「住宅ローン お得な借り方・返し方」低金利だからこそのテクニックがいろいろ!押さえるべきコツ
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2023.04.04
住宅ローンは押さえるべきコツがたくさん。借りようと考えている人も、もう返し始めている人も、ローンともっと上手に付き合えるように!
教えてくれたのは
ファイナンシャル・プランナー
新屋真摘さん
IFA法人GAIA勤務。CFP®。保険会社、FPオフィスを経て、個人相談業務に注力のため現職。著書に『一番トクする住宅ローンがわかる本』(成美堂出版)等。
【諸費用】
手数料や税金が物件価格の3~6%
住宅購入の際に忘れがちなのが、ローン以外のさまざまな費用。「ローン保証料や事務手数料、登記費用、保険料、各種税金などの諸費用がかかります。目安は物件価格のおよそ3~6%で、4000万円の物件なら120万~240万円ほどと意外と大きな金額です。物件が高ければ、それだけこれらの費用もアップします。その他もろもろ含めた諸費用として、ローン以外に物件価格の1割くらいは準備しておきたいですね」(新屋真摘さん)
Q1
\そもそも/
住宅ローン、借りるほうがいいのでしょうか? 借りるメリットは?
欲しいものが先に手に入り、インフレ対策にも。ただし借りすぎには注意!
「住宅は何千万円もの高額な買い物。お金が貯まってから買おうとすると何十年も先になってしまいますが、ローンを借りられれば先に手に入れられます。特に今は超低金利で、中でも住宅ローン金利はほかのローンよりも低めな点もメリットです。またインフレになると住宅価格も上がるので、住宅価格に対してのローン返済額の割合は小さくなります。これからインフレが進むと考えるなら、ローンを組んで住宅を買うことはインフレ対策になるといえます。もちろん、身の丈以上に借りすぎないことが大切です」(新屋真摘さん)
Q2
住宅ローンを借りる場合、適正な金額、返済年数は?
ローンだけでなく修繕積立金など含め、手取りの25%以内が目安
「ローン返済額と管理費、修繕積立金などを合わせた住居費は、理想は手取りの25%以内です。ただ、都市部では住宅価格が高騰してその割合に収めるのは難しい場合もあると思うので、最後まで返せる額かを見極めて考えましょう。ローン完済は、おおむね65歳までを目標に。最初に組んだ段階でその年齢を超えている場合は、繰り上げ返済をしながら65歳を目指せるといいですね」(新屋真摘さん)
Q3
ペアローンで借りる場合に知っておきたいことは?
借入額アップなどメリットも多いが、収入の変化にも対応できるように
共働きが増え、夫婦1本ずつのペアローンを考える人も。「1人の収入では借りられない額でも、2人なら大きな金額を借りられます。団信※1も住宅ローン控除※2も、それぞれあるのがメリットです。ただ転職や出産などによって収入が減っても、同じ金額のローン返済が続くことには気をつけて。例えば、妻の働き方が変わりそうであれば、ローンの借入額を夫よりも少なめにするなど、長い目で見て返済プランを考えましょう」(新屋真摘さん)
※1【団体信用生命保険(団信)】万一のときにローンが0に。合わせて保険の見直しを
「住宅ローンを組むときにセットで入る保険で、ローンの契約者が亡くなったり高度障害を負ったりした場合、残債分の保険金が支払われる生命保険です。最近はがん保障や8大疾病保障付きなど、保障範囲が広いものも出ています。団信に入る=新たに高額の生命保険に入るということなので、ぜひもともと入っていた保険を見直したいですね。保障額、保険料を減らせる可能性が大いにありますよ」(新屋真摘さん)
※2【住宅ローン控除】ローン残高の0.7%の税金が戻る
マイホームでローンを組むと、税金が戻ってくるうれしい制度。「一定条件を満たせば、住宅ローン残高に対して原則0.7%分の税金が戻ります。期間は一般の新規住宅・中古住宅は10年または13年で、物件価格の上限額は、住宅の種類などにより2000万~5000万円です。今のところ2025年まで実施予定。年末のローン残高が3000万円なら、その0.7%で最大21万円の税金が戻ってきて、条件を満たせば、それが10年または13年続きます。繰り上げ返済をするかどうかは、住宅ローン控除のことも考慮して決めたいですね」(新屋真摘さん)
Q4
住宅ローンの審査、何を見ているの?
“返せるかどうか”をチェック! ほかのローンにも気をつけて
「年齢や年収、勤務先、資産などが見られ、確実にお金を返せる人なのかを審査されます。重視されるのが、月収に対する返済額=返済負担率が妥当か。返済額には、奨学金やカーローンなども含まれるので注意。ローンを組める年齢は上がってはいますが、年齢が高くなると病気のリスクもあり、団信※1に入れなければローンを借りられないこともあります。対面の店舗で退職金の有無、60歳以降も働くつもりといったことを伝えることで審査が通ることも」(新屋真摘さん)
※1【団体信用生命保険(団信)】万一のときにローンが0に。合わせて保険の見直しを
「住宅ローンを組むときにセットで入る保険で、ローンの契約者が亡くなったり高度障害を負ったりした場合、残債分の保険金が支払われる生命保険です。最近はがん保障や8大疾病保障付きなど、保障範囲が広いものも出ています。団信に入る=新たに高額の生命保険に入るということなので、ぜひもともと入っていた保険を見直したいですね。保障額、保険料を減らせる可能性が大いにありますよ」(新屋真摘さん)
Q5
頭金はやっぱり2割入れるほうが安心ですか?
