「育脳」のために、大それたことは必要なかった!
全国の育児中の皆さま。本当にお疲れさまです。3歳になりたての息子の「イヤ!」「なんで?」「自分でやる!」に翻弄され続け、毎日ヘトヘトの筆者です…。
近ごろ時に耳にする、子どもの脳の発達を促す「育脳」という言葉。意識したことはありますか?
私としては「毎日の育児・仕事・家事だけで精一杯!そんな難しいことまで考えていられない!」というのが本音でした。
そんな中で参加する機会をいただいた、株式会社 明治主催のオンラインセミナー『脳科学と栄養の専門家に学ぶ、1歳からの育脳』。
「忙しい毎日でも、簡単に取り入れられるポイントが少しでもあったら…。」そんな希望を抱いて参加しましたが、ありました、私でも気軽に実践できそうな“育脳アイデア”!今回はその内容を共有させていただきます。
生まれてから、子どもの脳はどう発達していく?
脳科学と母子栄養それぞれの専門家から、子どもの脳の発達の仕組みや、育児のポイント、必要な栄養などについて学ぶ今回のセミナー。
まずは、脳科学の専門家である瀧先生より「生まれてから、脳はどうやって発達していくか」「それぞれの段階で獲得しやすい能力や、何をすることが脳に良いのか」というお話がありました。
◆産まれてすぐ:目を見てギュッと抱きしめるなどの愛着形成が大切。脳発達のベースに。
◆生後半年〜2歳:母国語発達のピーク。どんな本でもいいので、たくさん読み聞かせを!
◆2〜4歳:知的好奇心が発達する「なぜなぜ期」。図鑑などで多くのことに興味を持たせ、本の世界と外の世界を行き来してあげるとベスト(電車好きなら駅、虫好きなら野山に行くなど)。
◆3〜5歳:全身・手先ともにたくさん運動することで、脳の海馬(記憶を司る領域)が発達。楽器の演奏も有効(遊びでピアノに触れるなどでもOK)。
◆8〜10歳:英語にふれると◎。読み書きはもっと後でもいいので、まずは聞かせてあげること。
…いかがでしょうか。意外と「もうやってる!」「これならできそう」というポイントもあるのではないでしょうか?
子どもの好奇心を伸ばすことが“育脳”に繋がる
印象的だったのが、子どもの好奇心を育てるには「親が一緒に楽しむのが良い」ということ。例えば図鑑を一緒に読んだり、楽器を一緒に弾いてみたり…。能力の獲得はマネすることから始まるので、大人が一緒にやる・率先して楽しむ姿を見せることが大切なんだそう。
思い浮かんだのは、私が数年前に張り切って購入して以来、半ば放置されたわが家の電子ピアノ…。今は息子のおもちゃと化していますが、「私もまた少し練習して、一緒に弾いてみようかな」なんて思うきっかけになりました。
そして、同じく有用なのが「アウトドア体験」。同じ場所でも、季節や天候によって出合う景色が変わり、好奇心や想像力の発達に繋がるそう。
気張ってキャンプ場に行かずとも、ちょっと外へ出掛けるだけで十分とのことなので、密にならない外遊びやお散歩をもっと楽しみたいなと思いました!
子どもの好奇心を伸ばすことが、脳の発達=育脳に繋がると思うと、3歳息子の「なんで?」ももっと大切にしていきたいですね(余裕がない時は難しいのですが…)。
脳の発達に重要な栄養は「鉄」!
続いては、母子栄養の専門家である細川モモさんから、子どもの脳の土台をつくる栄養についてレクチャー。
大切な栄養素はたくさんありますが、中でも大切なのが「鉄」。
脳に酸素を運ぶヘモグロビンや、学習・記憶・運動・睡眠などに関わるモノアミンの材料になる鉄は、脳の発達においてとても重要なんだそう。
しかし、2〜5歳の子どもの4割近くが貧血の疑いがあるという先行調査もあり、親も鉄の必要性を理解していても、特に何もしていないケースが多いのだそうです。
とはいえ毎日3食、鉄たっぷり、バランスのとれた食事を作るのは至難の業…。
そこで、おかか、ツナ缶、肉そぼろ、鮭フレーク、冷凍しらす、レバーのフレーク(ハンバーグに混ぜると◎)、鉄分強化のヨーグルト…こういった手軽でストック可能な食材や、フォローアップミルクを上手く使って、鉄を補給していきましょう!とのお話でした。
さすが2児のママでもある細川さん。現実的なアドバイス、とても参考になります…!
そして、子どもだけでなく、鉄の重要性はママにとっても同じ。生理の量が多い人は1日16g、普通の人でも1日10gの鉄が必要なんだそうです。
私自身、産前から健康診断では貧血気味と診断され、妊娠中も常に鉄剤を飲んでいた万年貧血タイプ。まずはツナ缶や鮭フレーク、鉄分強化のヨーグルトあたりから取り入れて、子どもと一緒に鉄補給していきたいと思いました。
日々の生活の中で、家族みんなで無理なく“育脳”
「親も一緒になって楽しみ、子どもの好奇心を伸ばすこと」、そして「脳の発達に必要な鉄の摂取を意識すること」。
大それたことをしなきゃと構えずに、まずはこの2つから少しずつ意識してみようかな、と思うことができたセミナーでした。
ちなみに瀧先生いわく、「“この時期にこれをやるとベスト”というのはあっても、逃したら手遅れというわけでは決してありません。大人になっても、脳はダイナミックに発達することがわかっています。“何歳になっても好きなことをする”のは、将来の認知症リスクも下げてくれます。家族で楽しめることが見つかれば、子どもとの愛着形成はもちろん、夫婦円満にも繋がりますよ(笑)」とのことです!
また、株式会社 明治からは、9月下旬に液体タイプのフォローアップミルクが発売されました。調乳不要で利用できるので、鉄補給のためには、こちらもとても便利そうだなと感じました。
バタバタの毎日、できない日ももちろんありますが、家族みんなで無理なく“育脳”取り組んでいけたらいいですね。
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福島綾香 Ayaka Fukushima
ライター
宮城県仙台市出身。夫、息子(2018年9月生まれ)と3人暮らし。これまでフリーペーパー、旅行情報誌などの編集を経験。趣味は食べること、旅行、読書、Jリーグ観戦。