週末はお酒に合うおつまみや一品を作ることが多く、この季節は特に冷製のお料理を好んでよく作ります。この深いブルーグレーの平皿には、鯛のカルパッチョとか、桃モッツアレラなんか合いそう！と食卓での様子がぱっと頭に閃きました。ただチーズとクラッカーをのせるだけでも雰囲気5割増です♡

無花果が出回り始めると、秋の気配ですね。まだ香りも甘さも控えめだったので、白和え風のおつまみにしました。冷水希三子さんのレシピを参考にしてます。この日は久保田の千寿を冷酒で。素敵な酒器のおかげですいすい〜っとすすんでしまいました。

その3 アッシュグレーのリムのある深皿

こちらはニュアンスのある色に惹かれた作品。シックで落ち着いたダークカラー（グレーのような、カーキのような）は手持ちの器との相性もよく、光の入り具合で、雰囲気が変わるのがまた面白いです。おっとりとしたフォルムも素敵で、リムが太めなのが何ともチャーミング。

スタッキングも出来ます。

ある日のおやつ。ヴァニラのババロア+白桃をさっと煮てピュレにしたソースをあわせて。果物の中でも特に好きな桃。旬のうちにたくさん楽しみたいと思います。

コロナ禍になってからは作家さんの展示会に足を運ぶこともしばらく遠のいていましたが、やはり素敵な作品を実際に見て、触れることで感じる高揚感は特別な時間でした。今回ご縁を結んでいただけたことに感謝です。

素敵な器のおかげで、暑さのためやや下降気味だったお料理のモチベーションも若干ですが上向きに。残暑もしばらく続きそうですが、日々の食卓をより楽しく、美しく愉しんでいけるといいなと思います。

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