FOOD

家族のごはん作りは「定番」に頼ればいい!

藤井家の思い出のストーリーとともにご紹介

料理家・藤井 恵さんが作り続けてきた【定番の味5選】「あの味が食べたい」とリクエストされる頼れる一皿とは?

  • 藤井 恵

2026.09.19

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藤井 恵さんがLEE世代に伝えたい

家族のごはん作りは「定番」に頼ればいい!

藤井 恵さんが作り続けてきたわが家の定番、5つの味

二人の娘さんが巣立った今、実感するのは「定番」こそが、家族の味になっていたこと。忙しさの中で藤井さんを助けた、なじみの味。今の私たちに必要なのは、そんな一皿でした。

Index
  1. 家族のごはん作りは「定番」に頼ればいい!
    1. 藤井 恵さん
  2. 家庭料理は、ワンパターンでいい。それが家族の物語になっていくから
    1. 30年以上前から愛用中のモンブランのシャーペンでしたためた、藤井家の定番レシピを紹介!
  3. わが家の定番、5つの味
  4. 1.【日本一の餃子】
  5. 2.【週5で食べられる鍋】
  6. 3.【おばあちゃんの具なしオムライス】
  7. 4.【やさしさたっぷりポタージュスープ】
  8. 5.【家族のためのプリン】
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藤井 恵さん

藤井 恵さん

Megumi Fujii

料理研究家・管理栄養士

大学在学中から料理番組のアシスタントを務め、5年間専業主婦として過ごしたのち復帰。子育てをしながら雑誌や書籍、テレビ出演など多忙な日々を過ごす。著書に『働きながら家族のごはんを作るために』(大和書房)。

家庭料理は、ワンパターンでいい。それが家族の物語になっていくから

藤井 恵さん“家庭料理は、ワンパターンでいい。それが家族の物語になっていくから”

娘たちが巣立った今、あらためて感じています。結局、飽きるほど作ったシンプルな料理が、家族の味でした。
 
子育て真っ最中の頃は、あれもこれも食べさせようとそれこそ、大好物の中に苦手な野菜を、工夫を凝らしてひそませて。サバの煮付けにトマトを入れて作ったり、きんぴらひとつとっても普通のものでは物足りなくて、あえてひとひねりを施したり。
 
当時の私は、家族が「飽きない」ようにと考えて、初めての味をとにかくたくさん、食卓にのせていたのです。ところがある日、下の娘が言ったんですね。
 
「普通のものが食べたいナ」
 
そこでようやく気づけたんです。私は料理研究家だけれど、家の料理に関しては、ワンパターンでかまわないのかもしれない。
 
パッとお皿を見ただけで、どんな味かわかる料理。口に入れた途端、「いつもの味だ」と安心できる料理。
 
同じ料理を作ること、みんなで同じ味を食べ続けること。その繰り返しが、「わが家の味」をつくりました。
 
何度も作って手が覚え、私にとっては「これさえ作れば」のお守り。だから、励ましたい日には「あのメニューを作ってあげよう」と思いつく。「ごめんね」の代わりに、娘の好物をテーブルに。
 
とびきりのごちそうでないから、なんでもない日々を思い出せる。家庭の料理は、お店では食べられない。
 
その味わいを知っているから、家族は食卓に戻ってくるのです。

From Megumi Fujii

30年以上前から愛用中のモンブランのシャーペンでしたためた、藤井家の定番レシピを紹介!

