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必要な保険・いらない保険

【保険を見直し】共働き家庭、夫・妻・子の保険の選び方は? 節税も!

  • LEE編集部

2020.01.18

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保険のイロハがわかったところで、いよいよ実践!

4タイプの家族の保険を、オフィスバトン「保険相談室」代表、後田 亨さんが診断。切れ味鋭いジャッジ、ぜひ参考に!

この記事は2019年11月7日発売LEE12月号の再掲載です。


プロがLEE世代の保険を診断!
Case 1.|夫・妻・子の共働き家庭・・・保険の見直しで節税も

・妻 山田マキさん(仮名)32歳:会社員、夫36歳:会社員、息子3歳
・家:賃貸
・手取り年収 妻:320万円、夫:480万円
・総資産:1300万円

結婚・出産を機に保険に加入した"王道夫婦"。今気になっているのは、働けなくなったときの保障(就業不能保険)。がん家系という夫は、がん保険に、妻も医療保険に3代疾病保障をつけるなど、治療費への関心が高い。「ほかに必要な保険があるのでは?」と、今回の診断を希望。

死亡保険(掛け捨て)
死亡一時金1000万円 保険期間:2016年~2039年 月額1600円
医療保険(掛け捨て)
入院日額5000円 保険期間:終身(2016年加入) 月額3000円
がん保険(掛け捨て)
がん治療月額10万円 入院日額5000円 通院日額5000円
保険期間:終身(2016年加入)月額1400円
月額6000円
医療保険(掛け捨て)
入院日額5000円 がん先進医療5万円 保険期間:2016年~2046年 月額1900円
3大疾病保障保険(掛け捨て)
がん診断100万円 保険期間:2016年~2024年(毎年更新) 月額600円
年金保険
死亡保障金額600万円を60歳から10年間、毎年60万円
保険期間:2014年~2056年 月額1万2500円
月額1万5000円
学資保険
2034年から50万円を5年間
死亡保障は既払込保険料相当を一時金として給付
保険期間:2017年~2035年 月額1万500円
月額1万500円
総保険料・・・月額3万1500円
会社員は公的保障が手厚いので、妻の保険は検討の余地ありです

後田さんCHECK!
先進医療=効果がしっかり証明されていない医療です

後田 おふたりとも公的な保障が厚い会社員で、預貯金もしっかり積んでいらっしゃるので、民間の保険の必要性は下がります。

えっ!そうなんですか!?

後田 特に医療保険は不要だと思います。高額療養費制度があるので、自己負担額は限られていますからね。ご主人の収入だと、自分で払うのは月9万円程度。保険会社からそれと同額の9万円受け取るには、月々の保険料がかかるので、預貯金から出したほうが賢明だ、と考えてほしいです。

 でも、入院中の食費や雑費がけっこうかかるようだし、休職となったら収入も減るだろうし。むしろ、就業不能保険への加入を考えていたくらいで。

ケガや病気で休業したら公的な保障を受けられます

後田 食費や雑費は入院していなくてもかかりますよね。休職にしても、会社員なら傷病手当金が給付されますし、会社によっては付加給付が受けられます。まずは会社の制度をしっかり調べてみましょう。案外、公的保障だけで十分と思えるかも知れませんよ。

でもうちはがん家系で・・・

 親が闘病中、治療費が高かった記憶があるので、なんだか不安で。

後田 医学は進歩し、入院日数も減っています。医療関係者の証言や、保険会社のアンケート調査などによると、がんでも社会復帰を果たすまでの医療費は、50万円程度に収まることが多いようです。

初診から職場復帰までのがん治療費は50万円程度が多いよう

 でも、先進医療は保険適用外で、数百万円かかるとも聞きますし……。そう考えると、保険に入っていたほうが安心な気がします。

後田 保険適用外ということは、実効性を証明するデータが不足しているということなので、先進医療目的での加入は疑問です。先進というより、実験的な医療なのだと認識してほしいです。

「先進医療」=「効果がしっかり証明されていない医療」です

 そうなんですね。ほかの保険はどうでしょう?

後田 死亡保険は、残してOKですが、老後資金準備であれば、元本割れ期間が長い奥様の年金保険は解約し、確定拠出年金を利用するほうが、効率的だと考えます。会社に制度はありますか?

 はい。僕は限度額の2万3000円まで利用しています。

 私も、限度額までではないですが、やってはいます。

後田 それなら、浮いた保険料で、確定拠出年金を限度額まで利用してください。掛金が全額所得控除になり、所得税も住民税も軽減できます。そのメリットだけでも、利用する価値はありますよ。

 

後田さんの診断まとめ

死亡保険と学資保険以外は解約すれば、月の保険料が2万円ほど浮きます。それを使って、妻も確定拠出年金を限度額まで利用すれば、税金が軽減しますし、老後の蓄えも期待できますよ。

診断後の感想
保険を"変える"ではなく、"いらない"という発想がなかったので、常識が180度変わりました。 特に、先生の「保険は安心のためではなく、資金調達のため」という言葉に納得です。勤務先の制度もきちんと調べて、それを補う形で保険を見直したいと思います。

 

老後のお金は「個人年金」より断然!「確定拠出年金」

自助努力で年金を作るために国が定めた制度が確定拠出年金。

企業型DCと個人型DC(iDeCo)があり、いずれも60歳まで掛金を積み立て、投資信託などから自分で商品を選んで運用。60歳以降の受給額は、掛金や加入期間、運用成績によって変わるが、掛金の全額所得控除や運用益の非課税、受け取り時の税制優遇など、節税効果は抜群。

運用益に対しても非課税なので、投資信託などリスクのある商品で運用し、相応のリターンを狙うのもよいと思います。

ただし、ある程度投資について学んでから、行うようにしてください。
※確定拠出年金については、LEEwebでも多数記事で取り上げ中。過去記事をご検索ください。


イラストレーション/カツヤマケイコ 取材・原文/村上早苗
この記事は2019年11月7日発売LEE12月号『あなたにとって「必要な保険」×「いらない保険」』の再掲載です。

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