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【更年期を乗り越えて】「仕事に邁進しすぎて心身のケアがおろそかに」料理研究家 藤井恵さんのゆらぎヒストリー

  • LEE編集部

2025.02.18 更新日:2025.04.09

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心も体もゆらぐ、私たちのトリセツ

【藤井恵さんの更年期ヒストリー】

【藤井恵さんの更年期ヒストリー】

更年期にどんな症状が出るのか、どれほどしんどいのか、不安に思う人も多いはず。そこで、50代後半の先輩にインタビュー。自身の更年期体験を振り返り、余すところなく語ってくれました。

Index
  1. 【藤井恵さんの更年期ヒストリー】
  2. 仕事に邁進しすぎて、心身のケアがおろそかに。もっと早く自分の体を見つめ直せていればと思います
    1. 藤井 恵さん
  3. 全身の湿疹に苦しめられ家族にイライラをぶつけたことも
  4. 長野に通って湿疹が快方に。自然に触れることで心も休まる
  5. 肩こりも感じないほど麻痺していた自分の体と向き合う時間を
  6. 40代前半からイライラが増え、更年期がスタート【藤井 恵さんの更年期ヒストリー】
    1. 40代前半
    2. 48歳
    3. 54歳
    4. 55歳
    5. 56歳
    6. 57歳
    7. 58歳
  7. 藤井 恵さんの【更年期ケア&習慣】
    1. 長野の空を眺めて、心が穏やかに
    2. ストック食材でできる朝の定食
  8. #わたしケアLEE はじめます!
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仕事に邁進しすぎて、心身のケアがおろそかに。もっと早く自分の体を見つめ直せていればと思います

藤井 恵さん

58歳

藤井 恵さん

料理研究家

料理研究家、管理栄養士として雑誌、書籍、テレビなど幅広い分野で活躍中。多数の著書があり、新著『働きながら家族のごはんを作るために〜わたしが伝えたい12の話』(大和書房)も好評。

全身の湿疹に苦しめられ家族にイライラをぶつけたことも

40代の頃は仕事が忙しく、更年期を自覚する暇もなかったという藤井さん。ただ、もともとそこまで感情の波はなかったにもかかわらず、40代前半からイライラすることが増えたのだそう。

「イライラの矛先は主に夫に向いていて、言い合いになることがたくさんありました。原因はほとんど覚えていなくて、おそらく大したことではなかったんですよね。夫は結婚してから何十年も家事をまったくしなかったので、何も手伝ってくれないことに腹が立ったり、片付けていないものがあるとカチンときたり。高校生〜大学生ぐらいだった娘たちと、他愛もないことで大ゲンカしたことも。当時は更年期なんて考えもせず、あまりに無防備で……。病院にも行かなかったので診断は受けていないのですが、あれが更年期の始まりだったんじゃないかなと感じます」 

48歳頃には全身の湿疹に苦しめられることに。仕事にも影響するようになり、次第に追い詰められていきます。

「足から始まった湿疹がじわじわと全身に広がり、手湿疹もできるように。ひどいときは、手全体が荒れて皮がぼろぼろと落ちて、爪がはがれてしまったこともあり、手が写る仕事なので、ものすごく落ち込みました。ちょうどその頃、私の母に認知症のような症状が出ていて、仕事の後にお見舞いに行ったり、呼び出されたりすることもあったんです。この時期はいろいろと重なり、今振り返ってもものすごくしんどかった……。そんな状態でも、あまり心配する様子がない家族に、さらにイライラが増して。夫には、私が今どれだけつらいのかを訴え続けました。すると、さすがに大変そうだと感じたのか、夫が家事をやるようになったんです。やりだすといろいろと気がついて、少しでも湿疹がやわらぐようにと、手にやさしい自然素材の洗剤やシャンプーに替えてくれたりして。無理してひとりで抱え込まず、自分の状況や本音をいちばん身近な家族にしっかり伝えることは、すごく大事だなと思いました。娘たちも当時大学で更年期について教わっていたらしく、私に『〝命の母〟を飲んでみたら?』などと言ってくれていたんです。余程、いつも怒っていて不安定に見えたんでしょうね。私自身よりも娘たちのほうがよっぽど私の様子を見て、繊細に感じ取っていたんだなと今は思います」 

長野に通って湿疹が快方に。自然に触れることで心も休まる

湿疹の症状が快方に向かったのは4年前。長野にも家を購入したことが大きな転機になったと言います。

藤井 恵さん

「東京の自宅にあるキッチンスタジオで仕事をしていると、1週間ほとんど家を出ないなんてことも。空を見上げたり、桜の時期にお花見をするなんてこともありませんでした。ところが、少なくとも月に1回、長いと10日間ほど長野に滞在するようになってからは、自然を見ながら季節を感じて、空気がおいしいといった当たり前のことを楽しめるようになって。さらに、水がきれいで、長野の水道水で家事をするだけで、湿疹もよくなっていったんです! 同じタイミングで、18年続けていたテレビ番組の仕事を卒業したことも大きかったですね。収録にその前のリハーサル、テキストの撮影などもあり、やりがいはありましたが、ずっと気が張っていたんだなと。東京で仕事をしているといつも不眠で、撮影がうまくいくかなどいろいろなことが気になってあまり寝られなかったのですが、長野に長期滞在して仕事から離れると、少しずつ眠れるようにもなりました」 

