20代を芸能界で過ごし、30代からは美容家として一世を風靡した十和子さん。現在56歳。今の姿からは想像できませんが、かつてはひどい肌トラブルに悩んだり、仕事と育児の狭間で揺れたことも。そんな十和子さんが美容とともに歩んだ半生を振り返ります。
君島十和子さん・インタビュー
ひどい肌トラブルに悩んだからこそ健康で美しい肌の価値を知った
年齢をまったく感じさせない十和子さんの美の根源は、透き通るように明るい肌に。この肌の美しさは天性のものではなく、努力で勝ち取ったもの。
「20代前半で日焼けをした後、毛穴の開き、乾燥、くすみなどさまざまな肌トラブルが現れました。女優やモデルの仕事をしているのに、人前に出るのが憂うつになるほど。撮影でも肌のことを怒られたり、自分が着るはずだった洋服をほかのモデルに回されてしまったり。悔しかったけど肌が荒れていたのは事実だから、どうしようもなくて」(十和子さん)
肌の改善を図るものの、当時は美容雑誌もなく、インターネットも普及しておらず、美容情報が乏しい時代。
「口コミで集めた情報をもとに数々の美容方法を試し、昼間はファンデーションを厚塗りして肌をおおい隠す日々。クレンジング剤も今ほどいいものがなく、汚れが残りがちだったので、念入りな洗顔が習慣になりました」(十和子さん)
地道なケアを続けて約3年たった頃、ターニングポイントが到来。
「人から『肌がキレイね』と言われたことが、飛び上がるほどうれしくて! やっと認められた気がしました。それから肌も自信も回復し、仕事も順調に。この経験から『美しさの価値は、肌で決まる』というのが信条に」(十和子さん)
育児中も紫外線対策だけは徹底! 日々の小さな積み重ねが、美の礎に
育児中は美容時間が激減したものの紫外線対策は怠らなかったそう。
「顔はともかく、首や手は後回しになりがちで。ベビーカーで出かける間際、エレベーターを待つわずかな時間に急いで日焼け止めを塗っていました」(十和子さん)
上品な佇まいや一点の陰りもない肌から、十和子さんは完璧主義者で、雲の上の人のように思いがちですが、実は彼女も私たちと等身大の悩みを乗り越えてきていました。
十和子さんの美の歴史は美容のヒントも満載です。
君島十和子さんのBeautyヒストリー
圧倒的な美貌を誇りながら、肌トラブルに泣き、仕事が激減した過去も。美容とともに歩んだ、半生に密着。
【中学生】
初めて口紅を塗った母のドラマティックな変化に感動! 美容への興味が目覚める。
化学物質の安全性に敏感でスッピン主義だった十和子さんのお母さんが、あるとき口紅を塗ってみると、あまりに美しく変貌。それに感銘を受け、十和子さん自身も美容に目覚め、1日3回の泡洗顔が日課に。中学3年生のときには、ティーン誌でモデルデビュー。
【19歳】
航空会社のキャンペーンモデルに抜擢! 約3年間は、小麦色の肌が定番に。
本格的な芸能界デビューのきっかけとなった仕事は、こんがり日焼け肌のキャンペーンモデル。日焼けサロンに通い、ロケ先の南国でもあえて日焼けをするように。肌が小麦色だと顔が引き締まって見え、目も歯も白くきわだって、自分でも気に入っていた。
【23歳〜26歳】
肌の低迷期。紫外線ダメージで肌トラブルが噴出し、仕事にも影響。
紫外線ダメージの影響で、20代前半とは思えないほど肌がボロボロに。仕事でも肌のコンディションを理由に撮影カットを減らされるなど、悔しい経験も多数。美容情報が少ない中、手探りで肌の建て直しを計り、26歳を過ぎてやっと、化粧品の広告モデルの仕事がくるほどまでに肌が回復!
【29歳〜30代】
婚約、結婚、出産。私生活に多忙の日々。
29歳で婚約を発表した直後はマスコミに騒がれて辟易したものの、後から振り返ると、このときの騒動で知名度が高まったことが、美容家として活動する際の後押しに。芸能界は引退し、31歳に長女を、36歳で次女を出産。
【30代~40代】
自身の経験で得た情報を発信。美容家としての仕事を始める。
自らの肌トラブル克服の経験から得た美容方法をメディアで発信。当時は自分の美容を語る著名人は非常に珍しく、一気に注目度がアップ。美容家としての仕事が殺到し、数々の化粧品のプロモーションなどで全国を駆け巡る。
【38歳】
自身のブランド「FTC」を立ち上げ。開発に、営業に邁進。
育児中はスキンケアをするのもままならないほど忙しかったが、その生活が化粧品開発のヒントに。30代前半からアパレルショップの一角で販売していた日焼け止めやミスト化粧水の人気が口コミで広がり、「FTC」として独立。
【45歳】
製品開発に没頭していたら、メディアとしての取材がゼロに。キャリアを立ち止まる。
テレビショッピングへの進出や最新のエイジングケア成分の開拓などに忙しく過ごす。FTCは大きく成長したが、ふと振り返ると、何年も美容家としての活動オファーがなくなっていたことに気がつき、ショックを受ける。
【51歳】
SNSに参入し、美容を発信することを再スタート。
美容の情報発信の場がメディアだけでなく、オンライン上に広がっていることを知り、インスタグラムなどSNSに参入。惜しげなくすっぴんをさらして洗顔方法を紹介した動画や家族との仲睦まじい日常の様子も話題に。幅広い層のファンを獲得。
【56歳】
次女も成人式を迎え、子育ても一段落。ますます意欲的に、美容を楽しみたい。
昨年1月の次女の成人式には、十和子さんがメイクを手がけたことが話題に。これからも美容家や化粧品の作り手として活動しながら、1人の大人として新たな美のステージを切り拓いていく十和子さんから、目が離せない!
次回は、「読者から質問! 今、君島十和子さんに聞きたい、Beauty Q&A『スキンケア編』」をお届けします。
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/黒田啓蔵(Iris) スタイリスト/青木宏予 取材・文/摩文仁こずえ
こちらは2023年LEE5月号(4/7発売)「君島十和子さんのビューティ道」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2023年4/7発売LEE5月号現在)です。
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