ブラジルへ海外転勤!コロナ禍で延期など「先が見えない状況」も人生のプラスに【駐妻ライター佐々木はる菜の 海外で見つけた「暮らしのヒント」Vol.1】
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佐々木はる菜
2022.06.19
コロナ禍で延期が続き、数年越しの海外転勤
突然ですが私、夫の海外転勤へ同行し、7月に家族でブラジルへ行くことになりました!
LEEwebで記事を書かせていただくようになってから4年以上が経ちます。行き先は地球の反対側ということで戸惑いや不安もありますが、こんな時代だからこそ、今後は海外から「暮らしのヒント」となるような情報をお届けしていきたいと思っています。
でも実は今回の渡航、コロナ禍もあり延期に延期が続いた末のこと。夫は先に現地へ赴任し、私たち母子はいつ渡航できるかもわからないまま日本に残り、2年近く離れ離れの状態が続いていました。しかも、家の荷物は転勤が決まった頃に半分以上海外に送ってしまった状況!先の見えなさや、その中で続く”ワンオペ”子育てに、時に煮詰まることも多々ありました。
さらに海外転勤が決まる前も5年近く、毎年「今年こそ転勤があるかも…」と言われていました。はっきり「いつ」「どこへ」「何年間」かはわからないけれど、いずれ海外に行く…そうなると、子ども達の進学や家の購入、自分の仕事をどうしていくかなど、今後の人生に於いて重要なことほど決めづらく、その「先の見えない日々」が続くことに大きなストレスを感じていました。
今は海外転勤に限らず、先が見えづらい時代の中で不安を感じている方も少なくないと感じます。
日本を離れるまで約1か月となった今、先の見えなかった数年間にどう向き合い、それが今の自分にどんな影響をもたらしてきたかを書いてみたいと思います。
フリーランスライターになった大きなきっかけも実は「海外転勤」
私の場合、いわゆる「出産離職組」でもあり、結婚後はいつ夫に海外転勤の辞令が出るかわからない「駐妻(夫の海外転勤に同行する妻のことを指す言葉)予備軍」だったことなど、ライフステージの変化がフリーランスライターという道を切り拓くきっかけとなりました。
結婚を機に生まれ育った東京を離れ、当時夫が働いていた大阪へ転居した際に会社は退職。自分で積極的に選んだ道でしたし、また働こうとも思っていましたが、その後すぐに長男を妊娠、再び会社勤めをすることはないまま初めての出産を迎えます。関西の生活に慣れた頃に夫の仕事の関係で再び東京に戻りますが、そこで今度は前述の「数年以内に海外転勤がある」という状況になります。
私がふたりの子どもを出産した2012~15年頃は、たった10年前ですが、「一度会社を辞めて専業主婦になったら、会社などに復帰することは難しい」という社会通念が今より強く、また自分の経験からも実際に難しかったと感じています。子どもたちに一所懸命向き合いながらも「もうこのまま子育て以外はできないのかも…」という焦りや不安もあり、その中で少しずつ続けていたのが、結婚前に興味を持って勉強をしていたライターの仕事でした。
先が見えない中での試行錯誤に共感、kindle出版も
もともと「書くことを仕事にできたら」という想いは持っていましたが、私の場合は結婚・出産を経てキャリアなど自分の生き方に迷ったことでライターの道が拓けていったと感じます。
さらに、今ではすっかり定着した「フリーランス」や「在宅メインでの仕事」も、私が始めた頃はまだまだ珍しい存在。そこに踏み切れたのは、一度会社を辞めてしまった上、子育て+海外転勤で再就職しにくい状況だったということが大きく影響しています。
その後、コロナ禍もあり時代が変化したことで、フレキシブルなはたらき方を先んじて始めていたことや、中途半端なキャリアに悩みながらも模索を続け、好きなことを仕事にしていった経緯に興味を持っていただける機会も増えました。2021年9月には、そんな自分の生き方やはたらき方について書いた本をkindleから出版。3カテゴリーでランキング1位をいただき、自分でも驚きました。
長らく先が見えない中で模索してきた自分の背景もあるからこそ、子育てや海外転勤など自分以外の要因で人生が大きく動いた方たちに興味を惹かれ、特に「女性の生き方」について書いていきたいという想いが、自分のライフワークにも繋がっています。そして、子育てや暮らしにまつわる記事に加え、例えば「駐妻」や「ママ起業家」のインタビュー記事や「フェムテック」など、女性をテーマにした取材記事などを多く書かせていただくようになりました。
歩みは遅いけれど、その都度「今できること」に精一杯取り組んできた結果、振り返ってみると「先の見えない状況」や「自分以外の要因で決まったこと」の中に、実は自分にとっての「より良い未来」の種があったと感じています。
昔のイメージと違う?!「令和の駐妻」の実態
ちなみに昔は「駐妻」というと、メイドさんや運転手さんがいて、日々習い事にランチにパーティーに…と悠々自適な生活を楽しむキラキラした華やかなイメージが強かったかと思いますが、取材を重ねる中で実感しているのが、それらは今や過去のものとなりつつあるのではないかということ。
もちろん、日本とは違う海外生活を楽しんでいる方もたくさんいらっしゃいますが、例えば働く女性が格段に増えた令和時代、ご自身が会社を辞め海外へ行くという選択をしたことで「キャリアの悩み」を抱えている女性が増えており、その問題は意外と知られていません。
私自身がブラジルに行って感じた生活や文化の差、発見などについてはもちろんですが、イマドキ駐妻ライフの実態や海外子育てなど様々な切り口で、皆さんの暮らしのちょっとしたヒントにしていただけるような情報をお届けしていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします!
◆以前LEEで、海外転勤や「駐妻」について書かせていただいた記事はコチラ
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佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。