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「エアコン今すぐやるべき対策3つ」&「キレイの長続きテク」を紹介!【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

  • 藤原千秋

2021.05.14

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気象庁の予報によると、2021年は5月半ばからだいぶ気温が高くなってしまうそう。高温傾向は真夏まで続き、今年の夏もまた厳しい暑さとなることを覚悟したほうがよさそうです。

エアコンは私たちの生命線。今や必須のインフラといって過言ではありません。そんな今まず一刻も早く取り組まなければいけないのが、このエアコンの運転チェック! そしてニオイチェック、カビチェック!

あっという間に上がってしまう気温下、見つけた不具合は早急に解消する必要があります。カビ対策も夏真っ盛りになる前に。早め早めに手をつけていきましょう。

エアコンの異状、カビを放置するとどんな問題が?

エアコンのカビ対策【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

まず、エアコン(冷房)のしくみをざっとおさらいしておきましょう。エアコンは、蒸し暑い部屋の中の空気を吸い上げ、本体(室内機)内部で、その空気の中に含まれる「熱」を奪います。「熱」は、室外機に送られ、そこから屋外に逃がされます。室内機で冷やされた空気は、部屋の中の空気に戻されます。これが私たちの感じる冷気。そうやって部屋全体の気温を下げていく家電が、エアコン(冷房)です。

さて。このとき室内機内部には、部屋の空気中に含まれていた水分が、結露し、水滴となって張り付きます。この水はドレーンで室外機方面に送られ、チョロチョロ排出されはしますが、この水分に部屋の空気中に含まれるホコリ(の中に含まれるカビの胞子)が合体すると、カビが発生してしまうことになります。

こうやってエアコン内部に生え、増えたカビの胞子は、冷風と一緒に部屋の中に再び舞い戻ります。さらにカビは部屋の各所でも再生産……そうやってカビは部屋とエアコンとの間をグルグル周り続けるのです……。

こうなると、このエアコンのある部屋にいる人は、望まなくてもカビ入りの空気を呼吸してしまうことになります。そのため、カビによる喘息などアレルギー様の症状、なんとなくの体調不良、場合によっては肺炎までを発症しかねない状態になるというわけです。かくもエアコンのカビを放置することは、大きな問題なのです。

今すぐやりたいエアコンチェック&カビ対策

じつはこのようにカビがエアコン内部に蔓延してしまっている状態というのは、ホコリや詰まりなどが生じやすく、エアコンそのものの不具合リスクも高い状態と言えます。

壊れてはいけない時季にエアコンが故障する可能性を減らし、かつカビの蔓延を抑えるため、早め早めのエアコンチェック&カビ対策は必須。その流れをご説明しましょう。

1:まずブレーカー&コンセント&リモコンのトリプルチェック

エアコンのカビ対策【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

住まいのエアコン専用のブレーカーはしっかり「入」になっていますか。同時に、エアコン室内機脇ののコンセントがホコリまみれになっていないかも確認しましょう。コンセント周りのホコリには火災発生リスクがあり、看過できません。もしホコリが付いていたらコンセントを外して周囲をしっかり乾拭きしましょう。また、リモコンの電池が切れていないかもチェックしましょう。

2:エアコン稼働前チェック&掃除

エアコンのカビ対策【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

次にエアコン本体(室内機)の前面パネルを開けて、吸気フィルターの汚れをチェック。ホコリが付いていたらまず先にその掃除をしましょう。

大まかなホコリは掃除機などで吸い、黒いべたついた汚れがある場合(油煙かカビの可能性があります)は、浴室などに持ち込んで中性洗剤+柔らかいブラシでしっかり洗って乾かします。ルーバー(羽)部分の黒い汚れも油煙かホコリかカビなので、除菌効果のあるクリーナーと使い捨てペーパーで目につくところは拭き取っておきましょう。

3:エアコン試運転&ニオイチェック

フィルタを元に戻し、エアコンのある部屋の窓をしっかり開け風が通るようにしておきます。エアコンの電源プラグを挿し、リモコンで運転モードを「冷房」、最低設定温度(だいたい16~18度くらい)にして運転開始します(試運転)。そのまま30分程度は運転を続けましょう。

エアコンのカビ対策【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

このとき吹いてくる風から「嫌なニオイ」「悪臭」「異臭」がしたら……室内機内部でカビが発生している赤信号です。

さらに「異音」や「冷風が出ない」「水漏れのような状態」といった異常があった場合には、すみやかにエアコンのメーカーに問い合わせをしましょう。

エアコン内部クリーニングは自分でもできる?

ずばり、内部クリーニングは自分ではできません。素人に対応できるのは「吸気フィルター掃除(洗浄)」と「ルーバー掃除」までであると心得てください。

エアコンは精密機器です。特に自動清掃機能などが付加されているタイプは機構が複雑です。市販のスプレーなどでの自己流クリーニングは故障の元になるためおすすめできません。

あからさまな悪臭があったり、エアコン購入後3年以上なにも手をつけていない場合などは、相当汚れていると推察できます。なるべくすみやかにエアコンクリーニング専門業者に清掃してもらうことをおすすめします。



清掃の効果を長続きさせるには?

それなりのコストを投じてのクリーニングの後は、なるべく長期間きれいな状態を保ちたいもの。普段の生活のなかで、エアコンを汚さないためのコツは以下のようなものになります。できるところを心がけるようにしてください。

・エアコンのある部屋そのものの掃除(ホコリの除去)をする

エアコンの吸気フィルターを汚さないためにも大切なこと。部屋の普段の掃除のほか、エアコン以外に部屋の空気を吸気する「空気清浄機」などを併用するのも一手です。

・適切な換気

部屋の空気中に浮遊するカビの胞子を減らすためにも24時間換気の稼働(湿気対策)を。自然換気(ホコリ除去効果もある)も大切です。

エアコンのカビ対策【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】

・吸気フィルターの定期的な掃除

自動清掃機能が付いている場合でも定期的なお手入れは必須です。エアコンの取り扱い説明書を熟読して、その機種で推奨される正しいスパンでケアするようにしましょう。

・冷房のスイッチオフ後には必ず乾燥運転させる

エアコン(冷房)稼働時に発生する内部の結露を放置しないことがカビ予防には必須です。近年の機種には「内部クリーン運転」といったモードが搭載されているので、変に電気代をケチらず、冷房運転後は必ずそのプロセスを稼働させるようにしてください。

 

エアコン修理やクリーニングといった依頼は、例年、夏本番に近づくにつれて非常に混み合います。繰り返しますが、快適&安心なエアコン生活のためには、チェック&掃除を、早め、お早めに!


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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