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福島綾香

子どもの育脳には「親も一緒に楽しむ」&「鉄分補給」!生活の中で無理なくできる年齢別アイデア【セミナーレポート】

  • 福島綾香

2021.11.11

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「育脳」のために、大それたことは必要なかった!

全国の育児中の皆さま。本当にお疲れさまです。3歳になりたての息子の「イヤ!」「なんで?」「自分でやる!」に翻弄され続け、毎日ヘトヘトの筆者です…。

近ごろ時に耳にする、子どもの脳の発達を促す「育脳」という言葉。意識したことはありますか?
私としては「毎日の育児・仕事・家事だけで精一杯!そんな難しいことまで考えていられない!」というのが本音でした。

そんな中で参加する機会をいただいた、株式会社 明治主催のオンラインセミナー『脳科学と栄養の専門家に学ぶ、1歳からの育脳』。

「忙しい毎日でも、簡単に取り入れられるポイントが少しでもあったら…。」そんな希望を抱いて参加しましたが、ありました、私でも気軽に実践できそうな“育脳アイデア”!今回はその内容を共有させていただきます。

生まれてから、子どもの脳はどう発達していく?

2名の専門家 細川さんと瀧先生

(左)一般社団法人ラブテリ 代表理事 予防医療コンサルタント 細川モモさん 、(右)東北大学加齢医学研究所 臨床加齢医学研究分野教授 瀧靖之先生

脳科学と母子栄養それぞれの専門家から、子どもの脳の発達の仕組みや、育児のポイント、必要な栄養などについて学ぶ今回のセミナー。

まずは、脳科学の専門家である瀧先生より「生まれてから、脳はどうやって発達していくか」「それぞれの段階で獲得しやすい能力や、何をすることが脳に良いのか」というお話がありました。

◆産まれてすぐ:目を見てギュッと抱きしめるなどの愛着形成が大切。脳発達のベースに。

◆生後半年〜2歳:母国語発達のピーク。どんな本でもいいので、たくさん読み聞かせを!

◆2〜4歳:知的好奇心が発達する「なぜなぜ期」。図鑑などで多くのことに興味を持たせ、本の世界と外の世界を行き来してあげるとベスト(電車好きなら駅、虫好きなら野山に行くなど)。

◆3〜5歳:全身・手先ともにたくさん運動することで、脳の海馬(記憶を司る領域)が発達。楽器の演奏も有効(遊びでピアノに触れるなどでもOK)。

◆8〜10歳:英語にふれると◎。読み書きはもっと後でもいいので、まずは聞かせてあげること。

…いかがでしょうか。意外と「もうやってる!」「これならできそう」というポイントもあるのではないでしょうか?

子どもの好奇心を伸ばすことが“育脳”に繋がる

スライド 模倣の重要性
印象的だったのが、子どもの好奇心を育てるには「親が一緒に楽しむのが良い」ということ。例えば図鑑を一緒に読んだり、楽器を一緒に弾いてみたり…。能力の獲得はマネすることから始まるので、大人が一緒にやる・率先して楽しむ姿を見せることが大切なんだそう。

思い浮かんだのは、私が数年前に張り切って購入して以来、半ば放置されたわが家の電子ピアノ…。今は息子のおもちゃと化していますが、「私もまた少し練習して、一緒に弾いてみようかな」なんて思うきっかけになりました。

そして、同じく有用なのが「アウトドア体験」。同じ場所でも、季節や天候によって出合う景色が変わり、好奇心や想像力の発達に繋がるそう。
気張ってキャンプ場に行かずとも、ちょっと外へ出掛けるだけで十分とのことなので、密にならない外遊びやお散歩をもっと楽しみたいなと思いました!

子どもの好奇心を伸ばすことが、脳の発達=育脳に繋がると思うと、3歳息子の「なんで?」ももっと大切にしていきたいですね(余裕がない時は難しいのですが…)。



脳の発達に重要な栄養は「鉄」!

スライド 脳において鉄が重要である理由
続いては、母子栄養の専門家である細川モモさんから、子どもの脳の土台をつくる栄養についてレクチャー。

大切な栄養素はたくさんありますが、中でも大切なのが「鉄」
脳に酸素を運ぶヘモグロビンや、学習・記憶・運動・睡眠などに関わるモノアミンの材料になる鉄は、脳の発達においてとても重要なんだそう。

しかし、2〜5歳の子どもの4割近くが貧血の疑いがあるという先行調査もあり、親も鉄の必要性を理解していても、特に何もしていないケースが多いのだそうです。

とはいえ毎日3食、鉄たっぷり、バランスのとれた食事を作るのは至難の業…。

そこで、おかか、ツナ缶、肉そぼろ、鮭フレーク、冷凍しらす、レバーのフレーク(ハンバーグに混ぜると◎)、鉄分強化のヨーグルト…こういった手軽でストック可能な食材や、フォローアップミルクを上手く使って、鉄を補給していきましょう!とのお話でした。
さすが2児のママでもある細川さん。現実的なアドバイス、とても参考になります…!

スライド 鉄を多く含む食材

動物性タンパク質に含まれるヘム鉄のほうが、植物性タンパク質に含まれる非ヘム鉄よりはるかに吸収率がいいそう。ビタミンCと一緒に摂ると、鉄の吸収率を高められる

そして、子どもだけでなく、鉄の重要性はママにとっても同じ。生理の量が多い人は1日16g、普通の人でも1日10gの鉄が必要なんだそうです。

私自身、産前から健康診断では貧血気味と診断され、妊娠中も常に鉄剤を飲んでいた万年貧血タイプ。まずはツナ缶や鮭フレーク、鉄分強化のヨーグルトあたりから取り入れて、子どもと一緒に鉄補給していきたいと思いました。

日々の生活の中で、家族みんなで無理なく“育脳”

参加した現役ママの、普段の子どもの様子

参加した現役ママの、普段の子どもの様子。このような「手先の運動になるブロック遊び&想像力を育むごっこ遊び」、「膝の上に座らせ、好きな絵本を読んであげる」ことも“育脳”になっているそう

「親も一緒になって楽しみ、子どもの好奇心を伸ばすこと」、そして「脳の発達に必要な鉄の摂取を意識すること」

大それたことをしなきゃと構えずに、まずはこの2つから少しずつ意識してみようかな、と思うことができたセミナーでした。

ちなみに瀧先生いわく、「“この時期にこれをやるとベスト”というのはあっても、逃したら手遅れというわけでは決してありません。大人になっても、脳はダイナミックに発達することがわかっています。“何歳になっても好きなことをする”のは、将来の認知症リスクも下げてくれます。家族で楽しめることが見つかれば、子どもとの愛着形成はもちろん、夫婦円満にも繋がりますよ(笑)」とのことです!

また、株式会社 明治からは、9月下旬に液体タイプのフォローアップミルクが発売されました。調乳不要で利用できるので、鉄補給のためには、こちらもとても便利そうだなと感じました。

バタバタの毎日、できない日ももちろんありますが、家族みんなで無理なく“育脳”取り組んでいけたらいいですね。

福島綾香 Ayaka Fukushima

ライター

宮城県仙台市出身。夫、息子(2018年9月生まれ)と3人暮らし。これまでフリーペーパー、旅行情報誌などの編集を経験。趣味は食べること、旅行、読書、Jリーグ観戦。

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