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LIFE

「布」は敷くもの、着るもの。その思い込みを一歩離れる【石井佳苗さんのインテリアレッスン】

  • 石井佳苗

2021.09.01

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石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る

壁は、どこよりも自分を表現できる場所、手軽に自由に、12カ月を彩ります。

例えば、家にあるさまざまな布。視点を変えれば、意外な魅力を放ちます。

石井佳苗さん Kanae Ishii

石井佳苗さん

雑誌や書籍、広告など多分野にわたって活躍。初心者にもわかりやすいオンラインレッスンも好評。「布は、見て楽しい、使って役立つ働き者です」 https://www.kanaeishii-stylist.com

Lesson 8. 「布」は敷くもの、着るもの。その思い込みを一歩離れる

石井佳苗さんの壁インテリア トルコのヴィンテージラグ

質感が心地よい布、織りが気に入っているラグ、刺繍に惹かれたワンピース。先入観を取り払って壁に掛ければ、まるで一枚の絵のようです。

「床に敷くもの、身につけるもの、と決めつけず、ただの“布”として見てみると、新たな魅力に気づくはず。布のいいところは、色や図案だけでなく、質感でもその個性を発揮できるところ。目線の高さに飾ることで、絵のような役割を果たすと同時に、オブジェのような存在にもなるんです。冬は毛足の長いもの、夏は透け感のあるものなど、季節で替えても楽しいですね。気軽に部屋の雰囲気を変えられますよ」

ラグを絵のように壁掛け

織りの複雑なラグは、壁の主役にもなる

“敷く”だけが、ラグの楽しみ方ではありません。小ぶりなラグは、壁に掛けると魅力がいっそう増します。「なぜなら、敷くよりも全貌が見えるから。

このくらいのサイズのラグなら、長めのピンで留められるから手軽です。存在感があるので、下に家具を置くとバランスが取れますね」。トルコのヴィンテージラグは60㎝×80㎝。

麻ひもでゆるりと

布の質感に合わせて掛け方を変える

石井佳苗さんの壁インテリア 麻ひもでゆるりと

柔らかな布は、イメージを生かした飾り方を。

「この場合は、きっちり四角く留めるよりも、麻ひもを使ってゆるやかに掛けたほうが、布の雰囲気が生かせます。また、カーテンのようにも見えるので、空間に奥行きを感じさせる効果も」。布は、イギリスのキルステン・ヘクターマン氏による染色に、ケニアの女性が刺繍を施したもの。



洋服も、一枚の布として

刺繍が施された民族衣装は、その細やかさを愛でて

石井佳苗さんの壁インテリア 洋服も、一枚の布として

何気なく身につけている洋服も、まっさらな気持ちで見れば“布”としての美しさに気がつきます。

「このルーマニアの民族衣装は、着る&飾る、ふたつの目的で手に入れました。刺繍もののほか、ドレープが美しいワンピースや薄手のコートなどもおすすめ。ハンガーで一気に生活感が出てしまうので、布をかぶせるなどひと工夫を」

More Tips

かわいいフックを見つけたら、
お気に入りの一枚をラフに掛けてみる

石井佳苗さんの壁インテリア かわいいフックを見つけたら、お気に入りの一枚をラフに掛けてみる

フックと布、ふたつを組み合わせて壁を彩るアイデア。「フックに大ぶりの布を掛けるだけで、自然とドレープが寄ってこなれた雰囲気に。テクニックいらずの簡単アイデアです」。布はインドのコットン、フックはアンティークショップで見つけた昭和の頃のもの。

布の保管には、通気性のいい柳ごうりが便利

石井佳苗さんの壁インテリア 布の保管には、通気性のいい柳ごうりが便利

「たためば小さくなるから、少々増えても大丈夫」と、布に関しては、自分に甘めな石井さん。保管は、古い柳ごうりに。「出しておいても雰囲気がいいですし、通気性がいいので実用的でもあるんです。詰めすぎて少々ふたが浮いていても、問題ありません(笑)」

猫

 

●スタイリスト石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る

  1. 「絵」を飾ることで自分の“好き”がわかる
  2. 「実用品を壁掛け」してオブジェのように愛でる
  3. 動きのある「植物」を取り入れ空間に自然な奥行きを
  4. 小さな家具をひとつ置けば壁の前が“空間”になる
  5. お気に入りの雑貨をたっぷり愛でられる「壁付けDIY」
  6. 手持ちの「紙」をより効果的に飾る方法
  7. インパクトの強い「オブジェ」は+αで空間になじませる
  8. 「布」は敷くもの、着るもの。その思い込みを一歩離れる

連載一覧はこちら!


撮影/宮濱祐美子 取材・文/福山雅美

LEE2021年9月号『スタイリスト 石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る』より

石井佳苗 Kanae Ishii

インテリアスタイリスト

「カッシーナ・イクスシー」にて10年間勤務後、独立。雑誌や書籍、広告など多分野にわたる活躍で知られる。住まい作りの感覚を磨くヒントを綴った近著『Heima』(扶桑社)も好評。初心者にもわかりやすいオンラインレッスンも行っている。

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