私のウェルネスを探して/OURHOME Emiさんインタビュー前編
【OURHOME Emiさん】子どもの独立を見据え、40代で中古戸建てを購入・フルリノベ。「最短コースの家事動線」を実現できた納得の理由
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LEE編集部
2026.08.22 更新日:2026.08.24

今回のゲストは、整理収納アドバイザーで『OURHOME』を主宰するEmiさんです。Emiさんは大学卒業後大手通販会社に入社、整理収納アドバイザー1級の資格を取得し、その後双子を出産。会社を退社後の2012年に『OURHOME』を開業します。現在は夫とスタッフ50名と共に会社を運営し、ライフスタイル全般にまつわるグッズやオリジナルウェアを販売しています。これまで出版した著書は22冊、最近は生き方・暮らし方の本も出版し注目を集めています。
前半では最新著書『10年先のわたしをつくる、家と時間』(集英社)について話を聞きます。双子のお子さんが高校生になり、仕事も暮らしも安定してきた40代、Emiさんは中古の戸建てを購入し住み替えを決意しました。物件決定からリノベーション完成までたった1年半ほどで新居を完成。そこには「10年先、どんな人生を送っていたい?」という問いへの答えがありました。(この記事は全2回の第1回目です)
50代を見据えた時「ここじゃないかもしれない」と住み替えを決意
Emiさんがマンションから戸建てへ住み替えしようとした理由、それは友人の新居探しを手伝って物件を見ているうちに「私も引っ越しをしたい」という気持ちが湧き上がってきたのがきっかけでした。また10年後を思い描いた時、以前のマンションだと叶えられないことがあったことも理由にあります。
「子どもが中学生になった頃から塾やスポーツで帰宅時間が遅くなり、生活のリズムが崩れ眠りが浅く、しっかり睡眠が取れなくなっていました。前のマンションだと睡眠環境が整わなかったこともあり、この先の50代を見据えた時、“ここ(この家)じゃないかもしれない”と思ったこともきっかけです。健康だからこそ家に住めるし家族と過ごせるし仕事もできる。暮らし替えは必要な変化だと思いました」

10年経つと生活が変わり暮らし方が変わります。子どもがいればなおさらで部屋の使い方や家具の配置は子どもの成長に合わせて変化しますが、ある程度大きくなると固定化します。子どもが高校生になったEmiさんも同じで、そのタイミングで住み替えができたことで家づくりに迷いがなかったと言います。
「子どもが小さい時は家具の配置を工夫したりガードをつけたり、和室があったほうがお世話がしやすいかもと悩んだり。リビングに子どものおもちゃや本棚スペース、衣類の収納があったりと成長に合わせて変化します。今は置き場所が明確になり、夫との暮らしも20年近くになってくると家族の持ち物や必要なものもはっきりしています。だから作りやすかったというのもあると思います」
誰かがお風呂に入っていると洗濯ができない、洗面所が混雑&散らかりやすい等悩みを解決する「最短家事動線」
リビングには家族それぞれ趣味グッズがありくつろぎのスペースに。子ども部屋も個々にありますが、子どもが大きくなった今も子どものものをリビングに置くのは、どんな意味があるのでしょうか。
「子どもたちが自分の部屋に戻るのは勉強する時と寝る時くらい。わが家は自然とみんながリビングに集まるんですよね。夫は“1階に子ども部屋があると部屋から出てこなくなってしまうのでは?”と心配しましたが、本人たちも“そんなことはないよね〜”という感じだったので子ども部屋を1階にしました。そもそも家を作る時にイメージしていた“人が集まる家にしたい”というのは、家族もですが友人も集まってほしいなと思って。リビングに置いたギターや漫画は、子どものためだけではなくうちに来た友人や子どもの友人が弾いたり読んだりしてもいい。児童館や学童センターみたいな感じでみんなに使ってほしいという思いですね」

新居にはEmiさんが得意とする家事動線のテクニックが詰まっています。キッチンから洗濯機置き場、浴室、洗面がぐるりと回遊できる動線、キッチンは使ったものが0歩でしまえる収納配置、洗濯の洗う・しまうの動きも最短コースに考えられています。その中で特に注目したいのが、高校生のお子さんがいる家庭ならではともいえる工夫。「スポーツで汚れた衣類を洗いたいのに誰かがお風呂に入っていると洗濯ができない」「高校生がいると洗面所が混雑&散らかりやすい」などの悩みをすっきり解決しています。
「朝晩2回の洗濯がいつでもできるように洗濯スペースを洗面&脱衣所と分けました。洗面の混雑緩和のために扉をつけずオープンなスペースにし、水栓はダブルに。身支度のアイテムが多い娘には、引き出し収納にしてポイポイ片付けできるように工夫しました。動線は前のマンションでうまくいったことをそのまま転用しました。キッチンから洗濯コーナーまで一直線で行けるのが使いやすかったので引き続き採用。その他にも良かったことを書き出して、前の家を越える家を目指しました。読者の方からは“家事動線が神すぎて笑っちゃいました”という声もあり嬉しかったです」




