相貌心理学教授・佐藤ブゾン貴子さんにインタビュー
皆さん、「相貌(そうぼう)心理学」という言葉を知っていますか? 日本ではあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、フランスではビジネスや教育の現場でも採用されている心理学で、顔に表れる内面や本質を読み取ってコミュニケーションやアプローチをするメソッドのこと。
この相貌心理学、顔を見るだけでほとんどのことがわかってしまうというから驚きなんですが、世界でまだ15人しかいない教授のうち1人が日本にいるというのです! お名前は佐藤ブゾン貴子さん。
20代でアパレルの勉強をするために単身でフランスに渡り、相貌心理学と出会ってすっかりはまり、学会長に弟子入りして学んで教授資格を取得。数年前に日本に帰国し、現在はフランス人のご主人と日本で暮らしているそう。経歴だけ聞いてもとても行動的でパワフル!
「きっと日々の暮らしやこれからの人生に役立つおもしろい話が聞けるはず…」と思い、お会いしてお話をお聞きしました。
相貌心理学のメリットは…
-相貌心理学について、簡単に教えてください。
顔には、その人の持っているほぼすべてが表れます。体力量、コミュニケーション欲求量、実行力、想像力、共感力、思考の速度などなど…。すべての人の顔にはこれらの情報がはっきり示されているんです。
相貌心理学は、これまでに1億人以上の顔分析データに基づいて理論を体系化していて、相貌心理学の教授による顔分析の精度は99%の正確性を誇ります。
顔を見れば、その人のほとんどのことがわかるんですよ。顔に表れている情報を理解すると、コミュニケーションや人間関係がうまくいくし、自分自身の特徴を把握しておけば自分の力を最大限発揮することができますしね!
-素人でもすぐにわかる、顔に表れる情報ってありますか?
わかりやすいもので言うと、目尻。目尻が上がっている人は、自分が見たいものだけを見て、ほかの人の意見を受け入れない傾向が。でも、その反面、目標達成に必要な意思の強さがあるとも言えます。
逆に目尻が下がっている人は、人の話をよく聞き、ものごとをしっかり見極める力があるのですが、下がりすぎていると人の意見に流されやすくなっています。
あとは、鼻の穴の見え方でもわかることがあるんです。鼻の穴が正面からはっきり見える人は、思ったことをなんでも口に出します。対して、鼻の穴が見えない人は、秘密主義でなかなか本音を言わない傾向があります。
あなたはどのタイプ?顔を3つのゾーンに分けて分析
-自分の顔で自分を分析する簡単な方法はありますか?
顔を横に3分割にしたときに、どこのゾーンにインパクトがあるのか、もしくは広いのかで、その人の原動力やモチベーションを知ることができます。
顔のいちばん上から目の下までが広い人は「思考ゾーン」の人。知識や教養、視覚から入る情報が好奇心を刺激し、行動の原動力に。理論・理屈でものごとを考えるのが得意で、想像力も豊かです。
目の下から唇までが広い人は「感情ゾーン」の人。コミュニケーションと感情の共有が満足の源に。コミュニケーション能力に長けている人が多いですが、感情でものごとを判断したり、好き嫌いで選んでしまう傾向があり、客観性に欠けることも。
唇の上からあご先までが広い人は「活動ゾーン」の人。日本人には少ないタイプで、物欲や食欲など、本能に基づく活動が満足の源。物質的な価値や現実的な利益、目標が数字が原動力。
このゾーンを見ることで、職業の適正や、恋愛での攻略方法を知ることもできるんですよ。
-実生活でもすごく役に立ちそうですね。たとえば、夫婦関係とかでも!
