食器用洗剤で◎◎できるの?
ふだんは食器やお鍋などを洗うために使っている「食器用洗剤」。実はおうちの、かなりの部分の掃除のみならず洗濯にも役立ちます。
掃除しなきゃ、洗わなきゃ。でも洗剤の買い置きがない? そんなときでも、自宅に中性の食器用洗剤さえあれば、すぐにできます。
夏の日々の汚れの後始末に。半信半疑かも知れませんが、ぜひ試してみてください。
リビング、子ども部屋などでは拭き掃除
暑い時期はサンダルばきで出かけたり、家の中でも裸足で過ごすことなどで、汚れがつきやすいフローリングやクッションフロアの床。
ここは、バケツなどに汲んだ水に、食器用洗剤を数滴落としたところに浸してかたく絞った雑巾やマイクロファイバークロスを使い、拭き掃除をします。手近なフローリングワイパーに挟めるサイズのクロスを使えば、よりラクに済みます。
掃除機がけだけではスッキリしにくい、ラグやカーペットといった床も同様に水拭き掃除ができますので試してみてください。細かなホコリや皮脂汚れなどが落ちてさっぱりします。
雨が降るごとに汚れの気になる窓ガラスは、水道水を入れたスプレーボトルに1滴程度の原液を落としてふり混ぜた「超薄め液」を作り、ガラスに多めにスプレーして濡らしたところをメラミンスポンジで擦ります。
最後にスクイージー(T字型水切り)で水気を切ればピカピカに。網戸も同じ薄め液で濡らしたメラミンスポンジで、一方向に向けつつ優しくこすると、ホコリや煤煙(排気ガス)の汚れがごっそり落ちます。
トイレ掃除ではこすり洗い
陶器製の便器は食器と同じ?!ですから、1滴程度の食器用洗剤原液を落として、ブラシでこすり洗いしましょう。便座や蓋や床や壁は前述の超薄め液スプレーを吹き付けてから、雑巾やマイクロファイバークロスで拭きましょう。
お風呂掃除は原液で
浴槽部分には3、4滴程度の食器用洗剤の原液を垂らし、いつも使っているお風呂掃除用スポンジなどでこすり洗いします。洗い場の床、壁、お風呂イス、洗面器、排水溝など周辺のいろいろも、この原液を泡立てたスポンジでこすり洗いし、いずれもシャワーでしっかり濯ぎます。原液をあまり多く落としすぎると浴槽の泡切れに時間がかかるので注意しましょう。
洗面所掃除でも応用
洗面ボウルに1滴程度の食器用洗剤原液を垂らし、スポンジなどでこすり洗います。壁や床の掃除はトイレと同じように。鏡の掃除はリビングの「窓ガラス」のやり方を応用します。
キッチン掃除にも活躍
油っぽいコンロ周り、コンロ壁などは超薄め液をスプレーして、汚れをゆるめたところをスポンジなどでこすり、キッチンペーパーやボロ布などで汚れ液を拭き取ります。焦げや汚れの強い五徳などは、外して食器用洗剤の原液をつけてスポンジなどの硬い部分でこすり洗いをし、よく濯ぎます。
キッチン床の汚れのひどい部分は、食器用洗剤原液をごく少量つけた古歯ブラシなどでこすります。その他の部分は、バケツの水に1、2滴の食器用洗剤原液を落とした水に浸した雑巾やマイクロファイバークロスで拭き掃除しましょう。
シンク内は洗面所ボウル同様に泡立てたスポンジでこすり洗いますが、ステンレスシンクの場合はここで泡立てた状態のまま、あえて水で濯がず、傾斜に任せて排水口に泡が流れるまで放置しておくとステンレスが輝き、仕上がりがきれいです。
クルマのガラスの油膜取りなどに
フロントガラスなどに付着してしまった油膜の軽いものなら、超薄め液をスプレーしてタオルで拭き取り落とせます。タオルを替えて車内の拭き掃除にも。
えり・そでの皮脂汚れなどにも
ワイシャツや制服シャツの首筋につく皮脂汚れ。ここには原液を適宜すりこんで。10〜20分置いてから普通の洗濯すると、こすらなくてもスッキリ落とせます。脇の下など、汗ジミが気になる部分にも「超薄め液」をスプレー。濡らしてから洗濯をしてみましょう。
そもそもどうして「食器用洗剤」が使えるの?
それにしても、「食器用洗剤」は、どうしてこんなに多用途に使えてしまうものなのでしょうか? それは、手強いお皿などの油汚れも素早く落とすほどの実力のある食器用洗剤の主成分が「界面活性剤」であるということ、またその多くが、比較的用途を選ばない「中性」の洗剤だからです。
界面活性剤というのは、ひらたくいえば「(油脂などの)汚れを水に溶かしやすく」し、「汚れたものから浮き上がらせ、細かくして、取り除きやすく」する成分。
そもそも、あらゆる洗剤の主成分自体がこの界面活性剤なのですが、なかでも食器用洗剤(台所用洗剤)というものは特別に安全性が高められた状態で市販されています。
それは、まがりなりにも人の口に入る食器や鍋釜を洗うことを主目的としていること、またかつては野菜洗いにも推奨されていたような商品だということからも明らかなこと。
この食器用洗剤のもつ、特異な安全性と汎用性を生かして、夏の汚れを落としていきましょう。
(追記。最近市販されている食器用洗剤の中には、「中性」ではなく「弱酸性」や「弱アルカリ性」のものも一部含まれています。また「手肌に優しい」「除菌効果」など、いろいろ謳われているものが多いので、迷われてしまう方もいるかも知れません。また、合成洗剤ではなく「食器洗い用石鹸」を愛用している方もいるでしょう。
迷った場合には、まずは自分がいったいどういう食器用洗剤を使っているのか? 改めて確認してみるところから始めましょう。なぜその商品を選んで使っているの? どういう特性があるの? 何も考えていなかったかも? 商品の説明書きを読んで初めて知る情報も多いかもしれません。
とりあえず食器用洗剤の界面活性剤の洗浄効果がもっとも現れる濃度である1〜5%程度まで薄めて使う分には大差ないと思われますが、今回ご紹介した内容は「中性」の食器用洗剤で行うようにしてください。)
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