夫やママ友、周囲の身近な人が発するジェンダーにまつわる「何気ない一言」。無意識かもしれないけれど、モヤモヤはつのって・・・!?
ジェンダー問題に詳しいフリージャーナリスト治部れんげさんと、男性学を専門とする田中俊之さんが、どう受け止めるかをズバリ回答!
末尾では男子校、女子校トークも!
この記事は2020年1月7日発売LEE2月号の再掲載です。
周囲の言葉にモヤモヤ 04
「男の子なんだから、キャッチボールくらいできないとバカにされる」
運動神経のいい夫が、息子がキャッチボールできないのを見て「男の子なんだからキャッチボールくらいできないとバカにされる」と、毎週末に公園でキャッチボールを練習。
息子はこっそり私に「本当はキャッチボールしたくないけど、お父さんには秘密」と言っていました。(smil☆K)
夫婦であまりに考えが違うと子どもが混乱するし、一緒に暮らしていくわけなので、私はこうは思わない、子どもは本当は嫌がっているという本音は伝えるべき。
夫婦で話し合う際、残念ながら妻の話を聞かない夫も多いので、ジェンダーやダイバーシティにまつわる市民講座やセミナーなどに夫を連れていくのも手。(男性学 田中俊之さん)
子どもは頑張ってうまく対処していますね。子どもからお父さんに「パパと〇〇したい」と誘うのはどうでしょうか。
「男だからキャッチボール」も意識にあるとは思いますが、お父さんは子どもと遊べば満足する気も。子どもに我慢しないで気持ちを伝えていいよと促してあげてもいいかもしれません。(フリージャーナリスト 治部れんげさん)
周囲の言葉にモヤモヤ 05
「男の子3人育てるのは大変ね〜」
わが子は男の子の3人兄弟で必ず「大変ね〜」と言われます。最初は自分もネタにしていたのですが、だんだんと「男の子だから大変っていうのはステレオタイプでは?」と感じるように。
同じように「男の子はバカだから」「男の子は単純だから」というフレーズにも違和感。(関サバ子)
つい言ってしまう「男はバカ」などは、意外に影響力があるので、子どもが聞いているときはあまり言わないほうがいい。ママだけなら、そんなに関係が深い相手でなければ流してもOK。
仲よしのママ友で相手に多少なりとも変わってほしいのであれば「それは決めつけじゃない?」と率直に言ってもいい気がします。(男性学 田中俊之さん)
男の子が3人いたら、それぞれ性格が違うと思うので「3人いたら、いろいろだから。性別より個人差のほうが大きいと思う」という具合に、少し情報を伝えてあげてもいいかもしれません。
「男の子は単純」といった話は私もよく耳にしますが、不快に思ったら相づちを打たずに黙ってスルーしています。(フリージャーナリスト 治部れんげさん)
編集Kと ライターNが聞いてみた
多様性の時代、「男子校」・「女子校」をどう考えたら?
田中 女子校は明確にいいと思いますね。共学だと、男の子は乱暴、ふまじめ、大雑把、女の子はやさしい、まじめ、細かいことに気付けるというのが日本社会での特徴だから、女子は男子のケアをさせられるんです。
2年前の社会学会で「“男子ちゃんと歌って”の社会学」という発表がありました。男子は合唱コンクールで歌わないし、掃除をきちんとしない。「男子、掃除して!」とそのお世話役を女子が担ってうまくいくという話です。
部活でもサッカー部や野球部は女子がマネージャーをすることが多くて、そのおかげで、男子が練習に打ち込めるんですよね。
治部 女子校は生徒会も学園祭も、なんでも女子がやるので、女子がリーダーシップを発揮しやすいのはいいと思います。
田中 生徒会長など女子もトップに立てるし、男子の目線を気にせずに伸び伸びと勉強できるのはいい面ですよね。男女差別が根強いこの日本社会では、女子校の意義はかなりあると思います。
治部 女子校出身者は「楽しかった」という人が多く、満足度がすごく高い。そういう意味でも子どもが望めば、女子校に行く意味はあるし、とてもいいと私も思います。
一方で、大学が共学だったり、社会に出ると男女混ざって働くことになったりするため、早いうちから自分と違う性の人たちに慣れておくほうがよい、という考え方もあります。
私自身はずっと共学で、大学は男子が8割以上という環境。大学卒業後に16年働いた出版社も男性が多かったので、男性とのコミュニケーションに慣れていたのはよかったなと思っています。ただ、もし今、小学生に戻って選べるなら女子校を経験してみたかったかも、という気持ちもありますね。
田中 おっしゃるとおり、エリートは中高一貫の男子校でないと、という考え方もあります。ただ、かつては出先が男社会だったからよかったけれど、これからのグローバルな社会で、女性の活躍も広がっている。大学はいいところに行けても、その後の社会に出てからが少し心配です。
中高一貫校は、高校受験がないので、中学校時代にある程度勉強以外のことを学べるよさがありますが、そういう男子校ならではの教養教育を大事にしている学校もあるんですね。僕も以前、男子校で授業をしたことがあるのですが、難しい哲学の本とかを読んでいる生徒がいて、そういう興味を広げられる環境なのはいいなと思いましたね。
治部 先ほど、女子校出身者は満足度が高いと言ったのですが、男子校はなぜか不満も多い。やっぱり女子がいてほしかったとか(笑)。そのあたりは、実際に通う際には子どもと相談したほうがよさそうですね。
撮影/齊藤晴香 イラストレーション/久保夕香 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
この記事は2020年1月7日発売LEE2月号『言ってませんか?「男の子だから」「女の子だから」』の再掲載です。
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