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心も体もゆらぐ、私たちのトリセツ

今考えると“あの症状”が更年期でした

【大草直子さんの更年期ヒストリー】「今思うと、あれがサインだった」更年期の不調を、どう乗り越えた?

  • LEE編集部

2025.02.16 更新日:2025.02.21

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心も体もゆらぐ、私たちのトリセツ

【大草直子さんの更年期ヒストリー】

【大草直子さんの更年期ヒストリー】

更年期にどんな症状が出るのか、どれほどしんどいのか、不安に思う人も多いはず。そこで、50代前半の先輩にインタビュー。自身の更年期体験を振り返り、余すところなく語ってくれました。

Index
  1. 【大草直子さんの更年期ヒストリー】
  2. 過去には戻れない。今の年齢なりの自分と向き合えばいいんです
    1. 大草直子さん
    2. 『見て触って向き合って 自分らしく着る 生きる』マガジンハウス ¥1650
  3. 周りへのイライラやきつい言葉に自分自身が打ちのめされた
  4. 漢方、サプリ、ホルモン治療……自分に合った対策を見極めて
  5. 43歳での生理の乱れが!大草直子さんの【更年期ヒストリー】
    1. 43歳
    2. 47歳
    3. 48歳
    4. 51歳
    5. 52歳
  6. 大草直子さんの【更年期ケア&習慣】
    1. 週1回のピラティスを習慣に
    2. 貧血と更年期対策にサプリが有効
  7. #わたしケアLEE はじめます!
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過去には戻れない。今の年齢なりの自分と向き合えばいいんです

大草直子さん

52歳

大草直子さん

ファッションエディター・スタイリスト

多くのファッション誌で活躍し、’19年にはメディア『AMARC』を立ち上げ。トークイベントへの出演も多数。著書『見て触って向き合って 自分らしく着る 生きる』では、前向きに年齢を重ねるための大人のTIPSを紹介。

見て触って向き合って 自分らしく着る 生きる』マガジンハウス ¥1650

本音で語るTIPS。更年期への思いも

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周りへのイライラやきつい言葉に自分自身が打ちのめされた

大草さんの更年期の始まりは、43歳。当時は更年期の症状だとは思っておらず「今思うと、あれがサインだったんですよね」と振り返ります。

「28日周期できちんときていた生理が、2〜3日早まるようになったんです。経血量もこれまでと比べてすごく多くなって。当時は困ったなと思いつつ、もともとそんなに少ないほうじゃないし、と何となくほったらかしにしてしまったんですね。その後、経血量の影響か、もともとあった貧血もひどくなり、これまで飲んでいたサプリでは追いつかないほどになりました」 

その後も、更年期の自覚がないままに、さまざまな症状が表れたのだそう。

「47歳頃から寝ている間に体がほてるように。汗をかくというよりはむわっとほてる感じで、目が覚めるんです。すると、これまでぐっすり眠れていたのに、眠りが浅くなってしまい……。ただこれも、コロナ禍だったので、ストレスかなと深刻には受け止めませんでした。ほかにも、胃になって救急車で運ばれて、内臓の乾きを指摘され『これまでの2倍ぐらい水を飲んで』と言われたり、目の乾きや髪質の変化が気になったり。あとは、抵抗力が落ちて膣炎になりかゆみがひどく。何度も繰り返し、通院も続けました」 

そして、最もしんどかったのが51歳の誕生日頃。メンタルの落ち込みがひどく、いよいよ更年期にしっかり向き合うことを決めたと言います。

大草直子さん

「これまで、多少落ち込んでも、矛先が周りの人たちに向くことはなかったのですが、このときは会社のスタッフやアシスタントにイライラして、言葉がきつくなってしまって。身近で信用している人たちのはずなのに『ちゃんとやってるのかな』などと、疑心暗鬼にもなったんです。そんなこと今まで考えたこともないのに、と自分自身にショックを受けて、打ちのめされてしまい……。のちのち婦人科の先生に聞いたら『全部ホルモンのせいだと思っていい』ということだったのですが、当時はまだ理解が追いつかず、すべて更年期が原因だとは思えなかったんですね。自分の性格が悪いんじゃ、度量が狭いせいなのでは、とどんどん落ち込んでしまって。これは、どうにかしなくてはと焦りました」 

漢方、サプリ、ホルモン治療……自分に合った対策を見極めて

あらゆる更年期の不調を、どのように乗り越えたのでしょうか?

