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石川晴美

屋久島でEV車「アウディ e-tron」と脱炭素を考える旅【LEEクルマ女子部ライターレポ】

  • 石川晴美

2023.08.25

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私たちが生活するうえで欠かせない電力。それを使う電気自動車(以下、EV車)についてはLEEでも以前から紹介していますが、「EV車って普及するのかな?」「車を製造する側は持続可能なエネルギーについてどう考えているの?」と疑問に思う人もいるのでは?

その答えにつながるヒントが見つかるかもしれないと思い、ドイツの自動車メーカー アウディ主催の『Audi Sustainable Future Tour』に参加しました。

脱炭素に一番近い島へ

屋久島空港

屋久島は雨が多いと聞いていたものの、滞在中は奇跡的に晴天続きでした!

消費電力のほとんどを、水力発電でまかなっている島が日本にあるのをご存じですか?

その島とは、世界遺産として有名な観光地『屋久島』(鹿児島県)です。脱炭素を実現する先進的な地域として注目されています。

鹿児島県は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目標に掲げており、今回ツアーを企画したアウディも自動車メーカーとしてカーボンニュートラルを目指しています。

今回は「持続可能な社会の実現の重要性について、一人ひとりが考えるきっかけの場を提供する」という趣旨のもと、アウディのEV車『e-tron』シリーズに乗って屋久島を巡るツアーが行われました。

※カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。

Day1はアウディ『Q4 e-tron』に乗り自然と水力発電を学ぶ一日

島内の移動はアウディのEV自動車e-tronシリーズで

アウディQ4 e-tron

Audi Q4 e-tron Sportsback advanced/フロレットシルバーM

アウディ初のコンパクト電動SUV『Q4 e-tron』に乗って、目的地までのドライブを楽しみました。運転席だけでなくすべての席に乗りましたが、どの席でも快適でした。室内は随所にラグジュアリーさもあってゆったりとした空間。緩やかなカーブや高低差のある道でも走りが安定していました。

大自然の中をトレッキングできるヤクスギランド

ヤクスギランドの園内

園内には千年杉やくぐり杉、仏陀杉など、多くの屋久島を代表する杉や、土埋木、試し切りの跡を持つ株や倒木もあり。島の森の歴史を学ぶことができる場所です。コースの所要時間は、30分から210分まで5種類。30分と50分のコースは歩道がある程度整備されています。

まずは屋久島の自然に触れようと、面積270ヘクタール、標高1000メートル付近に自然休養林の広がる『ヤクスギランド』へ。

靴をトレッキングシューズに履き替え、ガイドさんの案内を受けながら30分間コースを完歩。運動不足の筆者には程よく、大自然のなかで良い汗をかきました。樹齢千年以上の『千年杉』や自生している植物に目を向けながら、大自然を肌で感じることができました。

ヤクスギランド 公式サイト

水力発電に欠かせないダムを特別に取材

尾立ダム

1ヶ月の半分以上は雨が降り、水力資源の宝庫と言われている屋久島では、ダムの貯水量(有効貯水量)が約200万トンにもなるそう。

実際に屋久島ではどう電力を生み出しているのでしょうか。次に向かったのは、普段は中へ立ち入ることのできない場所。

電力の源であり、水力発電に欠かせない水がめ、尾立ダムです。

山々に囲まれたダムの大きさにひたすら圧倒され、雄大なエネルギーの源を目の当たりにしました。

屋久島の発電施設を特別に公開!

屋久島のカーボンニュートラルの要である発電施設。写真右の特殊なエレベーターで地下におりました。こちらも普段は一般に公開されていない場所です。

尾立ダムを見学したあとは、いよいよ屋久島電工の水力発電所に向かいます。普段は当然立ち入れない場所ですが、特別に公開されました。

特殊なエレベーターで地中数百メートルまで下ると、水力発電に使うジェネレーターなど多くの機械が稼働していて、それを管理する従業員がいらっしゃいます。普段、当たり前のように使っている電力ですが、どんなにAIやオートメーション化が進んでも、関連した作業をする人間は必要なのです。自然の資源とダムや発電所などで働く方々がいて成り立っていることを、あらためて知るきっかけになりました。

Day2は屋久島の今とサステナブルな未来を語り合う一日

『e-tron 50 quattro S line』に乗って出張授業へ

audi e-tron 50 SLine

走りも内装も装備も『ラグジュアリー』という言葉がぴったりです。Audi e-tron 50 quattro S line/アンティグアブルーM

滞在2日目の最初は、『e-tron 50 quattro S line』に乗り、島内唯一の県立高校 鹿児島県立屋久島高等学校へ向かいました。乗ってみて特に面白いと思った装備を紹介します。それは、オプションの『バーチャルエステリアミラー』です。

小型カメラで捉えた車両後方の映像を、車内のドアOLEDディスプレイに映し出すというもの。運転時の死角になるタイヤ~地面の部分を確認しやすくなります。車庫入れや細い道で曲がるときの脱輪や、障害物の確認にもひと役買ってくれる装備です。