あえて頭金を少なめにして、手元の貯蓄を増やす手も
「この2割という数字は、昔の住宅金融公庫が貸すときのルールで、今はマストではありません。ただ『お金がないから、頭金を0にしてローンをフルで借りたい』というのは、身の丈以上の物件価格といえるのでNG。貯蓄がある人なら、今は超低金利なので利息負担が小さく、住宅ローン控除※2もあるので、あえて頭金を少なめにして、たくさん借りるのも選択肢です。その場合はいつでも繰り上げ返済できるように、手元の貯蓄を増やしていきましょう」(新屋真摘さん)
※2【住宅ローン控除】ローン残高の0.7%の税金が戻る
マイホームでローンを組むと、税金が戻ってくるうれしい制度。「一定条件を満たせば、住宅ローン残高に対して原則0.7%分の税金が戻ります。期間は一般の新規住宅・中古住宅は10年または13年で、物件価格の上限額は、住宅の種類などにより2000万~5000万円です。今のところ2025年まで実施予定。年末のローン残高が3000万円なら、その0.7%で最大21万円の税金が戻ってきて、条件を満たせば、それが10年または13年続きます。繰り上げ返済をするかどうかは、住宅ローン控除のことも考慮して決めたいですね」(新屋真摘さん)
Q6
繰り上げ返済、頑張ったほうがおトクですよね?
金利が低い今はメリットが小さめ。手元に置く貯蓄とのバランスを考えて
「超低金利の今はそもそもの利息負担が小さいです。そのため、繰り上げ返済による利息軽減効果はもちろんありますが、それほど大きくはなく、急ぐ必要はありません。特に子育て世代は、親が働き方を変えて収入が減ったり、私立入学で大きな教育費がかかったりなど不測の事態が起こりがち。手元にお金があれば安心感があります。ただし変動金利が大きく上がった場合など、何かあればすぐに繰り上げ返済できるように貯蓄をしっかり進めておくことが大事。手元に残すお金は、一部を運用するのもいいですね」(新屋真摘さん)
Q7
住宅ローンの借り換え、どういう場合におすすめですか?
金利差だけでなく、今は“団信の充実度”も要チェック
「以前は『金利差1%以上、借入期間10年以上、借入残高1000万円以上』が目安でしたが、最近は充実した団信※1が増えたので合わせてチェックしましょう。例えば、万一の死亡時だけでなく、がんと診断されたらローンが半額、または0になるタイプの団信も。毎月の返済額がほぼ変わらなくても、団信による保障がアップすればメリットがありますね。
また、変動金利で借りている場合、金利上昇により毎月の返済額が上がっても返せる人や、貯蓄で繰り上げ返済できる人はいいですが、そうでなければ早めに固定金利のローンに借り換える手も。固定金利のほうが先に金利が上がっていくのが一般的なので、見極めるなら早いほうがいいですね」(新屋真摘さん)
※1【団体信用生命保険(団信)】万一のときにローンが0に。合わせて保険の見直しを
「住宅ローンを組むときにセットで入る保険で、ローンの契約者が亡くなったり高度障害を負ったりした場合、残債分の保険金が支払われる生命保険です。最近はがん保障や8大疾病保障付きなど、保障範囲が広いものも出ています。団信に入る=新たに高額の生命保険に入るということなので、ぜひもともと入っていた保険を見直したいですね。保障額、保険料を減らせる可能性が大いにありますよ」(新屋真摘さん)
Q8
毎月の返済が苦しい場合、どうすれば?
キャッシングに頼るのは厳禁! まずは借入先に相談を
収入や家計の状況が変わり、ローン返済が厳しくなったら焦りそう……。「やってはいけないのが返済を無視したり、住宅ローンより高金利のキャッシングでお金を工面したりすること。まずは借入先の金融機関に相談しましょう。コロナ以降、相談窓口を設ける金融機関も増えています。返済期間を長くして毎月の返済額を下げたり、しばらくは利息のみの返済にしたりと一時的な猶予を考えてもらえるかも。フラット35は民間のローンに比べて条件変更がしやすく、相談にも柔軟に対応してくれます」(新屋真摘さん)
3年以上使わない予定のお金は、投資を考えてみても
超低金利の今、あえて頭金を少なめにしたり繰り上げ返済をしなかったりで手元にお金を残す場合、そのお金を投資するのも一案。「2024年からNISAが新しくなって使い勝手がよくなります。これから先3年以上使わない予定のお金であれば、試してみてもいいですね。0.5%の金利でローンを借りて、運用で手元のお金を年3%増やすことができれば、運用するほうに軍配が上がることも。ただし、投資をする場合は元本割れのリスクもあるので、必ず現金を手元に残しましょう。積み立てによってリスクを分散させるのもよい方法です」(新屋真摘さん)
【特集】住宅ローンの本当に賢い借り方、返し方
イラストレーション/床山すずり 取材・原文/西山美紀
こちらは2023年LEE4月号(3/7発売)「住宅ローンの本当に賢い借り方、返し方」に掲載の記事です。
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