「更年期の不調は、何も対策しないで、気持ちで乗り越えられるようなものではないんです。早く適切な治療を受けなければいけないなと、これまでの自分を振り返って痛感しました。私は、最初は漢方から始めて、小林製薬の〝命の母〟をとっていたことも。加齢や症状で効かなくなることもあるので、その都度、選んでいくのがいいと思います。51歳頃にメンタルが落ち込んだときは、それと同時期に、娘の髪を結えないぐらいに手首の関節が痛み、部の激痛もあったので、合成ホルモンによるホルモン治療に踏み切り、飲み薬を服用しました。数日で気持ちの落ち込みがなくなって、疲労感も軽く。かなり効果はあったのですが、反対にむくみがひどくなってしまって。先に服用していた先輩から副作用について教えてもらったこともあり、ホルモン治療は一度見直して、現在は自然由来100%のサプリメントと、経皮吸収されるクリームと別のサプリメントでエストロゲンの補充をして、落ち着いています。ホルモン治療が悪いわけではなく、体に合えば更年期症状が落ち着く方もたくさんいると思います。自分に合った対策を早く見つけられるといいですね」 

自身の経験から「30代、40代でもあれ?と思った不調は見逃さないでほしい」と大草さんは言います。

「私も40代前半の生理周期の乱れやほてりの症状があったときに、婦人科に行くべきだったんです。つい『最近疲れているから』などと言い訳をして、大丈夫だと思い込んでしまう。不調を感じたら、すぐに更年期について相談できる婦人科外来などに足を運んでください。できれば、30代でホルモン値を測っておくのがおすすめ。測っておけば更年期に入って減ってくるとすぐにわかるし、データで客観的に把握しておくことは大事だなと。 

あらためて、更年期の何が不安かというと、情報がないことと、対策法がわからないことが怖いんですよね。実はできることはたくさんあるし、必要以上に恐れることはないと思う。更年期は、特別に大変でも、前向きにとらえることでもなくて〝年齢とともにそこにあるもの〟ぐらいに気負わずに受け止められると、無理がないかもしれません。私はホルモン治療を試したときに、急に気持ちが晴れやかになり、更年期を迎える前の自分に戻ったような気がしたんですね。でも、この感じ方はあまりおすすめしません。もう、以前の自分に戻ることなんて絶対できないし、戻る必要もないんですよ。今の年齢なりの自分と向き合っていけばいいんじゃないかなと、強く思います」

大草直子さん



43歳での生理の乱れが!大草直子さんの【更年期ヒストリー】

大草直子さんの更年期ヒストリー図

今振り返ると、43歳での生理の乱れが更年期の始まり。ほてり、眠りの浅さ、膣炎などの症状があり、51歳で落ち込みがピークに。現在は心身ともに安定。

43

生理周期が乱れ、経血量が増えた。もともとあった貧血がひどくなる

47歳

就寝中のほてり、眠りが浅くなる

48

胃痙攣を起こして倒れる。体内の乾きを指摘される。膣炎になり何度も通院

51

気持ちが著しく落ち込み、これまでなかった周りへのイライラも。手のこわばり、鼠蹊部が痛む。ホルモン治療を行うも、むくみがひどく

52

生理の間隔があき、閉経。自然由来のサプリメントとクリームのエストロゲン補充で落ち着く

これで症状がやわらぎました

大草直子さんの【更年期ケア&習慣】

週1回のピラティスを習慣に

週1回のピラティスを習慣に

「更年期になると骨密度が下がり、足裏のアーチも崩れやすくなるので、転んでケガをしやすく。40代後半からホットヨガを始めて、今は週1回ピラティスを。本当は筋トレもプラスしたほうがいいらしく、検討しています」

貧血と更年期対策にサプリが有効

サプリメント

「貧血がひどくなってからは、ヘム鉄のサプリメントが必須。更年期対策としては、ヤムイモというイモからできる、天然由来100%のサプリメントと、エストロゲンの補充が期待できるサプリメントをとっています」

これから更年期を迎える人&今、更年期でお悩みの方へ
誰にでも訪れることだから恐れることはないけれど、できる対策がたくさんあることは知っておきたい。30代で一度ホルモン値を測るのはおすすめです

大草直子さん

#わたしケアLEE はじめます!

体、肌、心の変化に気づき、不調を感じやすくなる30代、40代。
プレ更年期・更年期と言われる症状が気になったり、肌がゆらぐことが増え、スキンケアを見直したくなることも。
そこで、体を労わるためのケア方法を知ることができて、不安を共有できる場所になればと、「#わたしケアLEE」プロジェクトが発足しました。
家事や育児、仕事など、毎日を忙しく過ごすLEE世代が、自分自身を労われるように、体と肌、心のゆらぎに寄り添う情報を発信していきます。
 

Staff Credit

撮影/砂原 文 ヘア&メイク/杉山えみ(大草さん) 取材・原文/野々山 幸(TAPE)

こちらは2025年3月号(2/7発売)「心も体もゆらぐ、私たちのトリセツ」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2025年3月号現在)です。

おしゃれも暮らしも自分らしく!

LEE編集部 LEE Editors

1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
仕事や子育て、家事に慌ただしい日々でも、LEEを手に取れば“好き”と“共感”が詰まっていて、一日の終わりにホッとできる。
そんな存在でありたいと思っています。
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