ほかにも、できる範囲で更年期対策をとることで、今では体調が安定。

「2年前に『更年期ごはん 心と体がラクになる食べ方の工夫』という本の製作をきっかけに、自分の体内でどのぐらいのエクオールが産生できるのかを検査したんです。その後、大豆イソフラボンを含む大 製薬のサプリメント〝エクエル〟を飲み始めて、体調が落ち着いてきた気がします。また、それまでは仕事で体を酷使しているので動く気になれなかったのですが、適度な運動は必要だと感じて、1年前からフィットネスジムに通うように。リンパマッサージにも行くようになり、できるだけ体をほぐすように努めています」 

また、食事の重要性についても、身をもって感じているそうです。

「ひとつだけ言えるのは、私は更年期だと自覚していなかった時期も、食事だけはしっかり食べていたんですね。だからこそ、不調があっても、何とか仕事をしながら乗り越えられたのかなと。昔は野菜中心でしたが、発酵食品やたんぱく質を足したり、最近は納豆や豆腐、蒸し大豆などの大豆製品がマスト。食物繊維、鉄分、カルシウムもしっかりとっています。加齢や体の変化に合わせて、必要な栄養素を年々プラスしていっている感じですね。おすすめは、朝食で外食ではとるのが難しい栄養価が高い食品を食べること。わが家ではどんなに忙しくても、朝だけは家族全員が揃って、しっかり朝食を食べるようにしています」 



肩こりも感じないほど麻痺していた自分の体と向き合う時間を

これから更年期を迎えるLEE読者には「自分の体を見つめ直す時間を早めにとって」と藤井さん。

「私は本当に自分の体と向き合うのが遅かったので、もっと早ければまた違っていたかもしれないなと思います。それこそ閉経も、多忙な中でだんだん生理の間隔があいていったので、はっきりいつだったのか覚えていないほどなんです……。ずっと体が麻痺していて、肩こりで体がガチガチに固まっていることも、最近ようやくわかるようになったほど。たくさん無理をしてきてしまったなと感じます。時には、丁寧に体を触って労ったり、鏡で全身を見たり。自分の体をきちんと見つめて、向き合う時間を持つことは、早いうちからやっておくといいのではないかなと思いますね」

藤井 恵さん

40代前半からイライラが増え、更年期がスタート【藤井 恵さんの更年期ヒストリー】

藤井恵さんの更年期ヒストリー

40代前半からイライラが増え、更年期がスタート。最もつらかったのが、全身に湿疹ができた48歳。生活環境、仕事、運動習慣などを見直し現在は穏やかに。

40代前半

家族にイライラすることが増える。子宮筋腫があり、生理中の経血量が多く

48歳

足から始まり、手、顔にまで湿疹ができる

54歳

長野の別宅に通うようになり、湿疹が快方に。18年間続けたテレビ番組出演を卒業 

55歳

生理周期がまばらになり、閉経

56歳

『更年期ごはん』の製作をきっかけに、“エクエル”を飲むように。リンパマッサージに通うようになる

57歳

フィットネスジムに通い、運動を始める

58歳

心身ともに落ち着き、今後は食物アレルギーの対策を

これで症状がやわらぎました

藤井 恵さんの【更年期ケア&習慣】

長野の空を眺めて、心が穏やかに

長野の空を眺めて、心が穏やかに

「自然を楽しむことを思い出させてくれた、長野の空。東京では下ばかり向いて生活していたのに、長野では『空がきれい』と何度言ったかわからないぐらい。心が穏やかになり、不調も少しずつですが改善しています」

ストック食材でできる朝の定食

ストック食材でできる朝の定食

「ある日の朝ごはん。ちぢみほうれん草は一度にたくさんゆでて、きのこも塩ゆでしてストック。このひと手間で朝がラクに。私は食物アレルギー等があるので、今後はアレルギー対策も考えて調理していきたいです」

これから更年期を迎える人&今、更年期でお悩みの方へ

「数々の不調を乗り越えられたのは、食事から栄養をきちんととっていたから。大豆イソフラボン、食物繊維など、更年期に必要な栄養素をプラスして」(藤井 恵さん)

藤井恵さん

#わたしケアLEE はじめます!

体、肌、心の変化に気づき、不調を感じやすくなる30代、40代。
プレ更年期・更年期と言われる症状が気になったり、肌がゆらぐことが増え、スキンケアを見直したくなることも。
そこで、体を労わるためのケア方法を知ることができて、不安を共有できる場所になればと、「#わたしケアLEE」プロジェクトが発足しました。
家事や育児、仕事など、毎日を忙しく過ごすLEE世代が、自分自身を労われるように、体と肌、心のゆらぎに寄り添う情報を発信していきます。
 

Staff Credit

撮影/砂原 文 取材・原文/野々山 幸(TAPE)

こちらは2025年3月号(2/7発売)「心も体もゆらぐ、私たちのトリセツ」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2025年3月号現在)です。

おしゃれも暮らしも自分らしく!

LEE編集部 LEE Editors

1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
仕事や子育て、家事に慌ただしい日々でも、LEEを手に取れば“好き”と“共感”が詰まっていて、一日の終わりにホッとできる。
そんな存在でありたいと思っています。
ファッション、ビューティ、インテリア、料理、そして読者の本音や時代を切り取る読み物……。
今読者が求めている情報に寄り添い、LEE、LEEweb、通販のLEEマルシェが一体となって、毎日をポジティブな気分で過ごせる企画をお届けします!

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