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津島千佳

京都を散策しながら写真作品を堪能!「KYOTOGRAPHIE 2021」開催中【キッズプログラムも】

  • 津島千佳

2021.09.25

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京都市内の様々な会場にて、国内外の厳選された写真を展示する「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。日本では数少ない国際的な写真祭で、日本と海外の重要作品や貴重な写真コレクションを歴史的建造物やモダンな近現代建築に展示しています。各所での展示のほか、キッズプログラムも充実している「KYOTOGRAPHIE 2021」をレポートします。

ショッピングのついでに鑑賞するならこの2軒

百貨店やファッションビル、おしゃれなショップが並ぶ河原町エリア。買い物至便なこのエリアにあるお店で2つの展示が行われています。

フライング タイガー コペンハーゲン 京都河原町ストア 3Fでは「ンガディ・スマート 多様な世界」を開催中。西アフリカのシエラレオネ出身で、現在はロンドンを中心にヴィジュアル・アーティストとして活動しているンガディ・スマートさんによる展示で、現地の盛装など、ファッションを楽しむアフリカの人たちを切り取っています。

「ンガディ・スマート 多様な世界」の展示。

アフリカのビビッドな色柄の布に興味があって足を運びましたが、予想の斜め上を行くデコラティブな装いに感心。とうもろこしを装飾している人が多かったのはブームなのか、それが正装なのか。そんなことを考えるのも楽しい展示です。

「ンガディ・スマート 多様な世界」

会場/フライングタイガー コペンハーゲン 京都河原町ストアー3F(京都市中京区河原町通三条下ル大黒町59-4)
日時/〜2021年10月17日(日)11:00〜20:00※入場は閉館の30分前まで
休み/無休 料金/一般¥1,000学生¥600(要学生証提示)

 

ファッションビル京都BALの4Fで行われているのは「アニエスべー Les Drôlesses」。2020年の春、パリがロックダウンしたことで、自主隔離を余儀なくされたアニエスベー。そんな中、フランス人作家による2枚の肖像画を顔に見立て、アニエスのワードローブをコーディネートして私邸の庭で撮影した写真が並びます。

「アニエスべー Les Drôlesses」の展示。

ユーモア溢れる作品は、フランス以外では初公開。タイムレスな洋服を世に送り出し続けてきたアニエスだからこそのアーカイブのコーディネートはファンならずとも必見。展示作品をすべて収録した写真集を京都BAL3Fにあるアニエスベーのショップでも発売。アニエスの貴重なサイン入り本も、数量限定で用意されています。

「アニエスべー Les Drôlesses」

会場/京都BAL 4F(京都市中京区河原町三条下ル251)
日時/〜2021年11月28日(日) 休み/無休、料金/無料

建物や周囲の環境も一緒にも楽しむならこの3軒

作品だけでなく、会場との組み合わせもKYOTOGRAPHIEの楽しみの一つ。

京都府指定名勝庭園の池泉廻遊式庭園を含む、素晴らしい庭園を持つ両足院では「八木夕菜 種覚ゆ」を催しています。

「八木夕菜 種覚ゆ」の展示。

パーソンズ美術大学建築学部卒業後、京都を拠点に活動する八木夕菜さんは、視覚と現象を使った作品制作、インスタレーションを国内外で発表しているアーティスト。今回は長崎・雲仙で野菜の種を守る「種取り農家」の岩崎政利さんの活動に着目。岩崎さんが育てる野菜の生命力と、種を守る営み、雲仙の自然の豊饒さを捉えた写真やインスタレーションが展示されています。野菜のディテールに迫った写真と優美な庭園のコントラストは、KYOTOGRAPHIEならでは。

「八木夕菜 種覚ゆ」

会場/建仁寺山内 両足院(京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町591)
日時/〜2021年10月17日(日)11:00〜20:00※入場は閉館の30分前まで
休み/9月23日、10月11日〜13日 料金/一般¥1,000学生¥600(要学生証提示)

 

旧日本銀行京都支店であり、明治を代表する洋風建築として国の重要文化財にも指定されている京都文化博物館 別館。ここでは「アーウィン・ オラフ -驚異の年-」を。世界的なファッションフォトグラファーであり、女性、有色人種、LGBTQ +コミュニティなどにフォーカスをあてた作品を中心に制作しているアーウィン・ オラフさんの日本初発表となる作品を展示。

「アーウィン・ オラフ -驚異の年-」の展示。

自然を搾取する人間の傲慢さ、静かに存在する圧倒的な自然の力にインスピレーションを受けたポートレートやランドスケープの写真を展示するのは真っ白な空間。上を向けば京都文化博物館 別館のクラシックな内装が目に入り、不思議な気分になります。
新型コロナウイルスのパンデミックによる自主隔離の様子をとらえた映像作品も上映中。

「アーウィン・ オラフ -驚異の年-」の映像作品を上映。

「アーウィン・ オラフ -驚異の年-」

会場/京都文化博物館 別館(京都市中京区三条高倉)
日時/〜2021年10月17日(日)10:00〜19:00※入場は閉館の30分前まで
休み/9月21日、27日、10月4日〜11日 料金/一般¥1,200学生¥900(要学生証提示)

 