30年以上前から愛用中のモンブランのシャーペンでしたためた、藤井家の定番レシピ

藤井 恵さんが作り続けてきた

わが家の定番、5つの味

今でも、「あの味が食べたい」とリクエストされる「とりあえず、これさえあれば」の頼れる一品。藤井家の思い出のストーリーとともに紹介します。

1.【日本一の餃子】

日本一の餃子

ゆでキャベツで試したり、塩もみしたり、白菜に替えてみたり。試行錯誤の末、ようやく「わが家の餃子」になったのがこちら。
 
餃子は、手間がかかります。忙しいときに作るのは、ちょっと大変。ところが娘は、「私も包むのを手伝うから」と言って一緒に作るほど、好きなのです。
 
料理だけの完成度でいえば、これよりおいしい餃子はあると思います。けれど、この野菜たっぷり餃子が、私たちの味。
 
忙しい毎日の中、きっとそれぞれの家で、さまざまな餃子が作られているでしょう。そしてどの家族も、「うちの餃子が一番」と思っている。
 
手間がかかっても、家族のために作る料理。だから、どの家庭の餃子も日本一。
 
この餃子には、にらもにんにくも入っていません。それは、作るとなると一気にたくさん作って冷凍するから。冷凍してもにおいと味が変わらないレシピなのです。
 
巣立った娘たちの家に行くと、私はキッチンでたくさんの餃子を作ります。
 
そして冷凍庫にたっぷり詰めて、帰ってくるのです。



2.【週5で食べられる鍋】

週5で食べられる鍋

今日はみそ味、翌日は塩味、その次はしょうゆ味とつゆを替えながら、夕飯のほとんどが鍋だった時期があります。具材はそのときにあるもの。鶏肉とキャベツだけの日もあれば、豚肉ともやしの日、ごぼうやこんにゃくが入ることもありました。
 
鍋は、作るのがラク。そして忘れがちな視点ですが、「食べるのもラク」。
 
以前の私は品数を揃え、栄養バランスにこだわった献立が一番だと信じていました。すると子どもたちがため息をつくんですね。たくさんおかずがあると、小さい子どもは迷ってしまうんです。
 
鍋なら、自分が食べたいものを、食べたい分だけ味わえるし、野菜もお肉も迷わずに、一緒に食べられるんですよね。
 
子どもたちが独立し、暮らしが落ち着いた今、彼女たちが求めれば、私はいくらでも凝った料理を作って出すこともできるのです。
 
それなのに、実家に戻ってきた娘たちにリクエストされるのは、なぜかというか、やっぱり、この鍋や餃子なのです。

3.【おばあちゃんの具なしオムライス】

おばあちゃんの具なしオムライス

「家族がおいしく気分よく食べられるのが一番。嫌いなものは、無理しなくていいんだよ」
それが、私の母の考え方。
 
このオムライスは、なんと具が入っていないし、ごはんを炒めてすらいないんです。
 
毎日、野菜を食べなくたって大丈夫。食卓には、実際の栄養よりも、ずっと大切なことがある。
 
自分の子育てが終わった心の余裕なのか、母は小難しいことは抜きにして、娘たちの喜ぶものをおおらかに作ってくれました。
 
卵の中には、バターが香るしょうゆ味のごはん。たっぷりのトマトケチャップが、なんとも懐かしく素朴なおいしさです。

4.【やさしさたっぷりポタージュスープ】

やさしさたっぷりポタージュスープ

そうはいっても、子どもに野菜を食べさせたい。そこで考えたのがポタージュにすることでした。
 
「スープで煮たほうがおいしいかも?」などと試したりもしたけれど、水でシンプルに蒸し煮するのが、一番野菜のおいしさを感じます。
 
甘味の出る玉ねぎはぜひ入れてほしいのですが、ほかは旬のものをお好みで。同じ料理なのに、色合いが変わり、季節を感じる一皿になります。牛乳や豆乳を加えてもおいしいですよ。
 
塩を入れなければ赤ちゃんも食べられますし、咀嚼(そしゃく)が難しくなった高齢の方にもおすすめ。
 
同じ料理を、世代を超えて一緒に味わうこと。それは、とても幸せなことではないでしょうか。

5.【家族のためのプリン】

家族のためのプリン

「プリンがおいしく作れるお母さんになりたい」と思っていました。たくさんのレシピを見て、試作をして、ようやくこの形に。気づけば、もう30年余り作り続けているおやつです。
 
はじめはグラニュー糖だけで作っていましたが、あるパティシエが「きび砂糖を半分混ぜると素朴な味になる」とおっしゃっていて、それからは半量ずつ、使うようになりました。
 
生クリームを入れたこともあったけれど、今は牛乳で。家庭のお菓子は、できるだけ特別な材料を使わず、思い立ったときに作れるレシピがいいな、と思っています。
 
バニラビーンズがなければ、バニラオイルで。あくまで香りですから、無理なら入れなくても十分おいしいですよ。
 
きっとシンプルな味だからこそ、娘たちの舌や心に残ったのでしょう。
 
特別な日には、生クリームを絞って、缶詰の赤いチェリーをのせて。それだけで、ちょっと格上げされてワクワクしたのも思い出です。

過去のレシピも大充実な

Staff Credit

撮影/宮濱祐美子 スタイリスト/今田 愛 取材・文/福山雅美
こちらは2026年LEE10月号(9/7発売)「家族のごはん作りは「定番」に頼ればいい!」に掲載の記事です。

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