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【洗濯物乾燥、8つの方法】浴室乾燥、寝室干しにもリスクあり!?「洗濯物を外で干せない日の対処法」を専門家が解説!【梅雨問題2022】

  • 藤原千秋

2022.05.21

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天気の良し悪しに関係なく出る洗濯物。洗っては乾かす営みは日々待ったなし!

そんな今どきの洗濯は99%、洗濯機のお仕事ですが、乾燥のほうはどうでしょう。案外、家庭ごと・人それぞれ・季節ごとで、やり方が異なっていたり、迷ったり試行錯誤しがちなのではないでしょうか?

今回は、特に天候に振り回されがち、困りがちな梅雨時の洗濯物の乾燥問題、梅雨時の洗濯物の乾燥問題」。その正解をさぐります!

洗濯の選択肢あれこれ

昔と比べて、現代の「洗濯・乾燥」方法には、たくさんの選択肢があります。

主だったものだけでも、

 ①自宅で洗濯、屋外に干す

 ②自宅で洗濯、屋根のついた屋外に干す

 ③自宅で洗濯、屋内(居室)に干す

 ④自宅で洗濯、屋内(浴室換気乾燥機)に干す

 ⑤自宅で洗濯、ドラム式洗濯乾燥機にかける

 ⑥自宅で洗濯、ガス式乾燥機にかける

 ⑦コインランドリーで洗濯乾燥を行う

 ⑧クリーニング店に洗濯、乾燥、畳みまで外注する

などなど。

これらの中から、お天気や花粉状況、洗濯する衣類の量や種類などにより、すでに複数組み合わせてこなしているという方がほとんどなのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

さて、梅雨時に特に悩まされるのは、布団や毛布のような大物、また繊細なお洒落着といった特別な洗濯物というより、日々の衣類、子ども服、下着、タオルといったものの処遇、その乾かし方ですよね。

王道の①②「洗って、お日様の下に干す!」が叶わなくなる季節。いったいどこで、どうするのがこの洗濯、乾燥の「正解」といえるのでしょうか?

乾燥の正解は「速さ」

そもそも洗濯の目的って、衣類などの洗濯物を適切に洗って汚れを落とし、再び着用する際に衛生的な状態とすることですよね。そのためにも濡れた洗濯物の中で「部屋干し臭」をもたらす雑菌や、洗濯物を黒ずませるカビが繁殖してしまわないように、可能な限り汚れたらすぐに洗うこと、そしてなるべく短時間で乾かすこと、が最大のミッションといえます。

部屋干し臭

つまり洗濯・乾燥の一つの正解とは、ずばり「速さ」。選べる方法のうちで「速く乾く」ものを何より優先することです。

ただしその際、できるだけ衣類の繊維を傷めないように、という視点も無視できません。日々のことなので、コストも軽視できないですし、周囲の環境に及ぼす影響を勘案するいことも大事です。

なので最優先事項を念頭に、リスクとベネフィット、諸々の折り合いをつけながら干し場所、干し方、乾かし方を選び取っていくことになります。

屋内干しのベネフィットとリスク

今どき、もしかすると「お日様の下に干す」より当たり前になりつつある③④の「屋内(部屋)干し」そもそも梅雨でなくても、花粉やPM2.5や黄砂、天候急変、ゲリラ豪雨、それから長雨や曇天、塩害、また防犯目的などによって屋内干しせざるを得ないケースの方が多いのかもしれません。

屋内に洗濯物を干すことによって上記の懸念をクリアすることができる、それが屋内干し最大のメリットです。

ただ一方で、洗濯物から蒸発する水蒸気により家の中が傷んでしまうというリスクがあります。

干す際に衣類から落ちる繊維クズは住まいのホコリになり、湿気と相まって床のみならず壁や天井に付着。またエアコンをはじめとした空調家電のフィルターを著しく汚します

とくに布団やベッドのある寝室や子ども部屋に洗濯物を干すと、寝具がカビたり、ダニが爆発的に増えることにもつながるので、避けなければなりません。布団が湿気を吸ってしまうことに気づかず、「寝室に部屋干しするとよく乾く」というライフハック(?)もあるようなのですが、カビダニリスクの点で、あまりおすすめできません。

屋内干しをする際には、かならず温湿度計を干す空間に設置し、気温と湿度をモニターしましょう。部屋の湿度が50%を切っている日であれば、湿気がこもらないよう24時間換気システムやキッチン換気扇で風の通りを確保した上で干します。ただ湿度60%を超えている環境では、洗濯物をぶら下げているだけ、いつまで経っても乾かないことになりがちです。

