収入が増えない時代、せめて税金が安くなるとうれしいですよね。明日11日からは「税を考える週間」。
私たちにもできる節税方法のひとつが「医療費控除」です。妊娠・出産や保険がきかない歯の治療、不妊治療などで多額の医療費を払った人が確定申告をすれば、控除を受けられて払い過ぎた税金が戻ってくるというのがそれ。ただ、従来の医療費控除は、年間に支払った医療費が10万円以上(所得が200万円未満の人ならその5%以上の金額)でないと受けられませんでした。
でも2017年1月からは、それに加えて新しい控除の仕組み「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」が始まります(2021 年12 月31 日まで)。簡単に言うと、年間で1万2000円を超えるOTC 医薬品(スイッチOTC 医薬品)を購入した場合、超えた金額分の税金を安くしてくれるという制度。OTC医薬品とは、医師に処方される医療用医薬品を、ドラッグストアで購入できるように転用(スイッチ)した一部の医薬品のこと。2017年からは薬のパッケージにこの税制の対象になるというマークがつく予定なので目印にして。
対象となる薬は、風邪薬、胃腸薬、解熱鎮痛剤、花粉症用の鼻炎薬や目薬など、普段よく買うものも多いのです。ただし、この制度を利用するには確定申告が必要なので、買った時のレシートは必ず取っておきましょう。
これまでの医療費控除か、新制度か片方しか使えない
どのくらい税金が軽くなるのでしょう。
薬代は家族で合算できるので、全部で2万円分のOTC 医薬品を買ったとすると、1万2000円を引いた8000円分が税金からの控除対象となります(ちなみに上限あり、年間8万8000円まで)。厚生労働省のHPでは、年間所得400万円で所得税率20%の人なら、所得税が1600円、住民税が800円、合計2400円税金が軽くなると例を挙げています。ちなみに所得と年収は違う意味ですが、年収800万円くらいで子どもと専業主婦のいる家庭は、この計算とだいたい同じと考えていいでしょう。
なお、注意する点もあります。まず、従来からあった医療費控除とダブルでは使えないということ。医療費が多くかかった年は、従来の制度のほうが節税額が大きくなるかもしれないので、計算して比較することが必要です。また、この制度を使うには「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行うこと」が必要とされていて、特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診のどれかを受けていることが条件に。
一番大事なことは、確定申告するということ。税の還付を受けるには、ただじっと待っていてもダメ。自分から税務署に伝えなければいけないのです。敷居が高そうですが、確定申告シーズンになると国税庁のホームページに専用サイトができるので、あまり怖がることはありませんよ。
ちなみに、平成28年分の確定申告からマイナンバーの記載と本人確認書類(マイナンバーカード、または個人番号が記載された通知カード+運転免許書などの身分証明書)が必要になるので、注意を。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。