当サイトでは当社の提携先等がお客様のニーズ等について調査・分析したり、お客様にお勧めの広告を表示する目的で Cookie を使用する場合があります。詳しくはこちら

暮らし発見

みどりのスキップ

  • puketti

2021.03.24

  • 0

この記事をクリップする

はじめて安房直子さんの作品に触れたのは

遡ること小学校の国語の教科書で習った「きつねの窓」。

きつねに染めてもらった

青い指でこしらえたひし形の窓から見える景色が切なくて

その当時の私は小学生ながら

じわりと心に押し寄せるものがありました。

匂いだったり、色だったり、空気や風を感じるのが

安房さんの作品に共通する素晴らしさだと思います。

 

みどりのスキップ

満開の桜の中に住む

薄いさくら色の着物を幾重にも着ている

花の精の花かげちゃん。

みみずくは花かげちゃんの顔を

一度きりしか見たことがないけれど

花が散ったら消えてしまうことに怯える

花かげちゃんのために

雨が降らないように

風が吹かないように

わるものが忍び込んであの子をさらっていかないように

そして花の季節が決して終わらないようにと

花かげちゃんを守ることに決めたのです。

 

心がふわっとさらわれるような感覚に

誰も、この桜が満開の森へ侵入してこないよう

ときどき、きつねの奥さんが淹れてくれる

苦いコーヒーを飲みながら寝ずの番をするみみずく。

それでもトット トット トット トット と

否応なしに心地良いリズムに乗ってやってくる

みどりのスキップ。

ちょっと乱暴な物言いのみみずくだけれどその懸命さや

季節の雨や風といった自然の営み、

そして淡く美しい季節が巡る様子に

胸がいっぱいになります。

日本の移ろう季節の美しさを感じさせてくれる絵本です◎

 

幾度目かの春に

初めてこの本を娘に読み聞かせた時は

みどりのスキップがなんであるかわからなかった娘も

何度目かの春を迎えたある日、

「みどりのスキップって」

「新緑とか若葉のことなんだね」と。

本を通して娘の心の成長の瞬間に

立ち会うことができた喜びといったら!

 



叙情的な表現の豊かさ

日本語で花の終わりを表現する言葉はそれぞれ違っていて

桜は「散る」、梅は「こぼれる」、菊は「舞う」、

牡丹は「崩れる」、椿は「落ちる」。

この本を読む度に日本語の表現の豊かさと

言葉の持つ美しさを感じずにはいられません。

出久根さんの描く、桜満開の木の枝をしっかりと足で掴み

ギロッとこちらを見つめる一羽のみみずくの表紙の絵。

安房さんの描写と相まり素晴らしい一冊になっています。

puketti

40歳/夫・娘(8歳)/手づくり部・美容部/シンプルなもの、上品なもの、特に器やインテリアが好きです。日々の小さなしあわせを大切に暮らしています。

この記事へのコメント( 0 )

※ コメントにはメンバー登録が必要です。

Category

  • 今日のお買い物
  • 今日なに着てる?
  • 美容部
  • 手づくり部
  • 料理部
  • おでかけ部
  • 暮らし発見
  • 今月のお題
  • まとめNEWS

LEE100人隊の広告に関するお問い合わせはこちら

お問い合わせ

LEE公式SNSをフォローする

閉じる

閉じる