湿度の高い日に洗濯物に含まれる水分をすみやかに気化させるためには、除湿機ないしエアコンを稼働させて部屋全体の湿度を機械的に下げることが必須です。いずれの場合も干す際には、エアサーキュレーターや扇風機で洗濯物に直接、風を当てることで乾きが早まります。

部屋干し サーキュレーター

また同じ屋内干しでも、住まいの設備としてある「浴室換気乾燥機」を利用する場合には上記のような部屋や寝具を傷める心配がない反面、温風を吹き出させる際に電気代やガス代がかかる点、浴室換気扇のフィルターがカビなどで汚れている場合にはその汚れが洗濯物に付着するリスクがある点などに注意しましょう。

浴室乾燥

いずれにしても屋内干しについてはホコリ汚れが多く発生します。快適に部屋干しを続け、生活する上では、床や家電のフィルター部の掃除頻度を上げていくことが大切です。



乾燥機のベネフィットとリスク

ドラム式洗濯乾燥機

「ドラム式洗濯乾燥機」利用最大のベネフィットは、洗濯から乾燥までのプロセスをノンストップに、いちどきに行うことができる点にあります。ただこのとき注意しなければならないのは、乾燥まで一気に行う際には、必ず洗濯機の乾燥容量に合わせた洗濯物量にしないといけないということです。

例えば洗濯・脱水容量が12kgで、乾燥容量が6kgのドラム式洗濯乾燥機であれば、乾燥までさせるつもりなら洗濯機に入れる洗濯物を6kgまでにしないといけません。

洗濯・脱水容量である12kgでの洗濯に慣れてしまっている場合、6kgというのは、おそらく相当スカスカであるように感じるはず。でも乾燥容量に合わせないと、何時間乾燥させても乾ききらないことにより、だんだん洗濯物が臭くなってしまうことがあります。

ところで、ドラム式洗濯乾燥機の「乾燥フィルター」の掃除頻度は、基本的に「1回の乾燥につき1回」です(1日1回ではないのがポイント)。とにもかくにも乾燥フィルターは非常に詰まりやすいので、この「1回の乾燥につき1回」の頻度をかならず守るようにしてください。

乾燥機のリスクというか問題には、便利な一方での、この手入れの手間があります。

近年人気が再燃している「ガス衣類乾燥機」の場合、洗濯機から乾燥機に洗濯物を移動させる必要があります。ただ高い温度かつ短時間で多くの洗濯物を乾かすことができ、特に家族数の多い家庭の洗濯ではなくてはならない設備になるようです。

ガス衣類乾燥機

ただいずれも「タンブル乾燥」が不可である衣類には使用することができません。一度、熱で縮んだり変形した衣類はほぼ元に戻りません。入念に洗濯絵表示を必ず確認して、使用することが大切です。

コインランドリーやクリーニング店の利用

前述したように、家庭用の洗濯機は大きい物でも洗濯容量12kg程の容量ですが、コインランドリーの洗濯機の洗濯容量のなかには27kgまでもがあり、家庭の倍以上の洗濯物を一度に洗うことが可能になります。

コインランドリー

突発的に多量の洗濯物が長雨の最中に発生してしまった場合。または日々の部屋干しがうまく回らず洗濯物が滞ってしまった場合。そんなときにまとめてコインランドリーに持ち込み、洗濯乾燥を一気に終わらせ、リセットを図るというのも一手なわけです。

乾燥容量でも16kg程度まで乾燥可能だったりするので、4人家族の2~3日分を一度に処理できることも。その際のコストは概ね1000円前後が目安。

また、通常は溶剤でのドライクリーニングを依頼することの多いクリーニング店に、「ランドリー(水洗い)サービス」をお願いするという方法もあります。洗い、乾燥、畳みまでやってもらえるのが魅力的。一人暮らしの方の利用など年間通してあるようです。

クリーニング店によって設定されている専用のバスケットやバッグの容量に応じて、また持ち込みか宅配かなどによって価格は変わりますが、4人家族の普段着3~4日分程の量で、3000~5000円がこちらの目安になります。

さあ梅雨時の洗濯物、いかに乾かしていきましょうか?

ともあれこの③~⑧の方法を、いかに組み合わせるかが個々の思案のしどころですね。

もしも一つでも未体験の方法があったなら、この機会に一度試してみるのもいいかも知れませんね!


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!

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藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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