「ふと気がつけばEV車が当たり前になることを目指して」高校生への特別講義で語られたこと

屋久島高校でのアウディ出張授業

体育館に掲げられた校歌の歌詞。山・海・川と、多くの自然に恵まれた島であることが分かります。シェーパースさんや広報チームの講義では、アウディの脱炭素に向けた様々な取り組みも語られました。講義後は、学校入口に並んだ10台の車に生徒たちが乗り込んだり触れる時間があり、目を輝かせながら楽しんでいました。

高校の体育館では、アウディ ジャパン ブランドディレクターのマティアス・シェーパースさんによる出張授業を取材。

テーマは『持続可能な未来に向けたカーボンニュートラルと再生可能エネルギーの活用について』

「(アウディは)2026年から新たに発表するモデルはすべてEV車となる」など、若い世代に対して2030年までの計画も説明。

質疑応答では、生徒からシェーパースさんへ「今後すべての車が電気自動車になると思うか」と投げかけられると、「完全には難しいだろう」前置きした上で、「現金から電子決済にふと気づけば変わっていたように、電気自動車も……」と、夢ではなく、近い将来を想像できるようなやり取りもありました。

ツアーの最後はそれぞれの立場で考える『未来共創ミーティング』

アウディジャパン、屋久島町の未来協奏ミーティング

ミーティングに参加した高校生のみなさんが、しっかりとした考えを持っていて驚きました。屋久島高等学校には他では珍しい『環境コース』があり、島外から入学してきた生徒も多く在校していて、島で生活する生徒たちとの良い化学反応もあるそう。

ツアーのラストには『未来共創ミーティング』が開かれました。アウディ・ジャパン、屋久島町、屋久島高等学校の産官学で実施した、持続可能な未来の実現に向けてのディスカッションを行う場です。

『Audi Sustainable Future Tour』では、「日本国内で再生可能エネルギーの活用において、先進的な取り組みをする地域を『e-tron』で訪問し、地域の行政担当者や事業者、生徒や学生たちとの対話を通じて、持続可能な未来を一緒に考え想いを共有する仲間づくりをしている」とのこと。今回が4回目なのだそうです。

それぞれの立場で行っている脱炭素に向けた活動の説明がありました。

そしてアウディ・ジャパンと屋久島町、正規販売店の株式会社ファーレン九州が包括連携協定を結び、島内に充電スポットの設置『e-tron』のレンタカー事業開始、公用車/社用車としての貸し出しを行う。さらには、屋久島の高校生に未来を考える学習機会を提供することも発表されました

『Audi Sustainable Future Tour』の締めくくりにふさわしいミーティングとなりました。



屋久島旅の個人的な最推しを勝手に発表!

波音日和の部屋の様子

浴室のスクリーンを上げるとオーシャンビュー! 広めのベランダが各部屋にあり、プライベート感を演出しています。宿泊初日の冷蔵庫には屋久島のミネラルウォーター「縄文水」が用意され、ネスプレッソもあります! ベランダで波の音をBGMにモーニングコーヒーを楽しみました。

最推しは、屋久島の海を一望できる絶景の素敵ホテルです(車のことじゃなくてゴメンナサイ)。

今回の宿は、屋久島の自然環境を守るため、SDGsの達成に向けた取り組みを推進しているホテル『THE HOTEL YAKUSHIMA OCEAN & FOREST』でした。全80室のなかで、屋久島の海岸にあたる東シナ海を眺める絶崖に面して建つ『波音日和』に宿泊。

客室のバルコニーに出ると朝日が昇る様子、夜には満点の星空を眺めることができます。登山用具やトレッキング用品のレンタルもできてとっても便利。お土産・売店の品ぞろえが充実しているので、お土産はここで買うのがおすすめです。

THE HOTEL YAKUSHIMA OCEAN & FOREST
〒891-4205 鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦1208-9
THE HOTEL YAKUSHIMA OCEAN & FOREST公式サイト

LEEクルマ女子部員的まとめ

  • 電気自動車は年々性能が上がり、脱炭素への選択肢も広がっている。
  • 「すぐに電気自動車へ買い替え!」とはいかないかもしれないが、買い替えるときは候補に入れるべき。
  • 2030年に向けたアウディの本気を見た。
  • 今後も企業や地域の取り組みに注目することが大切。

車に限らず、日々の生活から一歩ずつ、サステナブルな心掛けや行動を進めていけたらいいですね!

アウディe-tron
【今回試乗した車はこちら】
(写真左)Audi Q4 e-tron Sportsback advanced/フロレットシルバーM
車両本体価格:¥7,010,000~(消費税10%込)※装備オプションの価格は含まず

(写真右)Audi e-tron 50 quattro S line/アンディグアブルーM
車両本体価格:¥10,700,000~(消費税10%込)                                                                         ※現在、Audi e-tronは後継モデルAudi Q8 e-tronにアップデートされています。

アウディ・ジャパン 公式サイト

石川晴美 Harumi Ishikawa

ライター・消費生活アドバイザー

1975年生まれ、湘南在住。自動車業界、消費者センター勤務を経て、ライフスタイル誌ライターに転身。主婦のお悩み解決記事を数々執筆。日々の癒しは、カフェ巡りとアジアドラマとK-POP。

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