家づくりに迷うことはあったけれど「とっても貴重な経験になりました」とEmiさん。今回の家づくりでは、ふだんから困りごとを解決するのが好きな性格が本領発揮。新しいことが始まる期待もあり、楽しい時間だったと振り返ります。
「前に住んでいたマンションでは困りごとがなくなってしまい、実は困りごとに飢えていたとも言えます(笑)。困ったことを解決するのが好きな私としては、ゼロから作るよりもリノベーションのほうが好きなんです。窓位置が決まっている・水回りが固定とか言われるとハードルが上がってワクワクしちゃう(笑)。うまくできたら人にシェアして、それが他の人の参考になり考えるきっかけになります。解決することで情報がアップデートされ、新しいものづくりのきっかけになったり、新たな問題を生み出すことにもなります。そのサイクルが楽しいんですよね。小学生の頃に引き出しの中の整理が上手にできて“お母さん見て!”っていうのと、何も変わっていないんですよね」
双子育児&会社勤めの両立に悩み起業したものの、結局仕事に追われ…
Emiさんが『OURHOME』を起業したのが2012年。その時は現在のような形になることを想像しておらず、仕事と育児の両立に悩んだ末、保育園を辞めずに仕事を続ける方法として選んだのが起業でした。
「双子育児&会社で働くことの両立ができず苦しんでいました。仕事を辞めると保育園を辞めなくてはならない。当時通っていた保育園がすごく好きで子どもも楽しく通っていたので辞めたくない、私自身働き続けたい気持ちもある。そのためには保育園に次の会社の勤務状態が分かる書類を3ヶ月以内に提出しないといけない。 “じゃあ開業届を出そう”と『OURHOME』をスタートしました。当時すでにブログでDIYや整理収納の発信をしていたので、それを仕事にしながら双子のお迎えも18時に行ける。それができたら理想的だと思いました」

起業後は順調に仕事が増え、以前の勤務先から受けていた仕事もあったため、気づいたら飽和状態に。夜遅くまで仕事をして睡眠不足や体調不良になった時期もありました。
「息子が3歳の時、私が開いていたパソコンをぱたんと閉じたんです。これはいけない、と思いました。独立して自分で仕事量をコントロールできるはずが何をしているんだろうと反省しました。仕事の時間を決める、睡眠をしっかり取る、働き方をきちんと決めようと思いました。私の中では前の仕事を続けたかったのに自分のせいで続けられなかった気持ちがあり、以前の勤務先への申し訳なさがあった上、退職してからも毎月のお仕事をいただけていたので“もっとやらなきゃ!みたいな気持ちが強かったと思います。焦って仕事をしていたかもしれません」
家族は「陸上のレーン」みたいなもの。それぞれのレーンの間に白線があり、線を超えないように走る
現在高校生になった双子のお子さんたちとの関係は良好。同世代の思春期・反抗期のお子さんを持つ方に向けてアドバイスをお願いすると、こう答えてくれました。
「私は家族のことを陸上のレーンによく例えます。4人家族には4人それぞれのレーンがあって、間に白線があって線を超えないように走っています。ペースを合わせて走ることもあるし、“ちょっと先に行くね”という時もある。白線から手を出したら失格、他の人のレーンに立ち入ったり心配しすぎて成長の邪魔をしてはいけないと思っています。お母さんだから・親だから何かしてあげなくてはという考えはなく、私ができることは“大人になることは楽しいよ”とただ見せてあげること。それが大人の役割だと思います。酸いも甘いも含め人生のすべてですね。ああしたほうがいい、こうしたほうがいいと言うほどおこがましいことはないと思っているんです」

生きることは暮らすこと。10年先はどんな生活をしていたいか、想像しても分からない人もいるかもしれません。Emiさんの生活や考え方をのぞくと、そのヒントがもらえるような気がします。
「同世代の方もそうですが、今子育てで忙しくされている方は『10年先のわたしをつくる、家と時間』を読んで頂くと、この先にこんなことがあるんだと思えて今を大事にできると思うんです。早く子どもが大きくなってほしいと願っている人、今しんどい思いをしている人。だけどすぐに子どもは大きくなり、のんびりした夕方が過ごせたり、自分の時間が過ごせるようになります。この先に楽しいことがいっぱい待っているし、40代50代もきっと楽しいものになるはず。10年先を考えると、今の時間の使い方が変わって来るよということを伝えられたらいいなと思います。働きたいけれど働けない、という人はその気持ちがあるならいつでも働ける準備をしておくこと。家でできる準備もあります。あとはその波が来た時にいつでも乗れる自分でいることが大事だと思います」
(後編につづく)
My wellness journey
私のウェルネスを探して
OURHOME Emiさんの年表
1981
兵庫県生まれ
2004
大学を卒業、大手通販会社・千趣会に入社。インテリア収納用品の開発を担当
2006
結婚。築25年の賃貸マンションに住み、DIYにハマる
2008
ブログ『OURHOME』をスタート。整理収納アドバイザー1級を取得
2009
男女の双子を出産。産休・育休に入る
2011
職場復帰
2012
会社を退社、独立。自宅で『OURHOME』を開業
2013
初の著書『OURHOME~ 子どもと一緒にすっきり暮らす~』(ワニブックス)を出版
2014
NHK『あさイチ』初出演
2015
夫と一緒に仕事を始め、法人化。オンラインショップをスタート。兵庫・西宮北口に「くらしのレッスンスタジオ」設立&オフィス移転
2019
「OURHOMEアトリエ」をオープン
2020
スキンケアとリラックスウェアのブランド「&ourhome」リリース
2021
OURHOMEビル、オープン
2022
会社設立10年
2024
今日から変わる わたしの24時間』(大和書房)、『伝え方ひとつで変わる わたしの毎日 気持ちがスッと届くコツ82』(大和書房)を出版
2026
『10年先のわたしをつくる、家と時間』(集英社)を出版(22冊目の著書。累計発行部数は68万部に)

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