LIFE

産婦人科医・宋美玄さんが女性患者に「セルフプレジャーアイテム」購入を勧めまくる理由【聴く婦人科診察室#11】

  • 宋 美玄

2021.09.10

  • 音声

この記事をクリップする

今週も産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト連載「宋美玄さんの聴く婦人科診察室」の時間がやってきました! 女性ならではの心や体のお悩みを解決したり、性にまつわる最新事情を解説したりと、充実の内容でお送りします。今回は満を持して「セルフプレジャーアイテム」を取り上げます!

性交痛や女性器機能障害の解消に有効

読者から届いた「セルフプレジャーアイテムに興味があるけど、恥ずかしくて買えません……」というお便り。きっと同じ思いを抱えているLEE読者も多いのでは?「セルフプレジャー」とは、性的なことを思い浮かべながら自分の性感帯を刺激する、自家発電のようなもの。医学用語では「マスターベーション」という言い方をします。

性的に興奮することにより骨盤周りに血が集まり、膣がペニスを受け入れる準備をする、という課程を身体が学習するため、セルフプレジャーアイテムが有用です。それゆえ、宋さんは性交痛やオルガズムを感じない等の女性器機能障害、といった悩みを抱いてクリニックを訪れる患者さんに「セルフプレジャーアイテムを買うのを勧めまくってる」そう。

女性同士でマスターベーションの話題がしにくい理由

女性器機能障害は、若い頃からマスターベーションをあまりしたことのない人の方がなりやすい傾向があります。その背景には、マスターベーションや性的な話題をタブー視する、日本ならではの風潮の影響があるのではないか、と宋さんは分析します。

宋美玄さん連載11

男性の場合、思春期に夢精や精通を経験するのでマスターベーションと向きあわざるを得ないですし、故に男性同士ではそういった話題で盛り上がることもあります。が、LEE世代の女性同士でマスターベーションについて話すようなことはあまりないのではないでしょうか。

ましてや、母娘間でマスターベーションの話題をするのはとても難しいでしょう。宋さんのクリニックには、性に関する話題を過剰にタブー視する家庭に育ち、母親に「自分はセックスという『穢らわしい行為』で生まれた」という刷り込みをされ、今度は自分が結婚してから「そんな『穢らわしい行為』をしていると母親に思われたくない、だから妊娠したくない」といった悩みを抱える女性が訪れたことも。

娘が母に可愛いセルフプレジャーアイテムをプレゼント

ここ数年、LEEの読者アンケートで最も高い関心が寄せられている話題も「性教育」。家庭内で一体どのように性に関する話題を扱うべきなのか、悩んでいる母親がとても多いようです。そんな皆さんにLEE編集長の畑江がオススメするのがAbema TVのオリジナルドラマ「17.3 about a sex」。

主人公の女子高生が、藤原紀香さん演じる母親のバイブを見つけてしまう、という衝撃的なエピソードが描かれます。しかし最終的には主人公は母親に可愛いセルフプレジャーアイテムをプレゼント。それを畑江は「お母さんにだってそういう欲求があることが自然だってことを娘が理解してくれたんだな、って思ったら胸が熱くなって、泣きながら観ました!」。

また近頃は、ぱっと見まるで口紅や和菓子にしか見えない、オシャレで可愛いセルフプレジャーアイテムが数多く発売され、百貨店や商業施設などでポップアップストアが開かれることも増えました。家庭内で性に関する話題をタブー視するのではなく、きちんと話し合える土壌作りの一助となるようなセルフプレジャーアイテムが普及することは、非常に意義深いのではないでしょうか。

(次回は9月17日(金)18時配信です、どうぞお楽しみに!)



宋美玄さんへの質問を大募集!

宋さんへのご質問や番組へのご感想は、専用メールアドレス(fujinka@lee.hpplus.jp)宛にお送りください。


イラスト/鹿又きょうこ

宋 美玄 Song Mihyon

産婦人科医

セックスや女性の性などについて、女医の立場からの積極的な啓蒙活動を行う。メディア出演や著書多数。'17年、丸の内の森レディースクリニックを開業。https://www.moricli.jp/

この記事へのコメント( 0 )

※ コメントにはメンバー登録が必要です。

LEE公式SNSをフォローする

閉じる

閉じる