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【ロボット掃除機の使い方】吸う&拭くタイプが普及した今、もっと上手く活用する3つのヒント

  • 藤原千秋

2023.11.18

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「ロボット! この散らかった床のものを片付けて、掃除して!」「ピコ! 了解!」

……と言うところまでではないにしろ、自動で床を掃いたり拭いたり掃除してくれる「ロボット掃除機」は、掃除家電として今、だいぶん浸透し活用されています。

一方で、買ってはみたものの使いこなせていないように感じている人も、いるのではないでしょうか?

機能も価格も多様化し、身近な存在になってきつつも決してお安くはない「ロボット掃除機」というもの。どうしたら、もっと上手く活用できるのでしょうか?

モノ・ゴミ・家具が、ロボット掃除機の行く手を阻む…

ロボット掃除機

行っては戻り、進んではまた戻り……という独特にユーモラスな動きで部屋の中を自走して細かなゴミ、ホコリをかき集めてくれる。あるいは水拭きしてくれるロボット掃除機。

面倒な住まいの床面の掃除を、自動で済ませることができてしまう夢のような家電。当然うまく使えばQOLを確実に上げてくれることは間違いありません。

けれども、今ひとつ使いこなせていないケースがあります。そのほとんどは、この「床」に置いてあるモノ(衣類含む)、大きめのゴミ、自走を阻む家具などが常にある状況によると思われます。
もう一つは、案外お手入れ、メンテナンスの必要性が高いせいでしょうか。

「ロボット」はまだリビング床に落ちているブロックを拾いオモチャ箱に片付け、子どもの脱ぎ捨てた靴下と昨日の夜に食べたミカンの干からびた皮を拾い洗面所に持っていくことまではできません。人の手を必要としますし、ある種の心のゆとりや割り切りを必要としているフェーズです。

…という点を踏まえて「ロボット掃除機」を現実的にうまく活用する、3つのヒントがあります!

ロボット掃除機をもっと上手に活用する「3つのヒント」

ヒント1:ロボット掃除機の舞台は洗面所だけ、廊下だけ、キッチンだけ」でもいいと割り切る

ロボット掃除機 寝室

「どうせ動かすなら」とあっちもこっちも、住まいの広域を稼働エリアに設定したくなりますが、雑多なものが存在している空間であるほど、かけ始める前の片付けが面倒で活用できなくなりがちなのです。

ベッドしかない寝室の床だけ吸わせる
掃除しても掃除しても髪の毛が落ちている洗面所だけ掃かせる
油汚れが常に飛散しているキッチンの床だけ拭かせる
というように、かける場所をしぼって割り切りってみましょう。

狭い空間でもしつこくしつこく何周もしてくれる特性のため、手でやる掃除を超えた、想像以上の効果が得られるはずです。

ヒント2:ロボット掃除機は「メイドよりもバディ」にすれば失敗が少ない

いわば召使いとして使うのではなく相棒とするイメージでしょうか。
機種による筋道は尊重しつつ、人の手で片付け、並行してハンディ掃除機やフローリングワイパーなどでも気になる箇所は掃除していくのです。

子どもやペットの落とし物も、人の目と手があれば回収可能。その上で「ロボット掃除機」が走り回れば、部屋の掃き残り、拭き残しも限りなく減らせることでしょう。

留守中にセット、きれいになっているかなと期待して家に帰ったら、子どもの靴下をくわえたまま息絶えていたり、ペットの粗相を塗り広げてしまっていたり……といったトラブルを回避する一つの方法として、ロボット掃除機は「在宅時」かつ「自分も掃除中に一緒に」動かすものとする、という方法があります。

ヒント3:「メンテナンスまで含めて」がロボット掃除機の掃除だと知っておく

ロボット掃除機

ロボット掃除機に限ったことではないのですが、家電は多機能になればなるほど、実はメンテナンスの頻度や難易度が高まるという傾向があります。手間を減らすために手間がかかる、というパラドックスが生じやすいのです。

掃く(吸う)と拭くが同時に可能だったり、Wi-Fi接続したり、スマホアプリと連携して遠隔操作できたり、自動でダストステーションへ行きゴミをダストボックスへ移動させられたり、段差に強かったり落下防止機能に長けていたり……と商品によって搭載されている機能には多様な違いがあります。

それぞれ目新しさのみならず、日々のメンテナンスにどの程度の時間的経済的コストが必要なのかを確認・納得して導入すれば、買った後になっての「思っていたのと違う」という齟齬をできるだけ回避できるでしょう。

水拭きタイプのロボット掃除機は、フローリングでもOK?

逆説的な話にはなるのですが、そもそもロボット掃除機が動き回れるほど床がスッキリした家(部屋)なら、手で掃除機をかけるにしろ、フローリングワイパーをかけるにしろ、床掃除は面倒でも難しくもありません。

ロボット掃除機が動き回れる状態にまでは、手で片づけるだけの余裕が人にあり、そこにプラスアルファの掃き掃除、水拭き掃除を加えるというのがロボット掃除機の存在意義なのでしょう。

ちなみに夏の連載で注目された「フローリング床の水拭き掃除」ですが、拭くタイプのロボット掃除機でも設定通りに正しく行うぶんには、水拭きによるフローリングへの悪影響はさほど気にしなくても大丈夫でしょう。
ただ個人的にはドライモードのまま市販の使い捨てウェットシートを使用する「水拭き」が後始末がラクで好みです。

ロボットだからと完全におまかせできると考えず、ぜひ人とロボット掃除機とで力を合わせることで、その本領を発揮させてあげてください。


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!



藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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