京都のローカル商店街のひとつ出町桝形商店街は、前述のンガディ・スマートさんとコラボレーションした「ンガディ・スマート ごはんの時間ですよ」を開催中。商店街の様々な催しが撮られた昔の写真と、現代の商店街の写真を呼応させたコラージュ作品を意外な方法で展示しています。

出町桝形商店街での「ンガディ・スマート ごはんの時間ですよ」の展示。

地元密着型の商店街にファンキーな大型のペナントが設置されている様子は、ちょっと異空間。

商店街内にあるKYOTOGRAPHIE常設プロジェクトスペースであり、カフェでもあるDELTAでは間近でじっくりと作品を見ることができます。

「ンガディ・スマート ごはんの時間ですよ」を展示するDELTA。

「ンガディ・スマート ごはんの時間ですよ」

会場/出町桝形商店街(京都市上京区青龍町229)、DELTA(京都市上京区三栄町62)
日時/〜2021年10月17日(日)9:00〜21:00(カフェ利用は20:00まで)
休み/9月29日、30日、10月6日、7日、13日、14日 料金/無料

子どもと一緒に楽しめるプログラムも続々!

KYOTOGRAPHIEではキッズファーストな催しも。これは子連れで展示会に行きづらい雰囲気がある日本で、その壁を取り払いたいとの思いから。

京都中央信用金庫 旧厚生センター 3階ホールで期間中通して展示されているのが「KYOTOGRAPHIE こども写真コンクール展 2021<ECHO〜私たちとこの世界のエコーを見てみよう〜> 」。

「KYOTOGRAPHIE こども写真コンクール展 2021<ECHO〜私たちとこの世界のエコーを見てみよう〜> 」の展示。Photo by Cindy Bissig

SNSの発達などで写真を見る機会が増えた今の子どもたち。イメージを見る力をつけてもらうため、関西の小・中学校の生徒を対象に写真レッスンを行い、2021年のテーマである「ECHO」を写真で表現。463点の応募の中から、約50点を選出し展示しています。

子どもが撮影しているせいか、目線が低めの写真が多かったのが印象的。ちなみに写真の質感がきれいな作品が多かったので、どんな機材を使っているのかと尋ねると、なんと学校から支給されているタブレットとのこと。タブレット、こんな活用方法もあるんですね。

惜しくも選から漏れた他の作品もスライドで見ることができます。

「KYOTOGRAPHIE こども写真コンクール展 2021<ECHO〜私たちとこの世界のエコーを見てみよう〜> 」のインスタレーション。Photo by Cindy Bissig

シルバーの板を下げたモービールが光を乱反射するインスタレーションで、ここでも「ECHO」を体感できます。

「KYOTOGRAPHIE こども写真コンクール展 2021<ECHO〜私たちとこの世界のエコーを見てみよう〜> 」
会場/京都中央信用金庫 旧厚生センター 3階ホール(京都府京都市下京区中居町七条通烏丸西入113) 
日時/〜2017年10月17日(日)10:00〜18:00
休み/9月27日、10月4日、10月11日 料金/無料

またスフェラ・ビルで行われている「リャン・インフェイ 傷痕の下」では性被害を受けた人を追った作品を展示していることもあり、子どもの性被害や犯罪にまつわる「子どもの安全ガイド」を無料配布中。

「子どもの安全ガイド」の表紙。

ケーススタディをクイズ形式で紹介しているので、子どもに質問しながら危険な状況から身を守る方法を伝えます。

他にもスポットで子ども向けのワークショップも実施中。京都を散策がてら、お子さんと一緒にKYOTOGRAPHIEを楽しんでみてください。

●その他のキッズプログラム●

「日光写真/サイアノタイプワークショップ 〜光のエコーを学ぼう〜」

場所/KYOTOGRAPHIE インフォメーションラウンジ&ブックス(京都府京都市中京区御倉町73 三条両替町ビル)
日時/9月26日(日)10:30〜12:00、13:30〜15:00※悪天候の場合は10月2日(土)に順延
参加費/¥2500 対象年齢/6歳以上

 

「家族のエコー! スタジオ撮影体験と和紙でフォトアルバムを作ってみよう!」

場所/KYOTOGRAPHIE インフォメーションラウンジ&ブックス(京都府京都市中京区御倉町73 三条両替町ビル)
日時/10月10日(日)10:00〜12:00、14:00〜16:00 参加費/¥2500 対象年齢/5歳以上

 

「アーウィン・オラフの写真を見ながら、作家のいしいしんじさんと一緒にオリジナルのフォトストーリーブックをつくろう!」

場所/アンスティチュフランセ 関西 京都(京都府京都市左京区吉田泉殿町8)
日時/10月16日(土)10:00〜12:00、11:00〜13:00 参加費/¥2000、 象年齢/6歳以上

 

「和紙で私のアルバムをつくろう!」

会場/アンスティチュフランセ 関西 京都(京都府京都市左京区吉田泉殿町8)
日時/10月17日(日)11:00〜14:00 参加費/¥1000

 

KYOTO GRAPHIE 公式サイト 

KYOTOGRAPHIE 2021 キッズプログラムの詳細はこちら

津島千佳 Tica Tsushima

ライター

1981年香川県生まれ。主にファッションやライフスタイル、インタビュー分野で活動中。夫婦揃って8月1日生まれ。‘15年生まれの息子は空気を読まず8月2日に誕生。

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