ええ、役立ちますよ。たとえば、顔の輪郭には、体力量や行動力が表れるので、知っておくと夫に家事・育児への協力を求めるときのコツなんかもわかります。
夫の顔の輪郭がどっしりしている顔だったら、体力量が多い人。行動力もコミュニケーション力もあるから、仕事以外でもアクティブに動けるんです。
でも、輪郭が細い顔だったら、体力が少ない人。日々の仕事だけで体力を使ってしまうので、休日は自分1人の時間がすごく大切。
そういう人に「毎日家事をやって」「土日も子どもの面倒を見て」と言っても、物理的にとても難しいことなんです。たとえば、土曜日は1人でゆっくり休む時間をあげて、「日曜日は面倒を見てね」としたほうがうまくいきます。
―自分と同じタイプの人とのほうがうまくいくものでしょうか?
夫婦やママ友などは、自分と同じタイプの人のほうが、自分と内面が似ているから、相手のことがよくわかって付き合いやすいと思います。でも、ビジネスだったら、自分にないものを持っている人とのほうがうまくいくことも。
子どもの内面を知って、伸ばしてあげることもできる!
―相貌心理学は、子どもにも当てはまりますか? タイプ別に子どもを伸ばすアプローチ方法があれば知りたいです!
子どもの年齢にもよりますが、幼児の場合は、顔もまだ成長過程なので、輪郭だけを見ます。まずは、輪郭がどっしりしているか細いかでいろいろわかります。
輪郭がどっしりしている子は、体力量があって、みんなと一緒なのが好きなタイプ。また、よくも悪くもすぐ忘れるタイプなので、しかるときは、その瞬間にしからないと通じにくいんです。大人の言うこと、とくに親が言うことを素直に聞くので、ほめて伸ばすのがすごくおすすめ。
輪郭が細い子は体力量が少なく、1人を好む傾向が。想像力が豊で、考える力もあり、「なぜなのか」という理由を大切にするタイプなので、しかるときもほめるときも理由をしっかり伝えることが大事。体力量が少ない分、自分が好きなものを自分で選んで、夢中になる子が多いんです。
―わ! 私の子どもたち、上の子が輪郭が細く、下の子がどっしりしているのですが、まさにその通りです。ちなみに、私の顔は…?
渡辺さんの場合、口が小さいので、ストレスを溜めやすいんです。なるべくストレス発散することを意識して。あと、目尻が少し下がっているので、人の言うことに流されやすくなっています。もう少し、自分を通したほうがいいですよ。
―たとえば、アイラインを引いて目尻を上げてもいいですか?
いいと思いますよ。まずはメイクで理想の内面の顔に近づけ、相手に与える自分の印象を変えることで、相手から自分に与える刺激(言動)が変わると、自分自身の行動も変わってくると思うんです。
顔には変わる部分と変わらない部分があって、目、鼻、口、耳、そして肉づきは、環境や内面の変化で変わる部分なんです。
相貌心理学で自分の性格や傾向を客観的に把握して、自分を活かす方法を考え、行動が変わることで、顔つきも変わってきます。
顔が変われば、人生は変わる! 人生を好転させることができると思いますよ。
相貌心理学をもっと知りたい人におすすめ
相貌心理学についてもっと知りたいと興味を持った人は、佐藤ブゾン貴子さんの著書「人が顔を見れば99%わかる フランス発・相貌心理学入門(河出新書)」を読んでみてください。顔のパーツの特徴から読み取れることや、ビジネスでの活用法、タイプ別のコミュニケーションテクなども詳しく紹介されています。対人関係で悩んでいる人、自分自身や家族のこれからの人生について悩んでいる人は、きっとヒントが見つかりますよ!
佐藤ブゾン貴子さんのHP、Instagram、twitterもぜひチェックしてみてくださいね。
撮影/富田 恵
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渡辺有紀子 Yukiko Watanabe
編集・ライター
1979年、新潟県出身。妊娠・出産・育児の雑誌編集を16年間経験。家族はレコード会社勤務の夫、2010年生まれの息子、2014年生まれの娘。ほぼワンオペで仕事と育児の両立に奮闘するも、娘の便秘通院をきっかけに退社し、フリーに。趣味はクラシックバレエ。